3月30日(火)
ボウルトーナメントで準優勝となった香港セブンス。
最終日はまずタイと対戦しました。前半は相変わらずトライを取った後に取られる悪いパターンで折り返し。後半になってようやく四宮、キリベ、オツコロの3連続トライで突き放しました。
準決勝は香港セブンス初登場のグルジア。サイズは大きく当りも強いので、横の動きのもろさを突こうと臨みました。常に先手を取られる苦しい展開で、残り2分の段階で9点差を付けられていましたが、ここからJapanの怒涛の攻撃によって正面とキリベが連続トライ。観衆も沸きに沸き、Japanが大逆転で決勝に進出しました。
そしてこの日の最大目標であるボウル優勝。相手は動きの早いクック諸島。Final Time と言うことで4万人の大観衆の中でJapanは果敢に攻め、まずは吉田尚史の先制トライ。しかしアタック時にプレッシャーを受け、たまらずミスをしたところを一気に突かれ、徐々に引き離され始めました。後半も残り1分まで5点差と逆転圏内でしたが、最後にとどめのトライを奪われ万事休すとなりました。
しかし表彰台に登ったJapanに対して観衆は暖かい拍手で健闘を称えてくれました。結果には満足しないながらも、この経験はこれからの戦いに改めて全力で立ち向かおうという気にさせてくれるものでした。
なおカップ決勝は準決勝で南アを破って順当に勝ち上がったイングランドと、同じく準決勝でNZを破り、今や番狂わせとは誰も思わなくなったアルゼンチンの対戦でした。もちろんJapanの選手も全員で観戦しましたが、両チームのフィットネス、スキル、そしてタフさにレベルの違いをまざまざと見せつけられ、自分たちに何が足りないのかを考えさせてくれるものでした。結局確実にフィニッシュにもっていけるイングランドが大会2連覇を飾りましたが、準優勝のアルゼンチンの急成長ぶりには大いに驚かせられました。
大会期間中にアルゼンチンのヘッドコーチと話す機会がありましたが、ワールドサーキットに加え、国内でも3ヶ月に1回はトーナメントを開催しているとか。やはりゲームをより多く経験することが、国際大会で結果を残すために欠かせない要素であるのは間違いなさそうです。
なおカップ決勝の前に、南アで開催中のU19世界大会で不幸にも亡くなったアイルランドの選手のために、スタジアム全体で1分間の黙祷をしました。同じラグビー仲間として本当に残念であると同時に、当たり前のようにラグビーができる幸せをかみ締めながら、次の戦いに臨みたいと思います。
最後に香港では日本チームを毎年お世話してくれているリエゾン、内田さんに大変お世話になりました。チーム一同心から感謝をすると共に、来年もよろしくお願い致します。
◎本城監督
「今シーズン、初ツアーとはいえ、結果は決して満足のいくものではありませんでした。サポート、リアクションの遅さ。サポートのない状況の中でのコンタクトの多さ。ディフェンスの弱さもろさ。勝負に対する執念、厳しさ。まだまだ発展途上です。スキルとメンタリティの両面から、レベルアップさせていきます。我々のチームに一番必要なことはゲーム経験。香港セブンスをステップとして、選手がもっと自信を持ってプレーできるように、シンガポールセブンスに臨みたいと思います」
(コーチ兼チームマネージャー/佐野 順)