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10月4日(土) 香港

ワールドカップセブンズ2009アジア地区予選、第1日目

いよいよ開幕したRWC7's 2009アジア地区予選。昨日から台風の影響が懸念され試合開始時間を90分早めたりと様々な対応に追われましたが、台風の存在が嘘のような晴天に恵まれたなかでの開幕となりました。

女子日本代表チームは、大会初日第1試合に登場。中華台北と対戦しました。今までほとんど大会に参加していない不気味な存在というスタッフの不安を余所に、蓋を開けてみれば、兼松がいきなり大会初のハットトリックを含む5トライを挙げて27-0で快勝。しっかりと整備されたディフェンスと小気味良いアタックで幸先の良いスタートを切ったかに思えましたが、この試合でエルティング主将が肩を負傷。状態から見て今後の大会参加が難しいというアクシデントに見舞われてしまいました。

時間を空けて行われた第2戦、タイ代表戦。先制したのは、タイ代表でした。自陣から大きく展開されWTBに走られトライを奪われました。その後、日本代表も田中のトライで追いつきますが、コンバージョンが外れ2点のリードを許し、前半を終えました。そして、逆転を狙った後半。自分たちのミスからまたもやタイにトライを奪われリードを広げられてしまいました。自分たちのペースで戦いたい日本代表は、ドゥーリーHCが次々とフレッシュな選手を入れ替えます。そして、ロスタイムに入った7分。兼松がトライを上げ、2点差に追い上げました。最後のコンバージョンが決まれば、同点という場面で、兼松の放ったボールは、右側のポールを直撃しクロスバーの手前に落ちたと同時に、タイムアップのホイッスルが鳴り響きました。最終スコアは、10-12。この時点で、1位通過はタイに決定。日本は他チームの結果を待って最終日の組み合わせが決定することになりました。
結局、日本代表は、各プール2位チーム同士の中の1位として、セミファイナルに進出決定。ワールドカップへの道も残されました。
女子日本代表チームのドゥーリーHCも、「まだ、終わりではない。明日のトーナメントをしっかり戦って本戦出場を決めたい」と語ってくれました。女子チームの視線は、既に明日を見据えています。

台風の影響で90分繰り上げられた1日目   試合前の女子7人制日本代表   試合直前の練習   右が女子チームのエルティング キャプテン
台風の影響で90分繰り上げられた1日目   試合前の女子7人制日本代表   試合直前の練習   右が女子チームのエルティング キャプテン

試合開始   女子7人制日本代表の初戦の相手は中華台北   こちらも女子7人制日本代表   ハーフタイムに、ドゥーリーヘッドコーチの指示をきく
試合開始   女子7人制日本代表の初戦の相手は中華台北   こちらも女子7人制日本代表   ハーフタイムに、ドゥーリーHCの指示をきく

また、男子は初戦でタイと対戦しました。セカンドジャージーで登場した日本代表は、試合開始からエンジン全開。キックオフ直後に岩本が先制トライを挙げると、そこから怒涛の7トライ。最後まで切れることなく、完璧な試合運びで、一戦必勝を掲げた重要な緒戦を41-0で快勝。次戦に向けて、好スタートを切りました。

第2戦は、カザフスタンとの対戦となりました。15人制のように、フィジカルの強さを前面に押し出してくるチームとの対戦になりましたが、厳しく・激しい練習を積み重ねてきた選手たちには、大きな自信がありました。それは、ディフェンスで崩れないこと。相互のコミュニケーションを取って、コンパクトに相手を抑えていくということを実践した選手たちは、点差こそ広げられなかったものの、終始日本ペースで試合を進め、ディフェンスとアタックが融合したしっかりとした試合を見せてくれました。結果的には、31-0とシャットアウトで1日目を終えました。
村田監督も、2試合連続で0点に抑えたということは非常に評価しており、「これまでディフェンスの強化をしてきたことが、証明できたと思っています」と語り、明日に向けて十分な手応えを感じているようでした。

いよいよ、明日はワールドカップのキップをかけたゲームとなります。男女とも目指すは、アジア王者としてワールドカップ出場です。皆様のさらなる応援をよろしくお願いします。

こちらは男子7人制日本代表   男子、初戦はタイ代表と対戦   女子7人制日本代表は第2戦でタイ代表と対戦し、惜敗   男子7人制日本代表、村田監督
こちらは男子7人制日本代表   男子、初戦はタイ代表と対戦   女子7人制日本代表は第2戦でタイ代表と対戦し、惜敗   男子7人制日本代表、村田監督

男子7人制日本代表、第2戦でカザフスタン代表と対戦   男子7人制日本代表は1日目、2戦とも完勝し、プール1位通過  
男子7人制日本代表、第2戦でカザフスタン代表と対戦   男子7人制日本代表は1日目、2戦とも完勝し、プール1位通過  

10月2日(木) 香港

7人制日本代表男子チーム香港遠征8日目。日本代表は、これまでの疲れを取るために終日オフとして休養日にあてました。
朝食、昼食の時間を大幅に広げ、各自自分のペースで食べることができるように配慮しました。選手たちは、ゆっくりと部屋で寛いだり、宿舎近くを散策したりと思い思いの時間を過ごしたようです。

我々が泊まっている宿舎にも、アジア予選に参加するチームが続々と入ってきました。そして、セブンズワールドカップ2009にアベック出場を目指す7人制女子日本代表チームも無事、香港に入ってきました。空港には無事到着したものの、香港特有の渋滞にはまり到着が遅くなってしまいました。それでも選手たちは宿舎に着くと元気な姿でカメラにポーズを取ってくれました。暑い香港の気候に戸惑いを見せたものの、本戦に向けてしっかりと前を見据えていました。
大会まで後1日、必ずや男子・女子共にワールドカップ出場を勝ち取ってくれると思います。
両チームへの熱い応援をお願いいたします。

両チームとも明日、キャプテンランを行い、最後の調整を行います。

続々と各チームが香港入り。左の黒のウェアがインドチーム、右の赤いウェアが中国チームです   サントリーで活躍する二人。成田選手と、韓国代表・李選手   こちらは三菱重工で活躍する二人。山口選手と、中国代表・賀選手   女子チームも元気に香港到着です
続々と各チームが香港入り。左の黒のウェアがインドチーム、右の赤いウェアが中国チームです   サントリーで活躍する二人。成田選手と、韓国代表・李選手   こちらは三菱重工で活躍する二人。山口選手と、中国代表・賀選手   女子チームも元気に香港到着です

10月1日(水) 香港

7人制日本代表男子チーム香港遠征7日目。大会に備えた全体練習は、実質今日が最後となりました。午前中のみのトレーニングでしたが、やり残したことがないよう、細かな部分まで確認して終えました。

朝8時からウエイトトレーニングを行った選手たちは、練習後すぐにバスに乗り込み練習に出発。本日の練習は、九龍にある「Kings Park Sports Ground」で行われました。今日10月1日は、毛沢東が中華人民共和国の成立をした国慶節といわれる国民の祝日のため、普段は30分から40分かかる移動も15分前後と非常にスムーズでした。
練習前の円陣では、村田監督から「一戦必勝! とにかく一戦一戦大事に戦おう」と選手たちに語りかけウォーミングアップに移りました。激しい練習を行えるのは今日が最後になるため、スタートから精力的に体を動かしました。W-up後には、スキルトレーニングを行って、ユニットに分かれました。FWは、昨日香港入りした平林レフリーにスクラムやラインアウトをチェックしてもらいながらコンビネーションをあわせました。BKは、村田監督を中心に、サインプレーや攻撃の方向性を確認しました。

その後、ディフェンスドリルを実施。ディフェンスでは、これまで練習で行ってきたコンパクトなディフェンスを再確認。しっかりとコミュニケーションを取りながらギャップを作らないディフェンスラインが構築できるようになりました。

最後に練習の締めくくりとして、7対7のアタック・ディフェンスを7分-1分-7分の試合時間に合わせて行いました。日本代表が取り組んできたアタック・ディフェンス、個々のスキルフルなアタックなどが随所に見られ、これまでの練習の積み重ねがしっかり出た内容となりました。非常に追い込んだトレーニングでしたが、選手たちの表情にも自信が溢れ、アジア王者としてワールドカップに行くという強い気持ちが感じられます。
練習後の円陣では、村田監督もチームの仕上がりの良さを感じているようで「我々が目指すレベルに、ほとんど達していると思う。あとは金曜日の練習で調整して試合に入ろう」と話してトレーニングを終えました。

午後は、オフとして休養にあてました。
明日は、一日オフとしてゆっくり体を休ませ、金曜日にキャプテンランをして試合に臨みます。
明日には、出場全チームが香港入りします。いよいよカウントダウンが始まった日本代表チームへのサポートをよろしくお願いします。

今日はウエイトトレーニングから一日がスタート   村田監督から練習内容の説明を聞く選手たち   今日も皆で「Hard Defence!」   ストレッチで体を温める
今日はウエイトトレーニングから一日がスタート   村田監督から練習内容の説明を聞く選手たち   今日も皆で「Hard Defence!」   ストレッチで体を温める

監督自ら選手の練習相手になります   様々なオプションをチェックしたラインアウト   大会を担当する平林レフリーも練習に駆けつけてくれました   スペースがあれば仕掛けるアタックを心がける
監督自ら選手の練習相手になります   様々なオプションをチェックしたラインアウト   大会を担当する平林レフリーも練習に駆けつけてくれました   スペースがあれば仕掛けるアタックを心がける

タッチラインに追い込むディフェンス   練習の最後は7対7の試合形式で行われた   セットプレーから攻撃を仕掛ける   練習後はしっかりストレッチ
タッチラインに追い込むディフェンス   練習の最後は7対7の試合形式で行われた   セットプレーから攻撃を仕掛ける   練習後はしっかりストレッチ

日本食を楽しむ選手たち  
日本食を楽しむ選手たち  

9月30日(火) 香港

7人制日本代表男子チーム香港遠征6日目。午前・午後と試合会場の香港フットボールグラウンドで2部練を行いました。

今週の土曜・日曜に行われる本大会まで練習を行えるのは、キャプテンランを入れると4回。一つ一つのトレーニングを大切にし、アジア予選を戦い抜き本大会出場を決めるためのチーム力を積み上げなければなりません。そんな中で行われた今日のトレーニングは、肉体的・精神的に非常に厳しい状況でしたが、選手たちは常に前を見据え、しっかりと自分たちを追い込みました。

午前中のトレーニングの焦点はディフェンス。村田監督以下コーチ陣から常々言われている7人制のディフェンスについてフォーカスしながら集中的に取り組みました。ウォーミングアップから気持ちのスイッチを入れ、体を温めた後、村田監督リードによるスキルトレーニングで、反応や瞬発力といった部分を高めつつ、ディフェンストレーニングに入りました。
まずは、3対2のシチュエーションから入り、4対3、5対4という形で徐々に人数を増やしながら自分の守るべきゾーン、アタックの追い込み方などを確認しました。もちろん、ディフェンスとしてのコミュニケーションもしっかりと確認しました。やはり、指示の声がきちんと出ている場面では、大きく崩れることもなく、自分たちのペースで守ることができています。これを試合中のどんな局面でもやり続けなければなりません。チームがきつい時にいかに的確なコミュニケーションが取れるかで試合が左右されます。今日のトレーニングでも、そう言った局面を想定しつつ行われ、選手たちも最後まで気を抜くことなくバランスの取れたディフェンスを見せてくれました。
そして、練習の最後にフィットネストレーニングを行い、午前中の練習を終えました。

午後は、試合会場を使えるということで、2日目の第1試合のキックオフ時間、即ち我々の本大会出場が決まるセミファイナルが行われる13時18分の時間に近い13時30分からトレーニングを行いました。練習前の円陣では、村田監督から「今回の試合で一番大事なのは、初戦のタイ戦と、最終日のこの時間に行われるセミファイナル。ここでしっかりした試合ができれば、結果は自ずとついてくる。ここをきちんと入ろう」と選手たちに語りました。練習時の気温は、なんと33度!むせ返るような暑さの中でのトレーニングでしたが、チームディフェンスやユニット、7on7など約2時間の内容に、気持ちが切れることなく集中して取り組みました。練習後も、ラインアウトやパスなどをあわせるなど準備に余念がありません。

残す練習は、2回。明日は、九龍にあるキングスパークでトレーニングを行います。ワールドカップセブンズに向け突き進む日本代表チームの応援をよろしくお願いします。

ロコツイ選手(左)、マフィレオ選手(右)も元気に練習参加   試合会場のHong Kong Football Clubグラウンド。2006年には15人制のアジア予選も行われた   村田監督を中心に笑顔を見せる選手たち   今日のこの円陣からスタート
ロコツイ選手(左)、マフィレオ選手(右)も元気に練習参加   試合会場のHong Kong Football Clubグラウンド。2006年には15人制のアジア予選も行われた   村田監督を中心に笑顔を見せる選手たち   今日のこの円陣からスタート

しっかりと体をほぐす選手たち   コアトレーニングも忘れずに   内側を見つつ、外側を押さえる   ボールキャリアーを2人で見るイメージ
しっかりと体をほぐす選手たち   コアトレーニングも忘れずに   内側を見つつ、外側を押さえる   ボールキャリアーを2人で見るイメージ

タッチラインへ追い詰める   相手をしっかり見て前へ   スペースが空いたら勝負   プレーの合間には選手同士でチェックする
タッチラインへ追い詰める   相手をしっかり見て前へ   スペースが空いたら勝負   プレーの合間には選手同士でチェックする

松下選手のフッキングも安定   アタックのパスは速く、遠くへ   セットプレーの安定が不可欠。ラインアウトも様々なオプションをチェック  
松下選手のフッキングも安定   アタックのパスは速く、遠くへ   セットプレーの安定が不可欠。ラインアウトも様々なオプションをチェック