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10月5日(日) 香港

ワールドカップセブンズ2009アジア地区予選、第2日目‥‥2

ワールドカップへの出場を既に決めていた男女7人制日本代表チームは、当初のターゲットであるアジアチャンピオンとして出場を狙うべく決勝戦に臨みました。

共にファイナルを迎えた両チーム、女子の決勝戦が先に行われました。決勝戦を戦うタイ代表は4日の予選プールで敗れた相手。近年力をつけて来ているとはいうものの、是が非でも勝ちたい相手でした。しかし、先制したのはタイ代表でした。今大会のMVPに選ばれた快速ウィングに連続トライを奪われリードを許します。前半終了間際に長谷部のトライで5点を返し、5-12で前半を終えました。
後半開始時から激しい雨に見舞われる中、3分に日本が右隅にトライ(コンバージョンは失敗)し点差を縮めます。そこからタイの猛攻撃にあいますが、低いタックルで応戦し前進を許しません。そして残り時間1分となった後半9分。タイ陣G前10m付近のタイボールのスクラムにプレッシャーをかけた日本代表は、ボールを奪いモール→右へ展開し、絶妙のループを通して首藤がゴールポスト真下に逆転のトライ。兼松のコンバージョンも決まり12-10と試合をひっくり返しました。残り時間わずかとなったキックオフからのタイの猛攻を鋭いタックルで防ぎきってノーサイドのホイッスルが鳴り響きました。念願のアジアチャンピオンを手にした選手たちは、抱き合って大喜び。勝利の余韻に浸っていました。

この様子は、ウォーミングアップを終えて優勝の瞬間をグラウンドサイドで目にした男子チームにとって、大きな後押しになりました。

スタジアムの興奮冷めやらぬまま、本大会のラストゲームとなる男子ファイナルがアナウンスされました。対戦相手は、地元・香港。今年の香港セブンズで敗れた相手です。鈴木キャプテンは、準決勝を終えた後、宿舎でこの試合の映像に見入り、「本当にめちゃくちゃ悔しかった。今でも悔しい」という試合を目に焼きつけ、この試合に臨みました。
激しく降り出した雨は、一層ひどくなり強い風にあおられたその光景は、まるで雨のカーテンのようでした。そんな中、キックオフを迎えた日本代表は、いきなりのピンチを迎えました。香港に攻め込まれ、Gラインを背にして防御の時間が続きましたが、激しい練習に裏づけされたチームの生命線であるディフェンスがこの時もチームを一つにしました。まったく怯むことなく完全に守り抜き、反則の繰り返しで山本選手がシンビンになった時間帯もチーム全員で防ぎきりました。そして試合は0-0のまま、前半終了。勝負は後半の10分に託されました。
先制したのは香港代表、日本に生まれたわずかなギャップを巧みに攻められ先制トライを許してしまいました。ここで村田監督が動き、長野選手に代えてマフィレオ選手を投入。再びチームが活気付いた後半4分。鈴木キャプテンがスピードで香港ディフェンスを切り裂きトライを挙げ、7-7の同点に追いつきます。その後は、香港のパワー対日本のディフェンスがぶつかりあい死闘が繰り広げられました。そんな中、後半9分日本陣22m中央付近での日本ペナルティーを香港がPGを狙い成功。残り時間10秒をきったところで、7-10とリードされる展開になりました。ボールが止まればノーサイドという場面で、奇跡とも言える日本のビックプレーが生まれました。自陣奥深くに蹴りこまれたボールを鈴木キャプテンがキャッチ。そのまま右へ展開しボールはマフィレオ選手へ、ボールを手にしたマフィレオ選手は、自陣ゴール前から次々と香港ディフェンスをステップでかわし90mを一人で走りきり左スミに大逆転トライを上げました。そしてコンバージョンが外れたところでノーサイド。劇的な幕切れとなったファイナル。香港にリベンジを果たし、見事日本代表がアジア王者に輝きました。

試合後は、豪雨の中、アベック優勝となった女子チームと共に写真撮影を行いました。

また、試合後に全チームが一堂に会して行われたレセプションパーティーで男女のMVPが発表され、男子チームのMVPに日本代表・鈴木貴士キャプテンが選出されました。

男女共にW杯キップを手にし、来年3月ドバイで行われるワールドカップに臨みます。大会期間中、日本代表チームにご声援いただいたすべての皆様に御礼申し上げます。
また、これからもさらなる応援をよろしくお願いいたします。

試合後のロッカールーム。喜び爆発です   レセプション会場にて   レセプション会場にて2   女子チームも喜びいっぱいです
試合後のロッカールーム。喜び爆発です   レセプション会場にて   レセプション会場にて2   女子チームも喜びいっぱいです

抜群のチームワークでチームを作り上げたスタッフ陣   日本チームは大人気でした   皆でグラスを高々と掲げる女子チーム   男子の大会MVPは鈴木選手が受賞
抜群のチームワークでチームを作り上げたスタッフ陣   日本チームは大人気でした   皆でグラスを高々と掲げる女子チーム   男子の大会MVPは鈴木選手が受賞

優勝トロフィーを受け取るアンジェラ主将   優勝トロフィーと共に(女子)   優勝トロフィーを受け取る鈴木キャプテン   優勝トロフィーと共に(男子)
優勝トロフィーを受け取るアンジェラ主将   優勝トロフィーと共に(女子)   優勝トロフィーを受け取る鈴木キャプテン   優勝トロフィーと共に(男子)

W杯出場全チームで   優勝カップを掲げるスタッフ陣   男女MVPのフォトセッション   ドーピング検査で遅れていた松下・成田選手もトロフィーを掲げて満面の笑み
W杯出場全チームで   優勝カップを掲げるスタッフ陣   男女MVPのフォトセッション   ドーピング検査で遅れていた松下・成田選手もトロフィーを掲げて満面の笑み

10月5日(日) 香港

ワールドカップセブンズ2009アジア地区予選、第2日目‥‥1

最終日を迎えたアジア地区予選第2日。今日の香港は、朝から激しい雨が降り、試合中も不安定な天候でした。

そんな中、迎えた女子準決勝第1試合。プールA1位のカザフスタン代表と対戦した日本代表は、キックオフ直後にチャンスがあったものの、得点に結びつけられず一進一退の攻防を見せ、前半を0-0の同点で折り返した。集中力を保ったまま後半に入り、均衡が破れたのは1分。カザフスタン ディフェンス陣のギャップをついた鈴木が約40mを走り切りトライを挙げた。その後は、カザフスタンの猛攻撃にあうものの、ゲームキャプテンを務めた兼松のビッグタックルや、意思統一された低いタックルでしのぎきり、ノーサイド。過去15人制でも7人制でも苦汁を飲まされたカザフスタンを破り念願のW杯キップを手にした。

試合後、ドゥーリーヘッドコーチは、「昨日の敗戦から失いかけた自信を選手たちは自分たちで取り戻した。選手たちは良くやってくれた。まだ、決勝戦があるので最後までしっかりと戦いたい」と語り選手たちを称えました。兼松バイスキャプテンは、「正直、昨日の敗戦を引きずっていた面もあったのですが、昨夜のミーティングでドゥーリーコーチからやってきたことは間違っていない。まだチャンスは残っていると言われて、吹っ切れました」と話してくれました。
日本チームの試合の後の結果で、決勝戦は昨日予選プールで敗れたタイ代表との対戦となりました。

女子一試合を挟んで行われた男子のセミファイナル。対戦相手は近年成長著しい中国代表でした。勝てばワールドカップ、負ければ出場権を失う大事な試合となりました。
チャンスはキックオフ直後に生まれましたが、トライラインを陥れることができず膠着状態が続きました。試合が動いたのは、前半4分、ゆっくりとしたペースからボールを動かした日本代表は、中国代表の一瞬の隙をついて山本がトライ。松下のコンバージョンも決まって7点をリードして前半を終えました。後半はいきなり日本代表にビッグプレーが生まれました。キックオフから流れるようなパスワークを見せ、最後は、山本→松下→岩本→リーチとつなぎノーホイッスルトライで中国を引き離しにかかります。その後、2分に抜群のステップワークとスピードを見せた鈴木キャプテンがトライ、その直後には、後半から入ったマフィレオ選手がロコツイ選手との絶妙なクロスでトライと一気に試合を決めました。ディフェンスにおいても中国を0点に抑えての完封勝利。これで昨日から3試合連続無失点となりました。
ワールドカップ出場のキップは手に入れましたが、チームが見据えるのはアジア王者です。決勝の相手は、香港セブンズで敗れている香港に決まりました。
男女とも、合言葉は「リベンジ」です。

女子7人制日本代表、相手は強敵のカザフスタン代表   雨中での戦い   完封でのうれしい勝利。次は決勝戦だ   カザフスタン代表に勝ち、ワールドカップ出場を決めた女子7人制日本代表
女子7人制日本代表、相手は強敵のカザフスタン代表   雨中での戦い   完封でのうれしい勝利。次は決勝戦だ   カザフスタン代表に勝ち、ワールドカップ出場を決めた女子7人制日本代表

おめでとう!女子7人制日本代表。右から3人目がドゥーリーヘッドコーチ   男子7人制日本代表は中国代表と対戦   前半は7-0と競ったが、後半は日本のペース   男子チームもこれでワールドカップ出場を決めた
おめでとう!女子7人制日本代表。右から3人目がドゥーリーヘッドコーチ   男子7人制日本代表は中国代表と対戦   前半は7-0と競ったが、後半は日本のペース   男子チームもこれでワールドカップ出場を決めた

おめでとう!男子7人制日本代表   スタンドには日の丸も   女子チームと健闘を讚えあう  
おめでとう!男子7人制日本代表   スタンドには日の丸も   女子チームと健闘を讚えあう