2009 IRBパシフィック・ネーションズカップ 6月27日(土)フィジー・ラウトカ・チャーチルパークで行われた「2009 IRBパシフィック・ネーションズカップ トンガ代表 対 日本代表」戦の結果は以下のとおりです。これで日本代表は1勝2敗となりました。

トンガ代表 19-21 日本代表

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「ノーエクスキューズ。マストウイン」
間違いなく、カーワンHCが繰り返してきたフレーズを実行に移さなければならない試合だった。
パシフィック・ネーションズカップ(PNC)第3戦。対戦相手は過去2年間の同大会で勝っているトンガ。IRB世界ランキングでは15位の日本よりひとつ上の14位。そして、日本がアジア予選を勝ち抜いた場合、2011年ワールドカップで対戦することも決まっている。

絶対に負けられない条件が整った一戦は、6月27日、フィジー・ヴィチレヴ島西端のラウトカ・チャーチルパークで行われた。
立ち上がりはお互いにDFでプレッシャーをかけ合い、攻撃側のミスも重なって、なかなか点数の入らない重苦しい展開が続いた。そして、17分。過去2試合、ミスから得点を重ねられるケースの多かった日本だったが、この日も自分たちのミスでトンガに先制される嫌な展開となった。ボールキープしながら相手陣に入った後、ラックから出たボールをそのままSH田中がキックしたがチャージされ、自陣深くまでボールを持ち込まれた後、ラックから右にふられてCTBヴァカにトライを許してしまう。
それでも日本は21分にCTBニコラスのPGで追い上げた後、22分にはブレイクダウンでターンオーバーしたボールを敵陣深く蹴り込み、WTB小野澤が相手ゴールに迫った後、FBウェブがフォローしてトライ。8-7と逆転に成功する。
さらに、33分には相手のノックオンのミスに乗じて、カウンターから左展開。ニコラスが相手DFを引きつけた後、ウェブにラストパスを通して連続トライ。そのまま、15-7とリードして前半を折り返した。

後半に入り、またも先手をとったのはトンガ。5分。日本は自陣で得たFKからSOアレジがハイパントを上げるが、キックチェイスが機能せず、こぼれ球を拾ったトンガFLティーポレに大きくゲインされた後、HOマアシにつながれて、15-14と1点差に追い上げられた。

そして、この後、まさに一進一退の攻防が繰り広げられることになる。

11分には、この日、代表初先発のFL豊田のインターセプトからHO青木、NO.8菊谷主将とつないで、相手ゴール前へ。トンガのオフサイドでPGのチャンスを得るが、ニコラスが失敗。

逆に18分には、相手ゴール前のスクラムからトンガCTBにSOの内側のスペースを狙われてピンチになったが、小野澤の負傷で後半WTBのポジションに入っていた今村がよく戻って、ピンチを防ぐ。
「あそこで取られるとマズいと思った」と、本人が振り返った守りでのビッグプレーの後、22分、39分と、攻め込んだ日本は確実にSOアレジのPGで加点。

直後のキックオフの時点で試合はすでにロスタイムに入っていたため、21-14と7点差をつけていた日本は、事実上、負けはない状態だった。

最後のワンプレーをしっかり終わらせれば、そのまま勝利が飛び込んでくるはずだったが、キックオフからのボールをキープできず、トンガにそのままボールをつながれ、何と最後の最後でノーホイッスルトライを奪われてしまい、スコアは21-19に。
トンガWTBハライフォヌアのゴールが決まれば、同点に追いつかれるところだったが、ジャストミートしなかったボールは右に大きくそれ、距離も届かず、そのまま試合終了の笛が鳴り響いた。

「まだまだ甘いところはあるけど、今日はパニックになる場面が少なかった」(菊谷主将)

確かに、チャンスに取り切れていればもっと楽な試合運びができていたのも事実だが、何人も足をつる選手が出るほどの厳しい状況を全員で凌ぎ切って勝利という結果をものにしたことは、素直に讃えられるべきだろう。
後半、トンガのアタックに集中力を切らさずに対応しながら、敵陣に入った時には確実にPGで得点を重ねて勝利に結びつけた点も、課題だったゲームコントロールで成長が見られた証しと言ってもいい。

「若いチームにとって物凄く意義ある勝利。フィニッシュ力を高めて、フィジー戦にも勝利する」(カーワンHC)

11年W杯を見据えた若いメンバーで戦うカーワンジャパンにとって、PNC最終戦となるフィジー戦(7月3日、フィジー・スバ)では、「ここまでは攻め込んでも、取り切れないケースが多い」(LO北川俊)というアタック面での精度を上げて、いかにチャンスでトライに結びつけられるかが、勝利へのひとつの鍵となる。

トンガ代表 19-21 日本代表   トンガ代表 19-21 日本代表   トンガ代表 19-21 日本代表   トンガ代表 19-21 日本代表

◎日本代表 ジョン・カーワン ヘッドコーチ
「トンガはタフなチームであったが、前半いくつかのトライチャンスをものにすることができなかったのは残念だった。選手たちは、激しいディフェンスで良く戦ってくれた。厳しい環境とタフな相手、そして僅差のゲームで勝てたことは選手たちにとって良い経験になるし、我々、日本代表チームにとっては大きな財産となるだろう」

◎日本代表 菊谷崇キャプテン
「結果がすべて。やっと勝利を手にすることができました。勝ったことを素直に喜びたいと思います。残りはフィジー戦一試合。昨年の勝ち星を上回って日本に帰りたいと思います」

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