秩父宮ラグビー場

平成23年11月23日午前、JRFUリソースコーチ*を対象に、日本代表FW&スキルスコーチであるミック・バーン氏*を講師に招いて、スキルのコーチング講習会を実施しました。今回の講習会は、中竹コーチングディレクターの呼びかけで実現したもので、スキル・コアスキルの「一貫指導」について、講義と実践に分けて行いました。

ミック・バーン氏による講習会

講義では、スキルコーチングに必要な3つのステップについて、バーン氏が自らのコーチング経験をもとに分かりやすく説明。特に、コーチ自身の一方的な経験を通した指導方法を教え込むのではなく、選手に対して、正しいスキルを習得させる必要性を強く訴えていました。スキルを習得する前の細かな技術指導が選手のパフォーマンス向上に繋がります。リソースコーチの役目は、正しいスキルを徹底的に繰り返し、「基本的な技術」を理解させることです。

実践では、講義で教わったことを、より理解するために、「パンチパス」「Yライン」「ブレイクダウン」等の「アクティビティー」を繰り返し、日本代表、NZ代表が練習しているものと同じ内容を実施。参加したリソースコーチが明確に理解するまで、細かい部分までわかりやすく解説。講習会後も積極的に質疑応答を含めた意見交換が行われていました。

高校、大学、トップリーグ、代表とレベル、コーチング方法、ゲームプランは異なっていても、スキルの部分は、若い世代から一貫して指導する重要性を強調していました。

ミック・バーン氏による講習会   ミック・バーン氏による講習会

細かな技術・スキルアップ向上させるためには、日々の練習を楽しむための環境づくりが大切であるというコメントがとても印象的でした。また、ラグビーワールドカップNZ大会で、優勝したNZでさえ、決勝直前まで、毎日20分間これらの基本的なスキル練習を個人トレーニングの中で取り入れ、選手全員が真剣に取り組んでいたという興味深い秘話もありました。

*リソースコーチ──今後、日本代表のコーチ候補者として、各カテゴリー日本代表を指導しながら成長していくことが期待される日本協会と契約したコーチ。その他、全国9ブロックでのユースエリート選手の指導や、各ブロック別のコーチ指導や評価、サポートならびにブロックでの強化活動のマネジメント、戦略計画に掲げる「一貫指導体制」確立の推進役を担う。

*ミック・バーン──バーン氏は、長年オーストラリアン・ルールズ・フットボールの選手として活躍。キック、キャッチ、ラインアウトなどの専門家で、母国オーストラリアの他、NZ、スコットランドや南アフリカで指導経験を持つ。

ミック・バーン氏による講習会   ミック・バーン氏による講習会