マレーシアセブンズでは香港に敗れて2位に終わった男子セブンズ日本代表。仁川でリベンジを果たし、3大会連続「金」を狙う photo by RJP Kenji Demura
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5年ぶりにリーチ15人制日本代表主将も参加。直前合宿では疲れを知らない動きで抜群の存在感を見せていた(右は桑水流) photo by RJP Kenji Demura
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ここ数年のアジアセブンズシリーズでの対戦から言っても、日本がプール戦で取りこぼす可能性は限りなく少なく、10月1日夕刻(17時18分、17時40分、18時02分、18時24分)に予定されている準々決勝に勝ち進むことは間違いないところ。
「セブンズの大会の場合、プール戦の戦い方が重要になる。ここでミスが少なく日本らしいラグビーで得点をしっかり挙げて、失点を少なくしていけば、比較的戦いやすい対戦相手と戦いながら決勝までいける」
瀬川智広ヘッドコーチが指摘するとおり、準々決勝はプール戦での成績で上位8チームを1位から8位までにランク付けした上で2位対7位、3位対6位、4位対5位、1位8位の順番で行われるだけに、プール戦でしっかり得点を重ねていくことも重要になる。
「(自身は)はじめて日本国籍を持った選手だけで臨む大会。来年には五輪地域予選も予定され、そのリハーサルにもなる。今回優勝しておくことで、ジャパンは強いという印象をアジアの各国に持たせたい」
単純にアジア王者になること以外に、リオデジャネイロオリンピックへつながる確かな第1歩になることの意義を語るのは坂井克行主将。
今季のアジアセブンズシリーズ第1戦の香港大会(8月23、24日)は準決勝で韓国に敗れて3位、第2戦のマレーシアセブンズ(9月6、7日)では決勝で香港に敗れて準優勝と、アジアのライバルの後塵を拝している日本。
坂井主将、桑水流裕策などのコアメンバーも参加したマレーシアセブンズでは再び準決勝で対戦した韓国にこそ19―12で逆転勝ちしてリベンジを果たしたものの、香港戦は全くいいところがなく24―7で完敗を喫している。
単純に言えば、この2チームが3大会連続の金メダルを目指す日本の前に立ちはだかるライバルということになる。
「韓国は足の速い選手が揃ってきているし、体が大きくてパワフル。香港は日本とやる時はそれまでとは戦い方を変えてくる。タッチキックを蹴って、パワープレーを前面に押し出してくる」(坂井主将)
アジアセブンズシリーズでは、キックオフなどセットプレーで完全に後手に回り、ボールキープがまったくできなかったことも響いたが、マレーシアセブンズに出場した、セットプレーのキーマンである桑水流は「(マレーシアセブンズ時は)まだセブンズモードになりきれてなかった。キックオフで全然ジャパンボールにならなかったし、香港の方がやることを統一できていた。それでも、マレーシアセブンズを経験して、セブンズの勘が戻っているし、キックオフに関しては改善できる」と、アジア競技大会本番では精度の上がったセットプレーを見せられることに自信を持つ。
最後に追加招集された経験豊富な鈴木の存在も坂井主将(右手前)、レメキ(左)など主力メンバーにとって心強い photo by RJP Kenji Demura
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決勝は2日19時36分キックオフ予定。山下などフレッシュな若手の思い切ったプレーにも期待がかかる photo by RJP Kenji Demura
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リーチ15人制日本代表主将も合流
「『セブンズのステイタスを上げよう』という話は選手の間でもしている」と坂井主将が言うように、今季のトップリーグでは多くのセブンズ日本代表メンバーが各チームの主力として活躍。
その結果、逆に多くの負傷者が出てしまったため、直前にメンバー変更も余儀なくされた。
今回新たに加わったメンバーの中で最も注目を集めているのは、やはり15人制の日本代表主将でもあるリーチ マイケル。
5年ぶりのセブンズ日本代表でのプレーとなるが、「食べ物に気をつけて、体重が増えないようにしてきたし、いざという時に蹴ることができるように毎日、ドロップゴールの練習とロングパスの練習もしてきた」と、十分な心構えで本人が「ミニオリンピック」と語るアジア競技大会に備えてきた。
瀬川ヘッドコーチは「(リーチが加わることによって)チームに芯ができた。ラインアウトのスキルにしても一番高いし、ひとつひとつのアクティビティも速い。ずっとセブンズをやってきた選手がマイケルに引っ張られているくらい。やはり世界を知っている感覚があるのが大きい。日本が世界でどう戦っていったらいいかということがよくわかっている」と、その存在感の大きさを絶賛する。
セブンズへの慣れということもあって、「1日目、2日目は慣らし。3日目の準決勝、決勝にフルで出られればいい」というのが、瀬川ヘッドコーチが思い描いているアジア競技大会でのリーチのプレーに関するプランだ。
「日本の宝と言っていい選手が揃っているし、ひとりひとりの能力高いので、もう1週間、2週間あったら、もっといいチームできるという歯痒さはある」とも語る瀬川ヘッドコーチは、リーチをはじめ久しぶりにセブンズ代表でプレーする選手も多く、かつ準備期間が短い中「やるべきことを絞ったかたちで」アジア競技大会に臨むという。
「守りでは流すディフェンスと上がるディフェンスの2つに絞り、アタックのオプションも絞った。誰が仕掛けるかを明確にしていく」
圧倒的な突破力を誇るレメキ ロマノ ラヴァや、リーチ同様、久しぶりのセブンズ日本代表でのプレーとなるラトゥイラ レプハなどにタックラーを振り切りながら「タメ」をつくる役割を期待し、そこについていくサポートで日本の良さを出していく。
最後の最後で追加招集された、元セブンズ日本代表主将でもあるベテランの鈴木貴士や、マレーシアセブンズの韓国戦で後半2トライを奪って逆転勝ちする立役者となった渡邊昌紀、そして瀬川ヘッドコーチが「ナチュラルに走る力、いいものを持っているので、思い切って自由にプレーしてもらいたい」と語る山下楽平、彦坂匡克などスピードのあるメンバーの決定力にも期待がかかる。
男子セブンズ日本代表にとってアジア競技大会は新ジャージーのお披露目大会ともなる photo by RJP Kenji Demura
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