冷たい北風が吹く冬空の下、風下の天理大学のキックオフで試合が開始した。序盤から早いテンポでボールを動かす天理大学に対し、朝日大学は激しいブレイクダウンでしつこくディフェンスを繰り返す。

先制したのは天理大学。

前半13分、相手陣10m付近でのスクラムから⑧ファウルアがブラインドサイドを攻め、相手をなぎ倒しながらそのままインゴールに飛び込みトライ、5−0とした。

さらに天理大学は、スピードある展開とキックでエリア稼ぎ、相手陣ゴール前まで攻め込むと、ラインアウトからのモールを押し込み、⑦島根が押さえトライ、前半20分、10−0と追加点を加えた。

天理大学は、前半24分に、中盤でのスクラムから外へ展開し、⑭久保がスピードで相手を振り切りトライ、15−0と点差とし、前半31分には、⑨藤原がトライをあげ、20−0とした。

反撃したい朝日大学は、直後のキックオフでボールを獲得すると、ブレイクダウンで懸命に体を張り前進する。

その後天理大学のペナルティーを誘うと、キックでゴール前まで攻め込みトライチャンスをつくるが、ラインアウトでのミスで得点には至らない。

天理大学は直後の自陣ゴール前スクラムから展開し、⑬ジョシュアが抜け出し独走、キックを使い朝日大学のゴール前に攻め込む。

その後のスクラムで⑧ファウルアが持ち出しトライ(ゴール成功)、前半37分、27−0とする。

その後は、中盤での攻防を繰り返し、27−0で前半が終了した。

後半、風下の朝日大学のキックオフで試合が再開した。

前半と同様に素早いテンポでボールを動かす天理大学は、後半開始直後の1分、朝日大学のディフェンスの乱れを突いた⑫金丸がラインブレイク、30mを走りきりゴール中央にトライ(ゴール成功)、34−0とした。

朝日大学は、後半18分、連続攻撃から相手陣へ攻め込むと、内側へ寄ったディフェンスの裏をかき外へ展開。⑭岡崎がタッチライン際で相手のタックルを振り切り右隅へ飛び込みトライ。34−5とし、初の得点をあげた。

しかし、天理大学はブレイクダウンで優位に立ち、朝日大学ゴール前へ攻め込むと、後半29分、ゴール前のスクラムを押し込み、⑳中野が押さえトライ(ゴール成功)41−5とした。

意地を見せたい朝日大学は、⑧シオネの強さを生かした縦突破をきっかけにゴール前まで攻め込み、再三チャンスを作るが、天理大学のディフェンスを破ることができない。

そのままノーサイドとなり、41−5で天理大学が勝利を収めた。

(文責:山下岳 水野竜太、写真:清水良枝)


 

■朝日大学

○吉川充監督

「ありがとうございました。天理大学を相手に戦えたことに嬉しく思います。坂口主将のもと、1週間準備をしてきましたが、天理大学の圧力により、自分たちらしさを出せませんでした。しかし、後半に1トライをとれたのは、今までやってきた成果だと思います」

——ミスからトライをとられる場面がいくつかあったが、選手に気負いがあったのか?

「特にFWがゴール前に攻め込んでのミス、今日はジャッジも非常にフェアであったが、やはり気負いからバランスが崩れた点があった。そこが非常にもったいないところであった」

○坂口卓也キャプテン

「3年連続で大学選手権のセカンドステージに出させてもらいましたが、今年はボーナスポイントをとることができませんでした。前半は風上をとりましたが、逆にカウンターアタックを受けてしまいました。ボールを継続できれば前に出ることは出来ましたが、天理のブレイクダウンでの強い圧力で継続することができませんでした」

——天理大学に向けてフォーカスして準備したことは?

「(坂口主将)天理大学はボールを動かしてくるチームなので、しっかりディフェンスをすることと、自分たちのカラーを出すことをやってきました。やれることをやり続けることを意識しました」

——昨年の課題であった後半のスタミナ切れは良くなっているように感じるが、前半での大量失点が多かったように感じるが?

「(吉川監督)タックルミスが原因です。1対1の力量の差が出てしまいました。前半に得点を取れるようになれば良くなります」

——セカンドステージ3試合を通して、来年の課題は?

「(吉川監督)セットプレー、ディフェンス、接点などの圧力にレベルの違いを感じました。その部分が課題になってきます」

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■天理大学

○小松節夫監督

「勝ってもファイナルへは行けないという試合でしたが、今年1年の集大成だと思って戦いました。前半は良い形で点をとれましたが、後半は少し失速してしまい、相手に1トライ取られてしまいました。来年また良いチームを作って戦いたいです」

○東口剛士キャプテン

「前半の入りは少し硬かったですが、時間が経って、自分たちの形で戦えました。後半は、ゴール前まで行ってトライを取りきれませんでした。後輩たちが来年やってくれると思います。スタメンのうち4回生が3人しかいなかったですが、後輩たちがよく頑張ってくれました」

——昨シーズン、ボーナスポイントを与えてしまったチームが相手だったが?

「(東口主将)前に出るディフェンスをしたかったのですが、後半にそれができなくて1トライを取られてしまいました」

——今シーズンの収穫は?

「(小松監督)大学選手権で早稲田大に勝てたことは良かったです。秩父宮で東海大に負けてしまったのが良くなかった所です。まだ若いチームなので、来年に向けて出来なかった所を良くしていきたいと思います」

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