1月31日(木)

 アメリカ遠征中の女子7人制日本代表は現地時間1月31日、IRB女子セブンズワールドシリーズ第二戦・アメリカ大会前の最後の練習を行いました。この日は前日の冷たい強風も収まり、温かい日射しの良い気候となりました。

 前日に続いて、この日も午前7時からホテル周辺を全員で散歩。近くの駐車場のスペースを利用し、選手たちが中心となってキックオフの布陣の確認も行いました。

 午前中は試合会場のBBVAコンパス・スタジアム(BBVA Compass Stadium)を訪問しました。同スタジアムはメジャーリーグサッカー(Major League Soccer=MLS/米プロサッカーリーグ)のヒューストン・ダイナモ(Houston Dynamo)の本拠で、収容人数は2万2000人。昨年5月にオープンしたばかりです。アメリカ協会の拠点スタジアムで、昨年は男子15人制のアメリカ代表-イタリア代表戦で満員の観客を集め、今年6月にアメリカ代表がアイルランド代表を迎え撃つ舞台にも選ばれています。

 視察では、駐車場に仮設された天然芝のウォーミングアップエリアやロッカー、ピッチへの動線などを主催者の案内で見て回りました。試合のフィールドへの立ち入りは認められなかったため、観客席からフィールドの広さなどを確認しました。他チームはスタッフと選手代表による見学が中心ですが、日本はスタッフ、選手全員で参加しました。

 また、これに先立つチームミーティングで、浅見敬子ヘッドコーチが今大会の登録12名を選手に告げました。浅見ヘッドコーチは「遠征している13人で戦おう」と話しました。

 午後は大会指定の練習会場である「Houston Amateur Sports Park」で最後の練習を行いました。試合の様々な状況に応じて全員が正しいプレーを選択できるように、短時間ながら集中してチームの方針を確認しました。例えば、残り1分で同点の状況でも、延長があるトーナメントと同点なら引き分けとなるプールマッチ、さらに同じプールマッチでも勝ち点の状況次第で、プレー選択が変わってくるように、選手の組み合わせや状況設定を様々に組み合わせて練習しました。

 夕食後、ホテルのフィジオルームで行われたミーティングでは、遠征参加全13選手が大会に臨む決意を語り、浅見ヘッドコーチ、宮崎善幸ストレングス&コンディショニングコーチを除くスタッフが激励のあいさつをしました。

 2月1日は大会第1日が行われ、日本代表は現地時間13時4分から大会の開幕戦でもあるプール初戦で前回のワールドカップ・セブンズ覇者のオーストラリアと対戦します。その後、同16時10分からロシア、同18時32分からブラジルとそれぞれプールマッチを戦う日程になっています。

女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
試合前日までタックルありの練習を続けた。ボールを持つのは伊藤絵美。大会中はサポートに回る
女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
練習を指導する浅見敬子ヘッドコーチと分析担当の岩井優コーチ
女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
早朝の散歩ではコーチが見守る中、選手たちが自主的に話し合った
1月30日(水)

 「IRB女子セブンズワールドシリーズ」の第二戦・アメリカ大会(2月1、2日)のため、米テキサス州ヒューストン入りしている女子7人制日本代表は、現地時間1月30日も「Houston Amateur Sports Park」(HASP)で、午前、午後、2回の練習を行いました。

 雨交じりだった前日とは打って変わった快晴となったものの、コンタクトバッグも飛ばされるような強風が終日吹き続ける中での練習となりました。午前中は、前日午後の練習に引き続き、コンタクトやブレイクダウンの練習が中心でした。途中、日本が狙う良い流れの攻撃と、その前提となるブレイクダウンでの速い球出しを分析担当の岩井優コーチが編集した映像でチェックし、具体的なイメージを持ちながら、練習を進めました。

 午後は今回の遠征で初の人工芝ピッチでのセッション。ラグビー用ではなく、アメリカンフットボール用のゴールポストが設置されていました。浅見敬子ヘッドコーチが試合に向けて意識を高めるよう選手に呼びかけて、練習を始めました。ブレイクダウンの練習では、この日朝のレフリーミーティングで指摘された点に留意し、2人目の選手が目線を上げ、膝を落として、低い姿勢でフラットに働きかけることを確認しました。また、元男子15人制日本代表プロップの太田治7人制日本代表チームディレクターによるスクラムセッションも行いました。

 夜はホテル近くのレストランで「チームディナー」。世界最高峰の女子7人制国際サーキットへの挑戦を2日後に控え、つかの間のリラックスした時間を過ごしました。

 大会前日の31日は、HASPでの練習のほか、試合会場のBBVA Compass Stadiumの視察を予定しています。

女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
この日も引き続きブレイクダウンの練習を行った
女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
宮崎善幸コーチが映像を示しながら目指すプレーを確認した
女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
スクラムの練習は太田治チームディレクターが担当する
1月29日(火)

 女子7人制日本代表は現地時間の1月28日午後、アメリカ遠征の最初の試合地であるテキサス州ヒューストンに到着しました。当地では、国際ラグビーボード(IRB)が2012-2013年シーズンからスタートした女子7人制の国際サーキット「IRB女子セブンズワールドシリーズ」の第二戦・アメリカ大会(2月1、2日)に出場します。

 代表チームは28日夕にホテル周辺のダウンタウンで軽く身体を動かし、29日から本格的な練習を始めました。

 29日はダウンタウンの大会ホテルからバスで約20分の「Houston Amateur Sports Park」(HASP)の天然芝のピッチで午前、午後にそれぞれ1時間強練習しました。

 午前中は、まず、ホテル出発前にチームのフィジオルームでキックオフやペナルティーからの攻撃の場面での連携についてビデオを交えて確認。その後、ピッチ上で選手の組み合わせを変えながら、どの組み合わせでもそれぞれの選手が的確なポジショニングを取れるように練習を繰り返しました。

 午後の練習はコンタクトが中心になりました。ブレイクダウンの練習以降は、すべてフルコンタクトで行いました。ブレイクダウンではコンタクトの激しさとともに、状況に応じた指示の声をよりしっかり出してコミュニケーションを取ることも重視。その後は試合同様に攻防を繰り返す練習を、選手の人数やフィールドの幅を変えながら続けました。

 HASPは大会主催者指定の練習会場で、天然芝の4面を参加する全12チームがシフトを組んで利用しています。移動のバスは2台で回しているため、午後の練習終了後はイングランド代表と相乗りとなりました。バスに乗った時からジョン・デンバーの「Country Roads」などを歌い続けていたイングランド代表が途中で日本代表にも歌を要求。日本側もこれに「上を向いて歩こう」や「Country Roads」の日本語カバー版などで応え、ホテル到着まで両チームで交互に歌い続けました。

 ホテルに戻った後、夜はホテル近くのYMCAのジムでウエイトトレーニング。さらに、IRBによる賭博や不正行為に関するセッションを受講しました。このセッションは、賭博や賭博にまつわる八百長などの不正行為に選手やレフェリー、協会役員らが関与したり巻き込まれたりすることの危険について教育する内容で、この日がIRBにとっても最初の開講でした。

 女子7人制日本代表は30日もHASPで午前、午後の2回練習する予定です。

女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
午後の練習ではフルコンタクトの練習を行った
女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
チームを引っ張るキャプテンの中村知春(左)と司令塔の鈴木彩香
女子7人制日本代表「アメリカ遠征」
竹内亜弥(右)は今遠征が代表初選出