「女子日本代表 vs 女子香港代表」試合結果

●試合日 2012年5月19日 11時30分キックオフ
●会場 東京・秩父宮ラグビー場
●試合結果 女子日本代表 61 - 15 女子香港代表
 (前半17-10)

マッチレポート

女子日本代表、香港に快勝。2014年の女子W杯出場を目指していいスタート

オリンピックでの7人制ラグビーの競技種目への採用が決定して以来、7人制の大会の機会は増えたが、残念ながら15人制のテストマッチの機会は少ない女子ラグビーにとって、今日の試合はIRBが認定する貴重なテストマッチだ。2014年の15人制の女子ラグビーW杯へアジア代表として出場することが大きな目標となっている女子日本代表にとっては、対香港戦は、絶対に負けられない試合である。

試合は立ち上がりから、日本代表のフィフティーンが、なにか落ち着かないプレーが続き、たびたびペナルティを取られる。日本代表は、開始直後の6分間で5つのペナルティを取られ、SO横山が「チームとしての繰り返しの反則」でシンビンを受け、14人で戦わざるを得なくなった。香港はこの人数的に有利な時間帯にうまく攻め込み、8分にはWTBオルソンソーンがトライ、0-5とリードした。

しかし、このチームに落ち着きがなくなっていた時間帯、20歳と史上最も若い鈴木実沙紀主将を、シニアプレーヤーであるFWリーダーFL松平らがよくサポート、フィフティーンも少しずつペナルティが減り、本来のプレーが戻ってきた。まだ、人数でハンディキャップを負う12分にはWTB井上のカウンターアタックからのキックで敵陣ゴール前まで進み、ゴール前でFL松平がうまくモールをつくり、最後はFL横尾がトライ、5-5の同点とし、ようやく、フィフティーンに落ち着きが戻ってきた。

22分には、日本代表のバックスが、きれいな攻撃でのトライが取れた。中央付近のスクラムからのボールをバックスに展開、SO横山からのパスにCTB鈴木彩香がいいスピードでタテに入って抜け、最後はWTB井上がトライ、ようやく10-5と試合をリードできた。
さらに、27分には香港バックスのキックをキャッチした日本代表FB鈴木美緒がカウンターアタック。FL松平、横尾が好フォローし、ラックからいいボールが出て、SO横山-FB鈴木美緒-WTB井上と回り、トライ(ゴール成功)、17-10のリードで前半を終えた。

後半に入ると、日本代表はすっかり自信を取り戻し、フィットネスでの優位を生かし、最後まで走りまくり、萩本監督も期待していた以上のトライの量産となった。]

後半のキックオフ直後の0分にはCTB鈴木彩香がターンオーバーでボールを獲得し、ゴール前に抜け、オフロードパスからそのボールをもらったWTB篠宮がトライを取ったのを皮切りに、4分にはCTB鈴木彩香に好フォローしたFL横尾がトライ、さらには、8分にゴール前のFWのラックからHO鈴木実沙紀のトライ、18分にはカウンターアタックからCTB加藤のトライと続き、日本代表が41-15とリードを大きく拡げ、ほぼ、勝負が決まった。

香港のディフェンスの足が止まってきた後半20分過ぎには、23分にバックスのライン攻撃からCTB加藤が、さらに、26分にはPKから左ラインに回し、WTB井上が、また、30分にはラインアウトからFW・バックスの数次に亘った攻撃でよくつないでWTB中村が、36分にはCTB鈴木彩香のナイスランからWTB井上がと、それぞれトライを取り、合計11トライ、61点の大量得点での快勝(61-15)となった。

試合後の萩本監督のコメントのようにまだ、受けているところの多いディフェンスの精度向上など、今後、アジアの強敵カザフスタンに勝つには、まだまだ多くの課題が残るが、この日は、バックスの切り札 鈴木彩香をアウトサイドCTBに置いたことも功を奏し、バックスでのナイストライを量産して、得点力があることを示すことができた。15人制女子日本代表の今後のアジア諸国との対戦での活躍に期待したい。(正野雄一郎)

CTB鈴木彩香選手