セントビーズカレッジ コーチング留学プログラムについて
-St Bede's college  NZ Coaching educational program-

プログラム概要
日本ラグビーフットボール協会、普及育成・競技力委員会、コーチ部門では、昨年より実施している「ニュージーランド・セントビーズカレッジ コーチング留学プログラム」にサポートスタッフとして、今年は藤川欣也氏を派遣し、参加いたします。

この留学プログラムは、ラグビーの本場であるニュージーランドにおいて、コーチングの現場や留学選手たちの生活全般のサポートを通じて、日本ラグビーに貢献できる可能性の高い人材の発掘および育成を推進するためのプログラムとなります。来年度の募集については、今秋以降にお知らせいたします。)
今後定期的に現地から藤川サポートスタッフの活動レポートをお知らせしてまいります。

内容
期間:3月の中旬から8月の第3週まで
概要:寮担当の業務、練習コーチなど

場所
セントビーズカレッジ(St Bedes College)

藤川欣也サポートスタッフ 自己紹介

  藤川欣也氏

はじめまして。今年からESOLプログラムの寮長兼サポートコーチをやらせて頂きます、藤川欣也です。ダニーデンのオタゴポリテクニックでスポーツマネージメントとコーチングの勉強をしておりました。ESOLのプログラムで約22週間、生徒達と過ごしながら、彼らの成長を見守りつつ、こちらで実感したことや学んだことをコーチング留学レポートとして、日本の皆様に色々な情報をお届けしたいと思っています。

まず初めに、ESOLラグビープログラムの簡単な説明をさせて頂きます。ESOLラグビープログラムとは英語を第二ヶ国語とする生徒が各国から集まり、共に英語の授業やラグビーの練習、ニュージーランドの生活などを通して、ラグビーに対する自分の目標達成、人間力の向上、視野の広さなどを若いうちに(中高生)体験させる留学プログラムです。
ESOLは 英語でEnglish to speakers of other languagesと言って、基本的に英語を第二ヶ国語とする生徒が特別に受ける授業です。このプログラムではニュージーランド南島のクライストチャーチにあるセイントビーズカレッジにラグビー留学する生徒達がESOLの英語の授業プラス、現地のコーチ陣によるラグビーセッション(練習)や、寮生活などを通して、色々な経験を収穫していきます。毎年日本以外に各国から留学生が集まり、新しい生活スタイルや文化の違いなどを堪能できる機会でもあります。去年はケニア、ポルトガル、ロシアから選手が留学に来ていて、今年はトンガから1人だけ留学に来ています。今年のプログラムは3月の19日からはじまり8月の中旬までの約22週間。今年の日本の留学生は15人で、それぞれ期待や不安を持って毎日を1日1日大切に生活しています。

ちなみに、過去にこのプログラムに参加した選手の中には、日本で活躍する選手が多々います。セントビーズカレッジESOLプログラムのOBでもある藤田慶和君(現早稲田大学)もその1人です。今や、日本のラグビーを支えるほどに成長した藤田君もこのセントビーズESOLプログラムの一員でした。香港セブンズでも活躍された藤田君のように、今このプログラムできている選手たちの中で、将来彼のように活躍できる選手がでてくるといいですね。

さて、今回この留学プログラムの寮長兼サポートコーチをするにあたって、自分自身の意気込みを少し話させて頂きます。基本的に僕のポジションは通訳、寮長、サポートコーチです。生徒達が現地のコーチ陣によるラグビーの練習に参加するとき、その練習がスムーズにいくよう、生徒達が英語が理解できない場合通訳に入ります。寮生活でも自分の役割を決めさせ、自立できるように誘導します。今回のプログラムで生徒達に一番大切にしてほしいことは、この留学で色々なことを吸収して自分なりの力にしてほしいことです。異国の地に来ているのですから、もちろん言葉の壁や生活スタイルの違いに頭を悩ませることが多いと思います。ただ、その中で、自分がどれだけ積極的に行動できるか、そして自分が乗り越えてきた壁が今後、生徒達の強い盾になって支えてくれるかを意識させてサポートしていきたいと思っています。今後、月2回のペースでこちらの生徒達の生活内容、ラグビーのイベント、ラグビーの練習内容などをレポートとして連載させていただきますので、よろしくお願いします。

コーチング留学レポート1

3月19日より、ニュージーランド・セントビーズカレッジにて、ESOLプログラムが始まりました。今年は日本の留学生15名その内の3人が中学生(短期留学)、トンガからの留学生1名合わせて16名が集まりました。ほとんどの学生は2日前の17日にニュージーランド入りし、皆緊張した面持ちでした。初日は学校のオリエンテーション(入学説明)から始まり、週末は学校周辺などを探索するなど、月曜日から始まる新しい学校生活に向けて、生徒達は皆下調べをしていました。月曜日から授業とラグビーの練習が始まり、生徒達は不安と期待を胸に、それぞれの課題を達成するために毎日練習や英語の授業に励んでいます。

 

学校は月曜日から金曜日までの1日6時限。内容は現地のニュージーランド人による英語の授業、ウエイトトレーニング、ピラティス(体幹強化、柔軟性強化)、現地のコーチ陣によるコンタクト練習、パススキル練習、スピードと俊敏性強化練習、判断力の練習、試合でのプレッシャーに打ち勝つためのメンタルトレーニング、そして戦略的な練習などをメインに、ラグビーに関わる全ての要素に目を向けて細かく練習し学習していきます。

セントビーズカレッジには1軍から15歳以下までのチームが幅広く存在し、火曜日と木曜日は現地の選手たちに混じって練習し、皆各レベルごとに分かれ、週末の試合に挑みます。先週の日曜日には1軍と2軍を分けるセレクションマッチが行われ、日本人留学生の大半が試合にでました。何人かの選手は素晴らしいプレーを見せ、今週最後のセレクションマッチに向けて着々とコーチ陣に自分の能力をアピールしています。
毎日英語の授業があり、ラグビー用語をはじめ、スーパーラグビー(ラグビーのプロリーグ)のビデオ分析などを英語で行い、なるべく生徒達が英語を理解できるように、先生たちが色々試行錯誤をしながら指導されています。
木曜日の放課後にはあの世界的に有名なオールブラックスのキャプテン、リッチー・マコウが来校して、ラグビーのセッションや生徒達との質疑応答など、生徒達がもっとラグビーに魅力を感じるような機会でした。世界的に有名な選手とこんなに身近にふれあえるのは、ニュージーランド全土がラグビーに対する意識が高いからなのではないでしょうか?

先週の土曜日にはクライストチャーチで1年ぶりのクルセーダーズの試合があり、初めてのニュージーランドでのプロラグビー観戦を生徒達は堪能していました。日本で観るラグビーと違い、試合=お祭りのようで、観客の盛り上がり方は日本と違います。観客たちはコスチュームを着たり、クルセーダーズの旗を振ったりするなど、観客と試合の一体感がお祭りのようで皆、生徒達は始めてのニュージーランドでのラグビー観戦を楽しんでおりました。

プログラムがスタートして1週間たちましたが、生徒達は周りの先生、学校の友達、ニュージーランドの人の友好的な交流もあって、皆リラックスした面持ちで、みんなの仲が深まっているのが分かります。何人かの生徒は言葉の壁に悩まされていますが、ラグビーという同じ道場に立っている分、皆、自分なりに1歩1歩言葉の壁を乗り越えようとしているのが感じられます。まだ、始まったばかりですが、彼らはこれからどんどん色々なことを学び、吸収して活躍してくれるでしょう。期待しています。

セントビーズカレッジとは

クライストチャーチ市内中心部より、バスで25分ほど北へ行った地域にある創立百年の歴史を持つカトリック名門男子校で、敷地20ヘクタールと市内では一番を誇る広さです。ラグビーは、3年連続南島で優勝していて、名門校です。

■問い合わせ先
Director of ESOL Rugby
Mark Ealey
マーク・イーリー
Eメール:mailto:ealeym@xtra.co.nz

*日本語でのお問い合わせでも、大丈夫です。

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