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日本代表、善戦空しく、2日間で5戦全敗
カップ優勝は、2年ぶりのオーストラリア

1日目のプール戦で、日本代表はイングランド、フィジー、フランスといった強豪国にそれぞれ善戦したが、勝利は得られず、2日目は9位以下の順位決定戦といえる、シールドトーナメントでのスタートとなった。
シールドでの最初の相手はポルトガル。前週の香港セブンズでは、プール戦とシールドの3位決定戦の2試合で当たり、2試合とも惜敗した結果、日本代表が世界ランキング15位までのコアチーム入りを逃すという結果になった手強い相手だ。

前半2分、日本代表ノッコンのスクラムから、ポルトガルに数次にわたりよくボールをつながれ、11番 鶴田が6番 オリベイラをタックルでよく止めるが、ボールをつながれ、再び7番 フォロにタックルに入った11番 鶴田が外され、トライ(ゴール成功)、ポルトガルに先制点を許してしまった。しかし、前半ロスタイムに、日本代表が、PKからのクイック・アタックから9番 豊島が3人をかわしトライ、5点を返して(7-5)ハーフタイムとなった。

後半には6番 藤田を投入。後半0分には、日本代表がPKからのボールを6番 藤田からもらった9番 豊島がゴールラインに迫るが、ポルトガルのタックラーにボールをはじかれ、ノッコンとなり、得点につなげることができなかった。
その後、後半4分には2番 モレイラに中央を突破され、トライを許し、さらに、日本代表のフィットネスが落ちてきた後半6分にもサイド攻撃から1番 ベッテンコートに右隅に飛び込まれ、21-5とされ、勝負が決まってしまった。

これで、日本代表は13位-16位決定戦となるシールドトーナメントに進むこととなった。

シールドトーナメントでの次の相手はケニアだ。高い身体能力の選手をそろえ、15人制より7人制に特化して強化してきており、決して侮れない相手である。
村田監督は、前日のフィジー戦に次ぎ、3番 ロテ・トゥキリと8番 坂井を先発に起用した。
開始1分後、早速、8番 坂井の中央突破からのボールを最後は3番 ロテ・トゥキリがゴール前まで運ぶがタッチに押し出される。しかし、4分にはケニア陣ゴール前でケニアがファンブルしたボールを、日本代表が獲得し、最後は3番 ロテ・トゥキリがインゴールに抑え(ゴール成功、7-0)、監督の選手起用が早速、功を奏した。しかし、選手の走力には自信のあるケニアも、すぐ反撃する。7分、11番 インジェラに自陣ゴール前から約90m独走され、7-7と、同点にされた。さらに前半終了直前にはキックオフから6番 カヤンゲにそのまま抜けられ、7-12と逆転されてしまった。

後半1分には日本代表もゴール前右中間約20mのPKからアタックした6番 藤田からのオフロードパスを受けた5番 宇薄がトライ(ゴール不成功)、12-12の同点とし、まだまだ試合はどちらに転ぶかわからない。しかし、後半になると少しずつ、ディフェンスでケニアとの走力の差が出てくるようになった。直後の2分には3番 ロテ・トゥキリがファンブルしたボールをひっかけられ5番 オウマにインゴールに押さえられる(12-17)。4分には日本代表が中央FKからつなぎ、最後は8番 坂井がトライを返し、17-17と再び同点とした。しかし、勝利がどちらに転がり込むのかわからないと思った残り50秒の時に、6番 藤田のプレーに対し、モイエス主審がイエローカード。最も大事な時間帯に6人対7人となったのをケニアは確実に6番 カヤンゲのトライに結びつけ、そのままノーサイド。村田亘監督の日本代表の最後の東京セブンズの戦いは全敗で終了した。

日本代表の選手にとっても、サポーターにとっても、悔しい思いしか残さなかった敗戦だったが、藤田選手をはじめとした若手選手は、この大会での経験を糧として、来シーズンへ向け、さらに一回りも二回りも大きく成長してほしいと思う。

カップトーナメントは、準決勝で今年のワールドシリーズのポイントで1位を走っているニュージーランドがサモアに延長戦の末、17-12で敗戦した。この試合は、両チームともよくボールを動かし、また、相手チームも全員でしっかりディフェンスをする、見ていて大変面白い試合だった。サモアが前半に7点を先制し、後半開始早々にサモアがクロスのキックパスで2つ目のトライをとり、12-0とリードしたが、ニュージーランドはノーサイド直前に同点に追いつき、延長戦に。結果、サドン・デスの延長戦でサモアがニュージーランドを下した。決勝は、もうひとつの準決勝でイングランドに勝ったオーストラリアとサモアとの対決となった。

カップトーナメントの決勝でも、オーストラリアとサモアはまさに互角。互いに譲らぬシーソーゲームの好試合となった。
開始1分後、オーストラリアの反則によるPKからサモアが右ラインに回し、12番 ピシから1番 ファオシリバにつなぎトライ、5点を先取すると、3分にはオーストラリアの12番 ウォーカーが抜け、中央にトライ(ゴール成功)、7-5と逆転。さらに4分には左右に展開し、最後は12番 ウォーカーが2つ目のトライで14-5とリードを広げる。
しかし、サモアもロングパスでワイドなバックラインを生かし、スペースを作って9番 トゥポウが14-12と2点差まで迫り、ハーフタイムとなった。

後半早々、オーストラリアは自陣からよくつなぎ、1番 アンダーソンが50m独走し中央にトライ、21-12と、再び点差を9点差まで広げた。しかし、サモアも7人でグランドを広く使い、スペースを作る攻撃で3分1番 ファオシリバ、5分12番 ピシと続けてトライを取り、21-26と逆転し、カップ優勝に王手をかけた。しかし、絶対負けないという気持ちが上回っていたのはオーストラリアだったようだ。 残り時間1分となるころ、オーストラリアは執拗な連続攻撃で最後は9番 ジェンキンスがインゴールに押さえ(ゴール成功)26-28と逆転し、そのままノーサイドとなった。

カップ準決勝・決勝に進出した4チームは、それぞれ、ハンドリングミスが少なく、7人全員がよくディフェンスに戻り、最後までフィットネスが衰えないハイレベルのセブンズラグビーができていた。日本代表も少しずつ、これらトップレベルとの差は詰まってきているが、まだまだ実力差があることは認めざるを得ない。日本代表が早く世界のトップレベルへの仲間入りができる日を期待したい。

1日目は春の嵐の中だったが、2日目は快晴のもと、世界のトップレベルのセブンズを観戦しながら楽しい時間を過ごすことができた東京セブンズ。是非、来年度以降も、毎年、東京での開催を継続してもらいたいものだ。(正野雄一郎)