左から、村田亙・男子7人制日本代表監督、稲垣純一トーナメントディレクター、矢部達三・日本ラグビーフットボール協会専務理事


1月23日(月)、日本ラグビーフットボール協会会議室にて、「HSBCセブンズワールドシリーズ 東京セブンズ2012」発表記者会見を実施しました。

冒頭、矢部専務理事より、今回の大会を日本で開催する意義について、続いて稲垣トーナメント・ディレクターより、大会概要について説明がありました。最後に、7人制男子日本代表 村田監督が、セブンズワールドシリーズに挑む代表に関するスケジュール、強化、選手などについて、熱く語りました。

◎矢部達三専務理事

我々としましては、この2日間、世界のトップチームばかりが参加する世界大会を、11年ぶりに開くことに非常に身の引き締まる思いであります。現在、セブンズを取り巻く環境は大きく変化しています。オリンピックスポーツになったことで注目度が高まり、各国のレベルも急速に上がっています。

また、シリーズ自体も、規模が大きく拡大しています。そのお陰をもちまして、今シーズンから開催都市が8から9に増え、日本協会が長く取り組んできた国内開催の復活がついに実現したと感謝したいと思います。ホストユニオンとして、本大会の成功に向けて、残り約2ヶ月、全力を尽くして、しっかりと準備を進めて行きたいと思っております。

このようなセブンズの世界大会を私ども日本ラグビー協会が誘致した理由としては、第一に、オリンピックでのメダル獲得を目標とした、7人制ラグビーの強化があります。
先に申し上げた通り、オリンピックスポーツとなったことで、世界各国がセブンズ強化に力を入れ、アジアに於いても、強化のスピードは加速しています。男子の7人制日本代表は2010年の広州アジア大会でアジアチャンピオンとなりましたが、オリンピックでのメダル獲得という大目標のためには、世界の舞台でステップアップしていかなければなりません。
今後、この「HSBCセブンズワールドシリーズ」での成績が、オリンピック出場を左右する可能性もあると聞いております。その点からも、今回の「東京セブンズ2012」の開催は、セブンズ・ジャパンの更なる躍進の第一歩になると確信しています。

加えて、より多くの方々に世界トップレベルのセブンズの試合に触れて頂くことで、7人制ラグビーの国内での普及にも大きく貢献できるものと考えております。
これは単に選手の皆さんに限ることではなく、これまでセブンズをご覧いただく機会の少なかったファンの方々にも、ご家族やご友人など多くの方と連れ立って秩父宮に来て頂き、15人制とは違ったセブンズ特有の大会の楽しさを、ぜひ、体験して頂きたいと願っています。ピッチ上で繰り広げられるダイナミックなセブンズのプレーだけでなく、世界大会特有の華やかな雰囲気や飲食などの多彩なサービスを通じて、「こんなに楽しいラグビーイベントがあるのか」と思っていただけるような、素晴らしい大会にしていきたいと考えています。

日本ラグビー協会には、2019年のワールドカップ成功という大きな使命があります。この「HSBCセブンズワールドシリーズ」のようなIRB主催の世界大会の運営を経験し、成功を積み重ねていくことが、その使命の達成に直結すると強く意識して取り組んでいます。是非とも、本大会に向け、温かいご支援・ご協力を何卒、お願い申し上げます。

◎稲垣純一トーナメント・ディレクター

私から改めて「東京セブンズ2012」の概要と、私どもが目指す大会の姿について、簡単にお話しさせていただきます。

大会名は「HSBCセブンズワールドシリーズ 東京セブンズ2012」となります。「東京セブンズ2012」のトーナメントロゴです。日本を象徴する赤を基調に、「東京」の文字の「O(オー)」にラグビーボールをあしらうことで、日本で行われるラグビー大会であることを表現しています。

大会は、3月31日に参加16チームが4プールに分かれてリーグ戦を戦い、翌4月1日は、決勝トーナメントが行われます。セブンズ特有のシステムで、決勝トーナメントは、カップ、プレート、ボウル、シールドの4つに分かれ、それぞれのトーナメントで優勝を争います。

参加チームですが、まず「HSBCセブンズワールドシリーズ」の全9大会に参加できる、コアチームと呼ばれる12チームがすべて出場します。これはイコール世界のトップ12チームと言える国々です。

大会ポスターに「世界最強、日本に」とある通り、例えば、昨シーズンのシリーズチャンピオンであり、過去12回のシリーズ中、なんと9度の優勝を誇るニュージーランド、そして、そのニュージーランドと現時点で今シーズンの総合成績1位に並んでいるセブンズ王国のフィジー、また、昨年のセブンズのIRB年間最優秀選手に選ばれたセシル・アフリカがいる南アフリカといった錚々たるチームが、すべて秩父宮に登場します。

また、「東京セブンズ2012」の招待チーム3チームも、来年のワールドカップ・セブンズの開催国で実力も急成長中のロシアや、アジア最大のライバルの香港などいずれも強豪ぞろいで、まさに世界一を争う舞台にふさわしい顔ぶれとなっています。

このような世界最高のセブンズの大会を開催するにあたり、一人でも多くの方に秩父宮ラグビー場に来ていただいて、全く新しい、セブンズ体験、「セブンズエクスペリエンス」をしていただきたいと考えています。そこで、「東京セブンズ2012」のチケットはお買い求め頂きやすい価格に設定いたしました。さらに観客席の大半を自由席とすることで、思い思いの形で大会全体をお楽しみいただけると思います。

私どもとしては、「東京セブンズ2012」は、是非、プールと決勝トーナメントの両方を観戦していただきたいと思っています。そのために、よりお得な2日券を設定しました。例えば、小中高校生が4人以上集まってグループ割引で購入してもらえれば、一人一日当たり700円弱で世界最高のセブンズのプレーを楽しんでいただくことができます。

この2日券に関しましては、購入特典として、特製のホットドックを毎日お一人に付きひとつ無料でサービスいたします。もちろん、購入特典のホットドッグだけでなく、競技場内ではバラエティーに富んだ飲食をご提供する計画でいます。まだ企画段階ではありますが、「セブンズガーデン」というスペースも設ける予定でいます。ここでは、お客様に飲食したり、休憩したりしていただけるほか、競技終了後も一定時間オープンすることで、お客様同士が熱戦の余韻に浸りながら交流する場としてもお使いいただければと考えております。さらに、セブンズ特有の華やかな雰囲気をさらに盛り上げるようなグラウンドの内外でのイベントも計画しています。

また、日本の女子選手同士によるエキシビションマッチも、2日間で計3試合行う予定です。オリンピックのセブンズは、男子と女子の両方が実施されます。日本の女子ラグビーの普及と強化のために、より多くの方に女子の試合もご覧いただくとともに、選手たちには、未来につながる経験を積ませたいと思います。

ボールも選手も大きく動く、ダイナミックなゲーム。それがセブンズです。ここ秩父宮ラグビー場で2日間、計44試合、「ダイナミックセブンズ」をご堪能いただきたいと思います。また、ピッチの上だけでなく、お祭りのような大会全体の雰囲気も含めて、「これまで観たことないラグビー」を観ていただく大会として、準備を進めてまいります。

◎村田亙 男子7人制日本代表監督

皆さん、こんにちは。男子7人制代表監督の村田亙です。2008年から監督になって、当時はシリーズに8大会中2大会しか出場できませんでした。今季、昨年からHSBCセブンズワールドシリーズとなり、5大会出場することができました。我々にとっても嬉しいことであります。7人制日本代表がアジアチャンピオンになったり、少しずつ海外での試合で勝ち続けた成果が出てきたのだと思います。

3月31日、4月1日、2日間に行われます東京セブンズ、私自身、個人的に11年ぶりにようやく、世界大会が東京で行なわれるということで、セブンズの楽しみや醍醐味をお見せできるか楽しみにしています。

我々7人制日本代表は、今週土・日にかけて、NTCでの合宿を経て、NZ・ウェリントン大会出場、その翌週にアメリカ・ラスベガス大会に出場します。2大会連続開催のため、ちょうど最終節に向けてトップリーグシーズン真っ只中ということもあり、選手選考には色々厳しい面があります。

しかし、1年後にロシアで行われます最後のラグビーワールドカップセブンズ、4年後のリオデジャネイロ五輪を見据えて、有望な若い選手がたくさんいます。昨年11月の豪州・ゴールドコースト大会では、東福岡高校の藤田選手が選ばれました。当初、彼は18歳という年齢で、史上最年少で7人制日本代表に選ばれたということで、少し先行投資という意味も込めて、数分出場させればいいなと思っていた矢先、豊島(東芝)選手がけがをしたこともあり、思い切って決勝トーナメントから、出場させました。3試合を通して、凄い活躍をしてくれました。日本も、NZや豪州のように、18~19歳という若い世代から、7人制ラグビーで世界を経験させることによって、日本の若い世代がレベルアップされると思います。

今回の遠征メンバーには、高校生3人、大学生5人、外国人選手が数名おりますが、まずはこの2大会を乗り切りたいと思います。最終的には、3月の香港大会、4月の東京大会に向けて「決勝トーナメント」、そして大きな目標でもあります「カップトーナメント」を制覇できるよう精進したいと思います。皆様、あたたかいご声援の程よろしくお願いいたします。