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慶應義塾大学の田中監督(右)と仲宗根キャプテン |
慶應義塾大学
○田中真一監督
「本日はこのような機会を与えていただきありがとうございます。大学選手権、秩父宮という素晴らしい舞台で、学生がこのように力をお見せすることができて嬉しく思います。寒い中、多くの皆様が我々の学生のプレーを見て下さったことに感謝申し上げます。対抗戦5位という、大変残念な敗戦の中から多くのものを学ばせていただきました。
その中で、苦しみ、もがき続けて参りましたが、ジュニア選手権の勝利が大きかったと思います。もし、我々に勝利の方程式というものがあるのなら、それは魂のタックルができたときだということをあの試合で確信しました。相手のイシレリ選手は一人で行っても倒せない素晴らしい選手です。こちらのタックルの精度にも問題はありましたが、大きな相手に下にタックルに入り、一歩でも前で倒そうとしたときに、勝利できました。流通経済さんの強みはFWのモールで、それをさせてしまったのが、序盤の苦戦の原因でした。途中からボールを動かして戦ったおかげで、流通経済さんの足が止まり、我々が縦に入れるようになったと感じています。
お互い、シーズン終盤で持ち味を出し合って戦い、勝てたのは自信になります。この試合が始まる前より、確実に選手が成長していると感じます。1日でも長くラグビーができることを目指してきましたが、また、一週間できるという嬉しさがこみ上げてきます。次の天理大学戦に向けて、低く鋭い魂のタックルを、153人の部員全員で体現できたらと思います」
──予想との違いは?
「対抗戦の試合では、平均トライ数が2で、失トライ数が4でした。いかにトライを2つ増やし、失トライを1つ減らすかをテーマに考え、ディフェンスの強化とモールの強化をしてきました。今日は意図したものでなく、アンストラクチャーのトライが多かったですが、相手のミスに素早く対応してスコアできました。まだ、精度の高さが求められると思います。イシレリ選手を核としたゴール前モールの相手のトライがなかったのは自信になります」
──栗原選手をナンバー8で起用したが?
「今年のチームは選手の良い部分をつなぎ合わせる考えです。栗原選手はボールを持つチャンスが少なかったのですが、持てばもっとチャンスを増やせるセンスが素晴らしい選手です。なるべくボールに触れる機会を多くしようと起用しました。今までは彼のウェイトでロックに起用し、スクラムを安定させたかったのですが、ここに来て藤本、熊倉両選手の成長が著しく、選手権を機にナンバー8で起用しましたが、非常に良かったと思います」
○仲宗根健太キャプテン
「本日は試合、会見のご準備をいただきありがとうございます。対抗戦5位の慶應としては大きな勝利だと思います。ジュニア選手権で優勝し、(この試合に出られない)4年生の支えがあって良い雰囲気で試合に臨めました。早稲田戦の負けを受け、低いタックルをしようと3週間やってきた練習の成果が勝利につながったと思います。
流通経済さんはリーグ戦1位で、次の天理大学さんも関西1位と、厳しいグループに入りましたが、ここを這い上がってこそ大学日本一になる資格があると、切磋琢磨し合えることを前向きにとらえ、天理戦に向けて練習していきます。決勝、大学日本一を目指したいと思います」
──パスのスピードで振り切ったが?
「試合前から流通経済さんのディフェンスが前へ出てくるので、外が空くと分析していました。外で対応された場合も考えていましたが、今日はそのまま勝負できました。今までと変わらず、内側のサポートを意識してやりましたが、ボールをブレイクダウンから早く出せて順目に走れました」
──去年の結果は悔しかったと思われるが?
「今年は、チームが始まったときに去年の22人中17人が抜けた状態でした。非常によい切磋琢磨がチーム力を押し上げ、良い影響を与えていると思います」
──苦しんだ対抗戦で成長できたところは?
「対抗戦では、惜敗が多かったです。その中で、80分間集中して戦う意識が付いたと思います」
──対抗戦とリーグ戦の違いは?
「対抗戦ほどのパスカットねらいやチャージがなかったと思います」 |