■DAY1:2011年4月1日(金)宮崎
九州・宮崎で行われる2011年度日本代表スコッド宮崎合宿が、いよいよ本日からスタートしました。
明日からの本格的なトレーニングを前にジョン・カーワンHC、菊谷主将、大野選手、初参加となる三井選手、山田選手が、この合宿にかける意気込みや目標を語っています。
◎ジョン・カーワンHC
「最初に、東日本大震災の被災者の方々にお見舞い申し上げます。先ずは、被災者の苦難を代表チームスコッドのメンバー全員と分かち合いたいと思います。
この合宿には、新人選手が参加するため、数日間は今シーズンの明確な目標、ラグビーW杯に向けた位置づけ、システムの構築、組織化など役割を理解して合宿を終えることを主なゴールとしています。
コンタクト、フィットネス両面を強化することで、ゲーム感覚をとり込んで、技術・戦術面・攻撃面をプレッシャーのあるなかで状況判断していくことも重要なポイントになります。
菊谷主将を中心としたリーダーズミーティングや家族が被災した選手からの意見を聞きたいと思います。選手が中心となって、この宮崎合宿以降、日本代表チームとしてなにができるか前向きに検討していきたいと考えています。この場で明確なことは断言できませんが、被災地支援の募金活動やチャリティーマッチ開催など、今後、ラグビー協会や政府、関係各所と協議のうえ、日本代表チームがひとつとなって支援活動を行なっていきたいと思います」
◎菊谷崇主将
「みんなで立ち向かう姿勢・チームがひとつになることがキャプテンの役割であると強く実感しています。ラグビーW杯に向けて、キックオフとなる代表合宿なので、個人的には、地獄の日々、ハードな練習を重ね、覚悟して臨みたいと思います。
新しいメンバーもいるので、ひとつになること。新しい選手たちが、この環境に馴染んでくれるサポートを全面的にしていきたいです。強化ポイントは、ワールドカップで、あたり負けしないような強靭な肉体をつくる、ゲームの激しさのなかで信頼感をアピール、しんどいことをする中で、ラグビーを楽しみたいです。
深刻な被災状況のなかで、ラグビーがプレーできることに感謝したいです。私が住んでいる東海地方への影響はありませんが、被災地出身の代表メンバーが、この合宿に参加してくれることは、チームにとっても大きいし、私自身誇りに思います。
トップリーグのキャプテン会議と連携して、個人的にできること、企業チームとしてできること、代表チームとしてできること、日本ラグビー界の力を結集させて長期的な面で被災者・被災地をサポートしていきたいです。特に選手間で輪を広げていきたいと思います」
◎大野均選手
「ベテランではありますが、まずはアジア五カ国対抗を目標に、運動量+激しさをアピールしていきたいと考えています。個人的には、あたり負けをしないために、スクワットなど下半身の筋力を鍛えたいです。
震災の影響のなかで、合宿をやることは、あまり考えないように意識しています。全ては、9月のラグビーW杯で結果を出すことが、被災地への励ましになれば良いなと考えています。
東京では、味の素スタジアムで被災者支援のボランティア活動に参加しました。直接被災者と会話できたことで、参加意識が全く変わりました。個人的に、また代表チームとして、復興支援のためなにができるのか、協力できることはやりたいと思っています。頑張っている方々の毅然とした姿を見て、皆さんから、勇気やパワーをもらっています。
2007年ラグビーW杯から、日本代表はステップアップしていると実感しています。今年は、もうひとランクレベルアップした日本代表チームを示したいです。80分間通して集中力を維持することが大きい成果をもたらすと信じています。昨秋の対サモア戦では、80分間フィットネスを保つことができませんでした。個々の集中力が80分間維持できれば、確実に強豪国とも競り合うことができると思います」
◎代表スコッド初選出 三井大祐選手
「追加召集を受けて、間もありませんが正直驚きました。しかし、宮崎合宿に来て、代表スコッドに選ばれた実感が沸いてきました。この2週間の最初の合宿で、どんどんアピールしていきたいと思います。チーム練習には、積極的に参加し、個人的には、ウェイト・フィットネスで自分の力を最大限出し切りたいと思っています。
自分の強みである、粘り強いタックルやピンチとチャンスの切り替えをプレーに活かしていきたいです。
震災の影響のなか、こうして合宿に参加できたことに感謝したいです。またラグビーを通して恩返しをしたいです。自分自身できることはラグビーしかありません。一生懸命頑張りたいと思います」
◎代表合宿 初参加 山田章仁選手
「この合宿を通して、名前が覚えられるように頑張りたいと思っています。自分のアピールポイントは、試合でトライをとることです。今まで通りの実力を、この合宿を通して、発揮できるか挑戦したいです。
震災の影響が続くなかで行われる合宿だということを意識して、2週間を乗り切りたいと思います。一番結束力のある、また情報発信しやすいスポーツ=ラグビーであるので、盛り上げていきたいです。
今年のラグビーワールドカップでは、オールブラックス(ニュージーランド代表)と対戦する機会がありますので、ぜひとも1トライ、2トライをあげたいです。そのために、この合宿で100%の力を出し切って、自分自身納得できるプレイを実践したいと思います」
 |
取材を受けるカーワンHC |
|
 |
日本代表主将 菊谷選手 |
|
 |
合宿初参加 パナソニック 山田選手(右)・東芝 三井選手(左) |
|
 |
45キャップ ベテラン大野選手 |
|
ラグビー2011年度日本代表スコッド宮崎合宿激励会
初日となった今日は、夕食前に歓迎セレモニーを開催して頂きました。宿泊や練習会場としてお世話になっているフェニックス・シーガイア・リゾートの丸山会長をはじめ、シーガイアスタッフの皆さん、合宿開催にあたりご尽力を頂いている宮崎県ラグビーフットボール協会の後藤敏郎会長ら関係者にご出席頂きました。フェニックス・シーガイア・リゾート丸山会長からは、「ようこそ、おかえりなさい!アジアチャンピオンおめでとうございます。スタッフ一同気合を入れて、万全の体制で、最高の準備をして、お待ちしておりました」と温かい歓迎のお言葉を頂きました。
また、丸山会長より、フェニックス・シーガイア・リゾート スタッフ一同様を代表して、ジョン・カーワンHCにNZ地震義援金(目録)が贈呈されました。
ジョン・カーワンHCから、フェニックス・シーガイア・リゾートの方々に対して、宮崎合宿受け入れサポート、およびNZ地震義援金に対する謝意が述べられました。
「NZおよび日本両国で、地震災害により多くの方々が犠牲となり、尊い命が失われたことは、心が痛みます。特に震災後この3週間、被災地の方々が懸命に奮闘している姿を見て、個人的に元気・勇気をもらっています。我々もラグビーを通して、被災地の皆さんを勇気付けられればと思います。NZ・クライストチャーチに代わって、ラグビーファミーリーの一員であるフェニックス・シーガイア・リゾートの皆様にお礼申しあげます」
後藤会長からは迫るアジア五カ国対抗やW杯への熱い激励のお言葉を頂きました。
「戦後最大の地震災害により多くの方々が犠牲となり、命が奪われました。日本国内のみならず、海外からもニッポン・ガンバレ!という活動の輪が広がっています。まさしく、One for all, All for Oneの精神で、この合宿を大きな成果とし、その成果を力いっぱいのプレーで9月のラグビーW杯の本番で活躍され、ラグビーを愛する多くの国民に夢と勇気を与えてくれることを期待しています。宮崎も口蹄疫や新燃岳噴火など自然災害に遭遇しました。ひとり一人の努力が、力強く明日に向かって歩んでおります。共に頑張りましょう」
 |
お世話になるシーガイアのスタッフの方々のご紹介 |
|
 |
丸山会長からNZ地震の義援金がカーワンHCへ |
|
 |
カーワンHCからお礼の言葉 |
|
 |
宮崎県ラグビー協会後藤会長 |
|
|