●11月20日(土)
アジア大会本番前日、男子7人制日本代表は試合会場となる大学城へ。練習はサブグラウンドを利用。
「明日、いよいよモンゴル戦。あさって3試合、しあさって3試合、全部で7試合。集中しよう。ここにいる12名全員で戦おう。誰が試合に出ても、戦えるメンバーがここには揃ってる」(村田監督)
昨日はオフ。身体をしっかり休めた選手たちは、眠った身体を起こすために、じっくりストレッチ、ランニング、8割程度の動きで試合に備えます。
40分程度の練習のあと、実際に試合を行う会場を全員で視察。グラウンドの様子やロッカールームなどを確認し、選手村へ戻ります。
プールリカバリーの後はフリー。コンディショニングに努め、試合前夜のミーティングを行い、明日に備えます。
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男子、試合前夜のミーティング |
一方女子は、男子もお世話になったトヨタ自動車の現地法人でもある広汽豊田のグラウンドで、来広州後、初の本格的練習を行いました。試合前日ということもあり、海外留学組(加藤・山口)がチームにどれだけフィットするか‥‥。
しかしその心配も杞憂。経験もある二人はチームに問題なく溶け込み、万全の態勢です。
今日はオーストラリアのシドニー代表でもある山口選手リードの「山口セッション」で身体をほぐし、パスドリル、ポジショニングにフォーカスしたアタック練習などを行い、約2時間弱の練習を終えました。その後マルチサポートハウスへ移動。日本食を食べたり、思い思いにリラックスした時間を過ごしました。
「本当に関係者の皆様には大変お世話になっています。トヨタ自動車の大原氏を始め、感謝申し上げます。一戦一戦ベストのパフォーマンスを尽くして、いい結果を残したいと思います」(黒岩ヘッドコーチ)
いよいよ明日、アジア競技大会での7人制ラグビー競技の初戦を迎えます。男女ともに緊張しすぎることもなく、よい雰囲気で大会に臨めそうです。
日本での、また現地からのファンの皆様のご声援が、選手の何よりの力となります。応援、どうぞよろしくお願いいたします。
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鈴木主将 |
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ロンドン留学から合流の加藤選手 |
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ポジショニングが重要です |
試合前日 選手コメント
女子7人制日本代表
◎鈴木彩香主将
「シンガポールは前回大会決勝でも戦った相手。0点に抑えましたが私たちのミスも多く、得点を許していたらゲーム展開も変わっていたと思います。油断することなく、気を引き締めて臨みたいと思います」
◎田中彩子選手
「前回のアジアセブンズでは『3強』の目標を達成できず、悔しい思いをしました。この思いを、この大会にぶつけます。応援してくださる方、支えてくださっている皆様、チームのために、自分の限界を、殻を破って、必ず『Asia No.1』になります」
◎横山里菜子選手
「チームでの役割はゲームコントロール。今の自分の課題はタックル。
積極的に仕掛け、常に前を向く。メダル、取ります!」
◎藤崎朱里選手
「練習してきたことを確実に出して、チームの勝利に貢献したいと思います。アジアNO.1を目指します。応援よろしくお願いします」
◎川野杏吏選手
「アジアNo.1になるために、今自分にできることを精一杯やります。応援よろしくお願いします」
◎三樹加奈選手
「自分の力を出して、『頑張る』の上をいきます」
◎加藤慶子選手
「今までやってきたことを120%出し切り、コミュニケーションを通して、みんなでメダル獲得!!」
◎冨田真紀子
「スロースターターという弱みを克服して、初戦から自分たちの流れを作りたいです。このチームを信じて、今までやってきたこと全てを出し切ります」
◎鈴木実沙紀選手
「どんな対戦相手にも気持ちで負けず、一戦一戦全力で戦います!応援よろしくお願いします」
◎井上愛美選手
「仲間を信じ、自分を信じ、全ての試合で死力を尽くし、金メダルを持って帰ります」
◎山口真理恵選手
「チームのために、自分のすべてをささげます!メダル必ず獲得します!」
◎岡田真実選手
「今回の大会は、自分にとって本当に勝負の試合です。初戦から100%出せるようにしっかりとコミュニケーションをとりながら試合したいと思います。また、もちろんのこと、体を張り、走り続けます」
試合前日 選手コメント
男子7人制日本代表(チームミーティングでの決意表明)
◎宇薄岳央主将
「主将をやらせてもらっていますが、らしいことは何もできていません。だから、試合で身体を張ります。表彰台で金メダルと待ち合わせしているので、みんなで、頑張りましょう」
◎今村雄太選手
「いいメンバーで、久しぶりの7人制ラグビーができて、楽しんでいます。金メダルを獲って、みんなで喜べたらいいと思います。絶対、獲りましょう」
◎北川智規選手
「自分たちは、トップ、金メダルを狙えるチームにいます。こんな場面に立ち会えることはほとんどありません。試合時間は1試合たったの14分。人生での14分なんてほんの少しです。一戦一戦、しっかり戦っていきましょう」
◎正面健司選手
「自分ができることをしっかりやりたい。金メダルを獲って、笑っている姿が目に浮かんでいるので、スタッフを胴上げできるように、頑張りましょう」
◎仙波智裕選手
「こんな大きな大会は、自分にとって最後のチャレンジになるかもしれません。グラウンド上では前向きにいくのが自分のスタイル。みんなで、楽しみましょう」
◎築城昌拓選手
「前回も金メダルを獲ることができましたが、4年後にまたこの場に立つとは思っていなかった。金メダルが絶対ほしいし、このメンバーだったら絶対いける。このチームだったら、絶対いける」
◎友井川拓選手
「明日はしっかり楽しんで、目の前のことをひとつひとつやっていけば、結果はついてきます。まずは1勝。頑張りましょう」
◎長友泰憲選手
「アジア大会に、出たかった。あとは金メダルを獲るだけなので、頑張りましょう」
◎成田秀悦選手
「皆で力を合わせて金メダルを獲って、たくさんはしゃぎたいと思います」
◎山内貴之選手
「まさかこの場に自分がいるとは思っていませんでした。一番高いところで、一番きれいなメダルを。一戦必勝でみなさん頑張りましょう」
◎渡邉洸太郎選手
「金メダルを獲ることがこのチーム、そして自分の目標です。一試合一試合楽しんで、今までやってきたことをやればいいと思うので、頑張りましょう」
◎和田耕二選手
「こんなにレベルの高いチームでやるのは初めて。わくわくしています。このメンバーで1番に立てるよう、それだけ考えて、7試合しかないので楽しんでやりましょう」
【代表選手に訊きました】成田秀悦選手
変幻自在のステップで、相手を一瞬で置き去りにして抜き去る。7人制ラグビーの醍醐味でもある、ランとスピードで日本代表のアタックの要、成田選手。
「7人制ラグビーは、自分の持ち味を最大限出せる競技だと思っています。1対1でステップでかわす、スピードで抜き去る、勝負できるところが、自分の強みではないでしょうか。
これまでラグビーをやっていて、金メダルをもらえる機会があるとは思ってもいなかった。金メダルを獲得できたら、これからの自分のプレーにも生きてくると思います。今まで国を背負って戦うようなことはありません。広州で他競技の人たちにも会って、日本のために戦う、という意識も強く持つようになりました。
今回のメンバーを見て、一番楽しみだったのは、友井川選手と和田選手と一緒だということ。3人によって大学時代(法政大学)はスクラムハーフを巡るし烈なポジション争いがありました。皆が負けず嫌い。和田選手とは1度、100M走の勝負をして、圧倒的に負けました(笑)。自分の力の限界を知りましたね。その後のプレースタイルが変わりましたから。そんな感じで、いろいろ争ったりして、当時は嫌でしたけど、今は、この代表で3人が揃ったらいったいどうなるのかなぁ、と。法政大学OBとしては事件だと思いますよ。国内合宿のタマリバ戦で3人グラウンドに同時に立った時、こんな力を合わせる日がくるとは思わず、感動しちゃいました。
それにこのチームにはサントリーサンゴリアスで一緒の、長友選手も参加しています。彼とは寮の部屋も隣で、プレーから性格までわかります。やりやすいですね。
このチームはバランスがいいチーム。仲がいいだけじゃ勝てないけど、これだけ良ければ、一つの力じゃないですかね。帰りたくないくらい(笑)」
普段はおっとりとしたキャラクターに見えますが、グラウンド上では『世界レベル』のステップで対戦相手の脅威となる成田選手。楽しみながら勝つ。今回の7人制日本代表の結束力を結果で示したいと思います。 |
【代表選手に訊きました】友井川拓選手
和田選手と同じく、2009年6月のワールドゲームズで、初めて7人制日本代表に選ばれ、このアジア競技大会に日本代表として参加する、友井川選手。にぎやかな今回の7人制日本代表選手の中で、一歩下がって俯瞰してチームを見ているように見受けられます。
「人見知りではあります。でも、みんながみんな、言いたいことを言ったらまとまらないこともあります。大事なことは主将や限られた人が話せばいいのではという考えです。でも、このチームは楽しいチームですよ。ONとOFFがしっかりしている。
今回は、金メダルを獲るために集められた選手たち。こんないい選手が集まることはないです。
自分はディフェンスが持ち味だと思ってます。一番後ろから声を出して、他の選手を動かす。でも、自分がタックルをしない状況に持っていくというのが、一番ですけどね。
法政で同期の成田や、一つ下の和田と一緒にやるのは楽しみです。成田は、アタック、ランニングスキルが一番。性格は気い遣いで様子をうかがう節がありますけど、だれとでも変わらない態度で接していますね。和田はスピードが特長だと思います。全体的なプレーのバランスがいい。性格は…負けず嫌いですね。
金メダルは獲りたい。でも普段通りやればついてくるはずです。意識しすぎずに、1試合1試合やっていけば、結果はでます。
金を獲れば、ラグビーの知名度もあがるでしょう。オリンピックへの道もできる。銀や銅では、だめだと思います。20年以上ラグビーをやっている人間として、ラグビーほどいいスポーツはないと思っています。こういったことをきっかけに、ラグビーを見てほしい」
大学時代には主将を務めるなど、本来リーダーシップを発揮するタイプのはずの友井川選手。しかし、今回のチームは「宇薄」主将がリーダーであり、友井川選手も「このチームではプレーに専念しやすい」と、一人の選手として、金メダル獲得にむけて静かに闘志を燃やします。 |
【代表選手に訊きました】和田耕二選手
15人制日本代表としても活躍。2009年6月のワールドゲームズで、初めて7人制日本代表に選ばれ、その後15人制日本代表へも一気に駆け上がった和田選手。
「7人制と15人制は同じラグビーでも、違う種目…という気がします。7人制は選手は12名、それに監督とコーチ、その他スタッフも含めてコミュニケーションを密に取ることができます。チームとしての一体感がありますね。
今回のこのチームは、15人制のイメージがあります。集まった選手は15人制でトップクラスの選手たち。いい意味での違和感を感じます。個々のレベルが高く、基礎ができているから応用、修正がすぐききます。
友井川選手、成田選手と同じ瞬間にプレーするのは…少し違和感があります。二度とないかも。とりあえず楽しみたい。ほかの二人に比べると、自分はフィジカル面で勝っているのかなと。成田選手は『アタック100』。一番動き回り、崩し役。そこに友井川選手や自分が合わせて、入る形でしょうか。大学時代から仲はよかったですが、今7人制代表などで一緒になって、関わり方が深くなりました。二人とも先輩なのでもう少し遠慮したほうがいいですかね(笑)。
金メダルは、ほしいです。こういったタイミングで代表に選ばれたことに感謝します。金を取らなければ、今後のラグビー界が出遅れてしまう。プレッシャーを背負うつもりではありませんが、その思いは頭から消えません。このメンバーで、取りたい。こんなにいいプレーヤーたちと戦える機会はありません。優勝できます。
自分は、怪我などで思うようにプレーできず、ラグビー選手として停滞していた時に、7人制日本代表に選んでもらいました。村田監督に拾ってもらったことで、ラグビー人生が変わりました。息を吹き返すことができたんです。だから15人制とどちらが、ということではなく、7人制日本代表でもしっかりプレーをして、金メダルを獲ります」
チームでもトップクラスのスピードを誇る和田選手。7人制への特別な思い。その恩返しは、まずは、アジア競技大会での金メダル。
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