●11月20日(土)

アジア大会本番前日、男子7人制日本代表は試合会場となる大学城へ。練習はサブグラウンドを利用。
「明日、いよいよモンゴル戦。あさって3試合、しあさって3試合、全部で7試合。集中しよう。ここにいる12名全員で戦おう。誰が試合に出ても、戦えるメンバーがここには揃ってる」(村田監督)
昨日はオフ。身体をしっかり休めた選手たちは、眠った身体を起こすために、じっくりストレッチ、ランニング、8割程度の動きで試合に備えます。

40分程度の練習のあと、実際に試合を行う会場を全員で視察。グラウンドの様子やロッカールームなどを確認し、選手村へ戻ります。
プールリカバリーの後はフリー。コンディショニングに努め、試合前夜のミーティングを行い、明日に備えます。

男子、試合前夜のミーティング
男子、試合前夜のミーティング

一方女子は、男子もお世話になったトヨタ自動車の現地法人でもある広汽豊田のグラウンドで、来広州後、初の本格的練習を行いました。試合前日ということもあり、海外留学組(加藤・山口)がチームにどれだけフィットするか‥‥。
しかしその心配も杞憂。経験もある二人はチームに問題なく溶け込み、万全の態勢です。
今日はオーストラリアのシドニー代表でもある山口選手リードの「山口セッション」で身体をほぐし、パスドリル、ポジショニングにフォーカスしたアタック練習などを行い、約2時間弱の練習を終えました。その後マルチサポートハウスへ移動。日本食を食べたり、思い思いにリラックスした時間を過ごしました。
「本当に関係者の皆様には大変お世話になっています。トヨタ自動車の大原氏を始め、感謝申し上げます。一戦一戦ベストのパフォーマンスを尽くして、いい結果を残したいと思います」(黒岩ヘッドコーチ)

いよいよ明日、アジア競技大会での7人制ラグビー競技の初戦を迎えます。男女ともに緊張しすぎることもなく、よい雰囲気で大会に臨めそうです。
日本での、また現地からのファンの皆様のご声援が、選手の何よりの力となります。応援、どうぞよろしくお願いいたします。

鈴木主将   ロンドン留学から合流の加藤選手
鈴木主将 ロンドン留学から合流の加藤選手

ポジショニングが重要です
ポジショニングが重要です

試合前日 選手コメント
女子7人制日本代表

鈴木彩香主将
「シンガポールは前回大会決勝でも戦った相手。0点に抑えましたが私たちのミスも多く、得点を許していたらゲーム展開も変わっていたと思います。油断することなく、気を引き締めて臨みたいと思います」

田中彩子選手
「前回のアジアセブンズでは『3強』の目標を達成できず、悔しい思いをしました。この思いを、この大会にぶつけます。応援してくださる方、支えてくださっている皆様、チームのために、自分の限界を、殻を破って、必ず『Asia No.1』になります」

横山里菜子選手
「チームでの役割はゲームコントロール。今の自分の課題はタックル。
積極的に仕掛け、常に前を向く。メダル、取ります!」

藤崎朱里選手
「練習してきたことを確実に出して、チームの勝利に貢献したいと思います。アジアNO.1を目指します。応援よろしくお願いします」

川野杏吏選手
「アジアNo.1になるために、今自分にできることを精一杯やります。応援よろしくお願いします」

三樹加奈選手
「自分の力を出して、『頑張る』の上をいきます」

加藤慶子選手
「今までやってきたことを120%出し切り、コミュニケーションを通して、みんなでメダル獲得!!」

冨田真紀子
「スロースターターという弱みを克服して、初戦から自分たちの流れを作りたいです。このチームを信じて、今までやってきたこと全てを出し切ります」

鈴木実沙紀選手
「どんな対戦相手にも気持ちで負けず、一戦一戦全力で戦います!応援よろしくお願いします」

井上愛美選手
「仲間を信じ、自分を信じ、全ての試合で死力を尽くし、金メダルを持って帰ります」

山口真理恵選手
「チームのために、自分のすべてをささげます!メダル必ず獲得します!」

岡田真実選手
「今回の大会は、自分にとって本当に勝負の試合です。初戦から100%出せるようにしっかりとコミュニケーションをとりながら試合したいと思います。また、もちろんのこと、体を張り、走り続けます」

試合前日 選手コメント
男子7人制日本代表
(チームミーティングでの決意表明)

宇薄岳央主将
「主将をやらせてもらっていますが、らしいことは何もできていません。だから、試合で身体を張ります。表彰台で金メダルと待ち合わせしているので、みんなで、頑張りましょう」

今村雄太選手
「いいメンバーで、久しぶりの7人制ラグビーができて、楽しんでいます。金メダルを獲って、みんなで喜べたらいいと思います。絶対、獲りましょう」

北川智規選手
「自分たちは、トップ、金メダルを狙えるチームにいます。こんな場面に立ち会えることはほとんどありません。試合時間は1試合たったの14分。人生での14分なんてほんの少しです。一戦一戦、しっかり戦っていきましょう」

正面健司選手
「自分ができることをしっかりやりたい。金メダルを獲って、笑っている姿が目に浮かんでいるので、スタッフを胴上げできるように、頑張りましょう」

仙波智裕選手
「こんな大きな大会は、自分にとって最後のチャレンジになるかもしれません。グラウンド上では前向きにいくのが自分のスタイル。みんなで、楽しみましょう」

築城昌拓選手
「前回も金メダルを獲ることができましたが、4年後にまたこの場に立つとは思っていなかった。金メダルが絶対ほしいし、このメンバーだったら絶対いける。このチームだったら、絶対いける」

友井川拓選手
「明日はしっかり楽しんで、目の前のことをひとつひとつやっていけば、結果はついてきます。まずは1勝。頑張りましょう」

長友泰憲選手
「アジア大会に、出たかった。あとは金メダルを獲るだけなので、頑張りましょう」

成田秀悦選手
「皆で力を合わせて金メダルを獲って、たくさんはしゃぎたいと思います」

山内貴之選手
「まさかこの場に自分がいるとは思っていませんでした。一番高いところで、一番きれいなメダルを。一戦必勝でみなさん頑張りましょう」

◎渡邉洸太郎選手
「金メダルを獲ることがこのチーム、そして自分の目標です。一試合一試合楽しんで、今までやってきたことをやればいいと思うので、頑張りましょう」

和田耕二選手
「こんなにレベルの高いチームでやるのは初めて。わくわくしています。このメンバーで1番に立てるよう、それだけ考えて、7試合しかないので楽しんでやりましょう」

【代表選手に訊きました】成田秀悦選手
成田秀悦選手

変幻自在のステップで、相手を一瞬で置き去りにして抜き去る。7人制ラグビーの醍醐味でもある、ランとスピードで日本代表のアタックの要、成田選手。

「7人制ラグビーは、自分の持ち味を最大限出せる競技だと思っています。1対1でステップでかわす、スピードで抜き去る、勝負できるところが、自分の強みではないでしょうか。
これまでラグビーをやっていて、金メダルをもらえる機会があるとは思ってもいなかった。金メダルを獲得できたら、これからの自分のプレーにも生きてくると思います。今まで国を背負って戦うようなことはありません。広州で他競技の人たちにも会って、日本のために戦う、という意識も強く持つようになりました。

今回のメンバーを見て、一番楽しみだったのは、友井川選手と和田選手と一緒だということ。3人によって大学時代(法政大学)はスクラムハーフを巡るし烈なポジション争いがありました。皆が負けず嫌い。和田選手とは1度、100M走の勝負をして、圧倒的に負けました(笑)。自分の力の限界を知りましたね。その後のプレースタイルが変わりましたから。そんな感じで、いろいろ争ったりして、当時は嫌でしたけど、今は、この代表で3人が揃ったらいったいどうなるのかなぁ、と。法政大学OBとしては事件だと思いますよ。国内合宿のタマリバ戦で3人グラウンドに同時に立った時、こんな力を合わせる日がくるとは思わず、感動しちゃいました。

それにこのチームにはサントリーサンゴリアスで一緒の、長友選手も参加しています。彼とは寮の部屋も隣で、プレーから性格までわかります。やりやすいですね。
このチームはバランスがいいチーム。仲がいいだけじゃ勝てないけど、これだけ良ければ、一つの力じゃないですかね。帰りたくないくらい(笑)」

普段はおっとりとしたキャラクターに見えますが、グラウンド上では『世界レベル』のステップで対戦相手の脅威となる成田選手。楽しみながら勝つ。今回の7人制日本代表の結束力を結果で示したいと思います。

【代表選手に訊きました】友井川拓選手
友井川拓選手

和田選手と同じく、2009年6月のワールドゲームズで、初めて7人制日本代表に選ばれ、このアジア競技大会に日本代表として参加する、友井川選手。にぎやかな今回の7人制日本代表選手の中で、一歩下がって俯瞰してチームを見ているように見受けられます。

「人見知りではあります。でも、みんながみんな、言いたいことを言ったらまとまらないこともあります。大事なことは主将や限られた人が話せばいいのではという考えです。でも、このチームは楽しいチームですよ。ONとOFFがしっかりしている。
今回は、金メダルを獲るために集められた選手たち。こんないい選手が集まることはないです。
自分はディフェンスが持ち味だと思ってます。一番後ろから声を出して、他の選手を動かす。でも、自分がタックルをしない状況に持っていくというのが、一番ですけどね。

法政で同期の成田や、一つ下の和田と一緒にやるのは楽しみです。成田は、アタック、ランニングスキルが一番。性格は気い遣いで様子をうかがう節がありますけど、だれとでも変わらない態度で接していますね。和田はスピードが特長だと思います。全体的なプレーのバランスがいい。性格は…負けず嫌いですね。

金メダルは獲りたい。でも普段通りやればついてくるはずです。意識しすぎずに、1試合1試合やっていけば、結果はでます。
金を獲れば、ラグビーの知名度もあがるでしょう。オリンピックへの道もできる。銀や銅では、だめだと思います。20年以上ラグビーをやっている人間として、ラグビーほどいいスポーツはないと思っています。こういったことをきっかけに、ラグビーを見てほしい」

大学時代には主将を務めるなど、本来リーダーシップを発揮するタイプのはずの友井川選手。しかし、今回のチームは「宇薄」主将がリーダーであり、友井川選手も「このチームではプレーに専念しやすい」と、一人の選手として、金メダル獲得にむけて静かに闘志を燃やします。

【代表選手に訊きました】和田耕二選手
和田耕二選手

15人制日本代表としても活躍。2009年6月のワールドゲームズで、初めて7人制日本代表に選ばれ、その後15人制日本代表へも一気に駆け上がった和田選手。

「7人制と15人制は同じラグビーでも、違う種目…という気がします。7人制は選手は12名、それに監督とコーチ、その他スタッフも含めてコミュニケーションを密に取ることができます。チームとしての一体感がありますね。
今回のこのチームは、15人制のイメージがあります。集まった選手は15人制でトップクラスの選手たち。いい意味での違和感を感じます。個々のレベルが高く、基礎ができているから応用、修正がすぐききます。

友井川選手、成田選手と同じ瞬間にプレーするのは…少し違和感があります。二度とないかも。とりあえず楽しみたい。ほかの二人に比べると、自分はフィジカル面で勝っているのかなと。成田選手は『アタック100』。一番動き回り、崩し役。そこに友井川選手や自分が合わせて、入る形でしょうか。大学時代から仲はよかったですが、今7人制代表などで一緒になって、関わり方が深くなりました。二人とも先輩なのでもう少し遠慮したほうがいいですかね(笑)。

金メダルは、ほしいです。こういったタイミングで代表に選ばれたことに感謝します。金を取らなければ、今後のラグビー界が出遅れてしまう。プレッシャーを背負うつもりではありませんが、その思いは頭から消えません。このメンバーで、取りたい。こんなにいいプレーヤーたちと戦える機会はありません。優勝できます。
自分は、怪我などで思うようにプレーできず、ラグビー選手として停滞していた時に、7人制日本代表に選んでもらいました。村田監督に拾ってもらったことで、ラグビー人生が変わりました。息を吹き返すことができたんです。だから15人制とどちらが、ということではなく、7人制日本代表でもしっかりプレーをして、金メダルを獲ります」

チームでもトップクラスのスピードを誇る和田選手。7人制への特別な思い。その恩返しは、まずは、アジア競技大会での金メダル。

●11月19日(金)

本日は男子7人制日本代表はオフ。一人ひとり、治療に、ジムに、身体を休ませるなど、あさってからの試合に備えます。

そして、いよいよ今日、女子7人制日本代表が広州に到着。選手村に入りました。
到着後、タッチフットなどで身体を軽く動かしますが、長旅の疲れも見せず、心身軽やかな様子。
「ラグビーだけではない、国際総合大会ということで、今からわくわくします。このように恵まれた環境の大会に参加できることに感謝し、周囲のサポートをいただいている皆様、協会関係者を始め、応援いただいている方々のためにも、いい結果を残したいと思います。選手は皆元気いっぱい。調子はいいですよ」(黒岩ヘッドコーチ)

「長時間の移動で少し疲れましたが、グラウンドで身体を動かしてみたら、体調もコミュニケーションもよかったです。この調子で試合に臨めるのであれば、よい結果が出ると思います」(鈴木主将)

現地の練習から、最後のメンバーである山口選手が合流。女子7人制代表が、アジア競技大会初の歴史に日本代表の名を刻むべく、駆け回ります。

◎オーストラリア留学中の山口選手がいよいよ合流
「この前合流した時から(アジアセブンズ7月、15人制イングランド遠征9月)みんなのロングパスのスキルが上がっているなぁ、と感じました。ディフェンスはコミュニケーションがまだまだなので、あさっての試合までにサポートできるように、チームにフィットしたいと思います」

●11月18日(木)
本格的練習は今日が最後です
本格的練習は今日が最後です

アジア競技大会、ラグビー開催まであと3日。男子7人制ラグビーの本格的な練習は本日の午前中が最後となります。

恒例の朝のミーティング。村田監督からは「今日は頭の中を整理して、明日はしっかり体を休ませて、試合に備えよう」と一言。その後、マレーシア・シンガポール遠征、そして国内合宿で対戦したタマリバクラブとの試合VTRを見ながら、ディフェンスの上り方などを再確認しました。

その後、移動しての練習は1時間短期集中の内容。昨日から繰り返すアタックディフェンスを、今日も繰り返し反復。デジャヴュのように繰り広げられる練習ですが、目に見えてわかる、ディフェンスラインのテンポアップ、そしてコミュニケーションの向上。アタックでもパス、ランニングのキレがこれまでと違うことを感じさせます。
最後のセッションが終わった後も、まだまだ貪欲に完璧を求める選手たちでしたが、ひとまず本日の練習は終了。「試合で、完成を」と集大成を見せる準備は整ったようです。
「練習の途中でエキサイトする場面もあったけど、熱さは大事。冷めた選手がいなかったことは、うれしかった」(宇薄主将)

仲がよい? 法政大学出身コンビ   怪我につながるグラウンド状況まで目を配ります。メディカル陣
仲がよい? 法政大学出身コンビ 怪我につながるグラウンド状況まで目を配ります。メディカル陣

本日もお世話になっています。大原氏   熱が入ります
本日もお世話になっています。大原氏 熱が入ります

激しさを増します
激しさを増します

練習終了後は、今回初の試みとしてJOCによって設置された「マルチサポートハウス」を訪れ、リカバリーや捕食など、ありがたいサポートの恩恵にあずかりました。スタッフの皆様方、親切丁寧なご対応、まことにありがとうございました。

そして、夕方には広州の市街に出かけ、チームディナー。日本食を堪能し、7人制日本代表はさらに英気を養います。こちらも昨日よりお世話になっている大原氏をはじめ、アレンジしていただいた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

さまざまな方の、数々のサポートを受け、日本の代表として広州での戦いの舞台に備える7人制日本代表。やらなければならないことは、選手一人ひとりがわかっています。
繰り返し言葉にする、金メダルという意味を、各々の頭で胸で考え感じて、20日のキャプテンズラン(試合前日練習)、そして21日の大会初日、初戦のモンゴル代表戦を迎えます。

ファンの皆様のご声援、どうぞよろしくお願いいたします。

男子7人制日本代表は、明日19日は休養。そしていよいよ女子7人制日本代表が、広州の地に降り立ちます。

山内選手   長友選手
山内選手 長友選手

笑顔もみえます。成田選手   北川選手
笑顔もみえます。成田選手 北川選手

友井川選手   渡邊選手
友井川選手 渡邊選手

宇薄主将   正面選手
宇薄主将 正面選手

和田選手   今村選手
和田選手 今村選手

グラウンド使用のお礼を
グラウンド使用のお礼を

【代表選手に訊きました】築城昌拓選手
築城昌拓選手

男子7人制代表の顔といっても、差支えない築城選手。ここ数年7人制を支えてきたスペシャリストであることはもちろん、「あいつがチームに入ってきたことで、明るさが格段に増した」(村田監督)と言われるほど、底抜けのムードメーカー。このチームの唯一の前回大会経験者、金メダリストでもあります。

「今シーズンは、ラグビー自体を、怪我の状況もあって、納得のいく形でできていません。練習を外から見ていたりするのは、歯がゆいですね…今回の7人制代表のチームは、大人のチーム。何か新しいことをやっても、すぐに形にできる。吸収が早い。互いに、何を考えているかわかるチームでもあります。
今回のチームは、今までで一番強いんじゃないですか?みんな足も速いので、自分はFWで仕事人に徹します。チャンスを作る役目ですね。

4年前、アジア大会で金メダルをとることができましたが、今年は自分自身の経験値も上がって、何よりメダルの価値が変わったと思います。あの時は若かった。あれから主将をやらせてもらったりしましたし、今は国を背負う重みも、感じています。
あとは、同じチームの桑水流(コカ・コーラウエストレッドスパークス)がいないことも、大きいです。金メダルを獲ってこないと、きっとうるさい(笑)。金じゃなかったら、帰って来なくていいと言われています。最初自分がけがをしていて、代表から外れていました。自分が復活したら、今度は桑水流が離脱…しっかり、金メダルを持って帰りたいと思います。

盛り上げ役についてですか?ONとOFFをしっかり使い分けることを意識しています。やる時は、やる。このチームはやる時はやる、明るいチームですよ。
自分は7人制でも育ててもらいました。絶対、出たいし勝ちたいです」

グラウンドで響き渡る大きな声が、今日も男子7人制日本代表を盛り上げ、苦しい時のあと一歩を踏み出させる原動力となります。

●11月17日(水)

広州に入ってから本格的練習の初日となった、17日。朝からまず、一日の始まりのミーティングでは、改めてアジア競技大会で戦う上での心構えを再確認。日本人の中から選ばれた、日本代表であることを意識させられます。
「1回1回の練習に集中していこう。プレッシャーをあえて感じよう。普段通りやれば金メダルはとれる」(村田監督)

監督も朝から気合が入ります   朝のミーティング風景
監督も朝から気合が入ります 朝のミーティング風景

これは、なんの数字でしょう?   トヨタ自動車の先輩後輩。左から山内選手・大原氏・和田選手
これは、なんの数字でしょう? トヨタ自動車の先輩後輩。左から山内選手・大原氏・和田選手

さまざまな大会装飾がされている街並みですが…なぞのオブジェ   村田監督から決意表明
さまざまな大会装飾がされている街並みですが…なぞのオブジェ 村田監督から決意表明

最後に記念撮影。和田選手右が小椋総経理
最後に記念撮影。和田選手右が小椋総経理

その後の練習は、広州にある、広汽豊田のグラウンドをお借りし、行われました。
練習に先立ち、トヨタ自動車の現地法人でもある広汽豊田の小椋総経理(日本語で「社長」にあたる)を表敬訪問。今回のアジア競技大会の男子7人制日本代表のメンバーで、トヨタ自動車所属の、和田選手、山内選手、そして日本代表太田GM、村田監督が参加し、会議の冒頭にごあいさつの機会を頂戴しました。村田監督は「中国も強力なライバル。日本代表が金メダルを獲れるよう、応援お願いいたします」と挨拶すると、皆さんからは大きな拍手。小椋総経理からは「加油(頑張って)」と中国語での励ましのお言葉もいただきました。
なお、今回のグラウンドの手配をはじめ、各種ご協力をいただいた元日本代表SH、大原氏には、本遠征にて大変お世話になっています。この場を借りて、感謝申し上げます。

グラウンドでの練習はウォーミングアップからキックオフ、そしてさまざまな局面を想定した、アタックディフェンスを中心に行われました。
午前の練習では、少し集中力の欠けた部分を見せる場面もありましたが、午後には修正され、実のある内容となりました。

明日は午前練習、午後はプールリカバリーなどを予定しています。

仲のよいチームです   集中力を切らし─全員で腕立て伏せ!
仲のよいチームです 集中力を切らし─全員で腕立て伏せ!

写っているのは皆バックスの選手ですが、ラインアウトの練習です
写っているのは皆バックスの選手ですが、ラインアウトの練習です

ディフェンスの確認確認確認   成田選手
ディフェンスの確認確認確認 成田選手

築城選手   ひとつひとつ確認しながら
築城選手 ひとつひとつ確認しながら

練習終わりの円陣。スタッフも加わります
練習終わりの円陣。スタッフも加わります

ハーフ談義? 成田選手・友井川選手・村田監督   移動のバス車内でも練習のレビュー
ハーフ談義? 成田選手・友井川選手・村田監督 移動のバス車内でも練習のレビュー

【代表選手に訊きました】仙波智裕選手
仙波智裕選手

チーム最年長の仙波選手。今年の春にはA代表に選ばれ、所属の東芝ブレイブルーパスでも今季全試合に出場し、チームの中心選手の一人として活躍しています。

「マレーシア・シンガポール遠征の前までは、正直、アジア大会といってもぼんやりとしたイメージしかありませんでした。学生の時に7人制代表に選ばれたり、数年前も呼んでいただいたりもしましたが、今回が久しぶりの実戦での7人制だったし、7人制でのアジアの力関係が、分かっていませんでしたね。15人制のイメージが強くて、アジア相手であれば、問題ないのでは…という思い込みがありました。でも、それは違う。全然違います。アジアの中でも、日本とほかの国にそれほどの差はありません。でも、僕ら日本代表がアジアNO.1であることは間違いないし、そうあるべきだと思います。

自分がこのチームで最年長ですが、チームのみんなからプレーについて注意されます(笑)。年齢が上ということで、気を遣わせるかも…と思っていたのですが、トップリーグや日本A代表などで体をぶつけ合う仲間たちなので、そこはフラットに、変な気遣いなく受け入れてくれました。経験値が足りない部分を、みんなが見てくれて、改善されれば『ようなってるよ』と声もかけてくれる。

今回のアジア大会は、このメンバーならトップリーグの『誇り』をかけた戦いでもあると思ってます。それだけのメンバーが集まっているし、その力を金メダルを獲ることで証明したい。
東芝としての誇りももちろんです。負けてしまったら、仲間たちも、絶対残念がりますよ。アジア、というとラグビーとしては少し下に見られがちですが、先ほど言ったように、差はありません。アジアでトップになり、金メダルを獲ることは、個人的には大きな達成感を得られるだろうし、それがトップリーガーである自分としての使命だとも思ってます」

練習の合間に、ひとつひとつのプレーを選手同士で確認するとき、仙波選手は積極的に疑問をチームにぶつけます。自分でわからないプレー、7人制ならではのスタイルについて、わかるまで、確認する。最年長だからといった見栄、先輩だから、といった遠慮はこの7人制代表の練習の中では存在しません。東芝の後輩である宇薄選手を、チームを自らの経験で支えながら、自分もさらなる成長を続ける仙波選手が、日本代表へ金メダルを引き寄せます。

●11月16日(火)

いよいよ本日16日、男子7人制日本代表が、中国・広州へ出発しました。
15日はフリーとし、各自体を休め、昨夜には長友選手も合流。選手12名、スタッフ7名、総勢19名が揃っての出発となりました。早朝の移動のため、いつもの元気はありませんが、いよいよアジア競技大会まで1週間を切り、現地でしっかりと最後の仕上げに臨みます。

さしもの築城選手も少し眠そうな早朝   左:宇薄選手と、右:太田選手
さしもの築城選手も少し眠そうな早朝 左:宇薄選手と、右:フェンシング代表の太田選手

そして今日、空港では男子7人制日本代表の宇薄主将が、出発前に偶然の再会。同志社大学時代の同級生、北京五輪、フェンシングの銀メダリスト、今回のアジア競技大会にも参加する太田雄貴選手と同じ便に乗り合わせることに。
太田選手は、「宇薄選手はやる時はやる男。負けないように頑張りたい」
一方、宇薄選手は「太田選手は学生時代から、意識の高い選手。同級生同士、アベックで金メダルを取りにいきます」
アジア競技大会に向けて、互いの健闘を誓いあいました。気の置けない仲間に見える二人。スケジュールさえ合えば、それぞれの試合を応援しに行けたら…と話をしていました。

さっそく情報収集? 田崎ドクターです   広州に到着し少しお疲れの村田監督
さっそく情報収集? 田崎ドクターです 広州に到着し少しお疲れの村田監督

ボランティアの皆さんが一生懸命お手伝いしてくれました   空港でトレーニング用器具の説明をする宇薄主将
ボランティアの皆さんが一生懸命お手伝いしてくれました 空港でトレーニング用器具の説明をする宇薄主将

選手は広州空港に到着。現地ボランティアの方々が積極的に案内を買って出てくれます。日本側もさっそく現地情報をリサーチ。選手村までバスで揺られること約1時間。まずはウェルカムセンターにに入り、選手村にいよいよ入村です。
選手は村内のグラウンドで軽く汗を流した後、夕食。
明日からの本格的な練習に備えます。
アジア競技大会、7人制ラグビー初日まであと5日です。

◎村田監督
「4年に一度の、五輪に続く大きな大会であることを、ひしひしと感じています。
金メダルに向かって、一日一日、広州での選手、そしてチームの成長を楽しみにしています。日本からのたくさんのご声援、どうぞよろしくお願いいたします。そして、その期待に応えられる結果を残したいと思います」。

空港から移動のバスに乗り込みほっと一息の男子日本代表
空港から移動のバスに乗り込みほっと一息の男子日本代表

移動時間は読書。長友選手   こちらも読書。仙波選手
移動時間は読書。長友選手 こちらも読書。仙波選手

移動で固まった身体をほぐします  
移動で固まった身体をほぐします

【代表選手に訊きました】正面健司選手
正面健司選手

2002年、韓国・釜山で行われたアジア競技大会に当時19歳で参加した正面健司選手。釜山大会では15人制は韓国に敗れ銀メダル、7人制は4位という散々たる結果。そんな決していい思い出とは言えない大会から2大会ぶりにアジア競技大会に戻ってきた正面選手。

「02年当時は、15人制のメンバーで7人制にも臨みました。でも、正直7人制の練習はやっていなかったです。今の7人制日本代表はその時に比べれば、練習や環境がとてもフォローされているというか、扱いが全然違うなという気がします。

7人制のチームは、チームとしての人数が少ないので、個人的には楽しいです。特にこのチームは、普通、2週間も同じメンバーで遠征などへ行けば『もういいや…』となりがちなのですが、今回は大丈夫(笑)。

自分と同じ同志社大学出身の、先輩と後輩がこのチームにはいます。先輩である仙波選手はこのチームでは最年長だけに、空気が読めて、背中で引っ張るタイプだし、後輩の宇薄選手は、今回主将という役割ですけど、率先してディフェンスをするし、チームを盛り上げようとしているのでいいキャプテンだと思いますよ。

アジア大会…金メダルは取りたい。やはり世間の見る目が違うと思いますね。自分自身のラグビー人生のステップアップになると思うし、何よりこれからの日本のラグビー界のためにも、金メダルは必要なのではないでしょうか」

大学時代の後輩、宇薄主将が「(マレーシア・シンガポール遠征で)健司さんのように試合を『作れる』選手が、一緒にグラウンドにいるといないでは、全く違います」と言うように、今回の村田セブンズジャパンの司令塔を担う正面選手は、金メダル獲得には不可欠な存在。
過去の惨敗は、正面選手にとって淡々と受け止めている結果。そしてこれから始まる戦いが、この先の日本ラグビー、そして正面選手のラグビー人生にとって、大切な局面となることは、間違いなさそうです。

【代表選手に訊きました】岡田真実選手
岡田真実選手

女子15人制代表のキャプテンを務める、岡田真実選手。この女子7人制日本代表では、最年長という立場で、若い鈴木キャプテンを支えます。これまで女子の国際大会に数多く出場している岡田選手は、今大会の結果を求めるのはもちろん、女子日本代表がこの先世界の強豪と戦っていく上で、若手選手のさらなる奮起も期待しています。

「前々から言われているのですが、試合の時など、最初にスイッチが『ON』できていません。アジア競技大会では、一発目から、ガツンとスイッチを入れて試合に入っていきたい。15人制も7人制も経験がある自分なので、声を出すのはもちろんですが、プレーで引っ張っていきたいですね。
チームとしては、だんだん声も出てきてはいるのですが、ここぞという時、何としてでも(ボールが)ほしい!という声や気持ちがまだまだ出ていないと思います。これが試合で出せるかが、勝負です。強豪相手にアタックチャンスが少ない中、1本トライが取れるかどうかが大事。本当に集中すべきところで集中できるように。

このチームは若い。でも、この先オリンピックや、15人制のワールドカップを目指すのであれば、今回選ばれている若い選手たちが、もっとベテランに刺激を与えて、女子日本代表の中で、切磋琢磨していかなければなりません。
東アジア大会でも中国に敗れ、7人制のワールドカップでも中国に敗れ、今年のアジアセブンズでは4位という結果。このアジア大会こそは、中国にも勝ち、金メダルを取りたいです」

落ち着いた声で、的確な指示を出し、大事なところで存在感を示す岡田選手。静かにチーム、FWを引っ張る熱いプレーに期待してください。