日時: 2010年3月20日(土)~21日(日)
場所: 愛知学院大学・瑞穂ラグビー場にて
講師: 岸川剛之委員長、岩下眞一国際担当、小野塚隆女子部会チーフ、御領園昭彦女子部会コーチ、川口敬子女子部会コーチ、高津浩彰テクニカル部会、大槻 卓A1レフリー・松岡 辰也A1レフリー
参加者: 大澤美穂(関東B級千葉県)、難波真理(関西B級大阪府)、石原益子(関東C級埼玉県)、田中智絵(関西C級京都府)、大瀧史子(日本協会職員)、櫻井美江・櫻井綾乃(親子参加・関東群馬県)、杉本裕美(関西大阪府)

 

●スケジュール

3月20日(土) 14時~16時 愛知学院大学において実技研修
・ウォーミングアップの方法 大槻 卓
・笛の吹き方(トライ等) 岩下 眞一
・レフリーランニングコース 岩下 眞一
19時~21時 座学 女子レフリー育成について 岸川 剛之
レフリングの基本 岩下 眞一
高津 浩彰
3月21日(日) 9時15分~ レフリーミーティング
9時30分~ Japan Women Sevens2010 開会式
10時~17時 試合
レフリー実技研修(レフリー、AR担当) 小野塚 隆
御領園 昭彦

審判委員会女子部会レフリー研修会及びJapan Women's Sevens報告書(平成22年3月20・21日 瑞穂)

女子レフリー部会チーフ 小野塚 隆

先月の関東Women’s セブンズに引き続き、3月20・21日に行われたJapan Women’s セブンズ大会でレフリー研修を行いました。関東セブンズでは、女子レフリーの実情把握とレフリーの魅力を伝えるということが参加の目的でした。今回は、全国の女子ラグビー実情把握と女子レフリー発掘のための広報活動および現在資格を取得しているレフリーのスキルアップを目的として参加しました。

今回参加されたレフリーは、関東から4名(川口・大澤・櫻井・石原各レフリー)、関西から3名(難波・田中・杉本各レフリー)、現役男性レフリー3名(松岡・吉田・宮崎各レフリー)とレフリーコーチ(岸川、御領園、小野塚各コーチ)でした。また、今回はプレーヤーとして参加し、レフリーをすることができなかった関東の古賀レフリーも香港における研修に向けて、レフリーやコーチと積極的に関わっていました。さらに、テクニカルスタッフとして審判委員会の高津委員、3rdARを務めた日本協会事務局の大瀧さんが参加し、大会運営に貢献していました。関西協会レフリー委員長、日本協会女子レフリー担当長の太田さんが体調を崩され、参加できなかったことは残念でした。

3月21日(日)の大会当日は、心配された雨に遭うことはなかったのですが、強風と黄砂のなかで行われました。試合は、中学生の部と一般の部に分かれて行われました。中学生の部では、2014年のWRWC、2016年リオデジャネイロオリンピックにむけて、多くの期待感を抱かせてくれるプレーとすばらしいスピードを披露してくれました。一般の部では、全国のトッププレーヤーばかりが集まっているだけあって、見事なスキルとアグレッシブさ、スピード感を発揮してくれました。また、名古屋と日体フェニックスのあいだで行われた決勝戦は、双方あい譲らずサドンデスの延長戦に持ち込まれ、最後は、地元の名古屋が見事に優勝を飾りました。そして、この両チームは、香港セブンズに参加する日本代表と交流試合を行いましたが、さすがの日本代表は、スピード、スキル共に両チームを圧倒して、勝利を収めました。香港セブンズに向けておおいに期待できる内容でした。

レフリングについては、川口・大澤・難波レフリーは、さすがにベテランで経験も豊富なだけあって、たいへん落ち着いていて安定感があり、すばらしいパフォーマンスを発揮されていました。特に、決勝戦を担当した大澤レフリーは、10分ハーフのあとの延長戦にもかかわらず、最後まで集中力を切らさずに走りきり、すばらしい試合を演出していました。石原レフリーは、先月の関東セブンズ時と比べ、数段進歩していて、ブレイクダウンをしっかりと見きわめ、ペナルティーキックを科すことができていました。田中レフリーは、日本代表プレーヤーということもあり、すばらしいスピードとフィットネスを持ち合わせているので高い将来性を感じさせてくれました。櫻井・杉本両レフリーは、今回はARを担当しました。両名共にたいへん積極的に取り組み、はじめはコーチについて行っていましたが、最後は、ひとりでフラッグを持ってARを務め、立派に職務を果たしていました。

みなさんたいへん意欲的に取り組まれ、担当が終わると積極的にコーチ陣からアドバイスをもらい、次の担当時に生かしていました。私からは、ボールラインの説明、ボールやボールを持ったプレーヤーばかりを見るのではなく、ディフェンスプレーヤーを見ることにより次の予測が容易になること、アドバンテージのオーバーのタイミング、ARの役割等についてアドバイスをさせてもらいました。

今回の研修会に参加して感じたことは、まだまだ女子レフリーの絶対数も少なく、また、経験も浅いのですが、今回参加されたレフリーの方々はもちろん、みなさんがたいへん前向きで意欲的、積極的であるので、これからこのような機会があればあるほどどんどん上達していき、決して2014年WRWC、2016年リオデジャネイロオリンピックに日本協会公認女子レフリーが参加することは夢ではないと感じました。
そのためには、日本協会審判委員会が女子レフリー育成カリキュラムと育成方針、方法を一日も早く確立させ、現在、ARFU公認レフリーとなっている大澤レフリーに続く国際レフリーを育成していけるように取り組んでいかなければならないと責任を痛感しました。また、ひとりでも多くのレフリーを発掘、育成すべく広報活動を実施していかなければならないと感じました。

●参加者のコメント
石原さん
「豪華指導陣の皆さまの指導を受講し、貴重かつ有意義な時間を過ごせたことに感謝しております。講習会、実戦ゲームを経験し多くの課題の発見と気づきがありました。今後もレフリーの機会を多くみつけ更に経験を積むことと、多くのゲーム観戦からも勉強していきたいと考えております。
レフリーをするきっかけとなった“特等席でプレーヤー(子供)が見える“喜び、楽しみを忘れず、自分のレベルアップと共に女子ラグビーの発展に少しでも貢献できるようにがんばっていきたいと思います。二日間ありがとうございました」

桜井さん親子
「申し訳ないぐらいの素晴しい講師陣と環境の中で研修を受けさせていただきありがとうございました。今まではレフリーをやってみたいけれども、どうやって勉強すればいいかわからない・・・私のような若くもない女性がチャレンジするのは無理かも・・・と、どこか逃げているところがありました。
しかし研修に参加して、同じように女子レフリーをめざしている仲間がいることを知り勇気をもらいました。また男子、女子のトップレフリーの方のレフリングの美しさと共に、人間としての優しさや気品といった魅力に触れ、「レフリーになりたい!!!」という気持ちを強く持つことができました。
まずは、一日でも早くC級レフリーになれるよう地元に帰って勉強していきます。(櫻井 美江)」

「先日は貴重な体験をさせていただいてありがとうございました。いつもはプレーをする身でレフリーをやってみようとは正直全く思っていませんでした。けれど、この前の研修でレフリーは知力、体力、判断力が必要だと思い魅力を感じました。
研修では、何も知らない私に基礎から丁寧に教えて下さり本当に有り難かったです。レフリーの知識がつけばルールもより理解できいいプレーにもつながると思います。なので、プレーの勉強と共にレフリーの勉強も進められたらと思います。(櫻井 綾乃)」