開催概要東西参加メンバー|マッチ&会見リポート

東軍 55-26 西軍   東軍 55-26 西軍   東軍 55-26 西軍
マッチリポート
高校東西対抗 東軍 55-26 高校東西対抗 西軍
(2009年1月11日 at東京・秩父宮ラグビー場)

昨日の強風がやや収まった冬空の元、第32回高校東西対抗戦が開始された。試合前には花園大会のベスト4を占めた西軍有利かと思われたが、開始早々、東軍1番が先制のトライ。ゴールも成功した。さらに5分には敵陣10m付近のラックから左に展開、12番が縦についてトライした。これに対して西軍は11分敵陣22m付近のラインアウトから左に展開して12番がトライ、ゴールが成功して、12対7と追い上げた。しかし、その後は東軍が13分、24分、30分とトライを重ねて前半を26対7とリードしてハーフタイムとなった。
後半に入り開始3分、右ラインアウトから左に展開した西軍は、20番がトライして29対14と反撃を開始したが、集中力の切れない東軍は、後半入れ替えで出場した選手が活躍して、9分に25番が、15分に24番がトライを重ね、18番のゴールも成功して43対14とリードを広げた。その後西軍、東軍とも2トライを重ねて、55対26のスコアでノーサイドを迎えた。

花園大会決勝終了後、中2日で集合してゲームを行ったためか、チームとしてのディフェンスが両軍とも機能しなかった感は否めないものの、個々のアタック力、ディフェンス力のせめぎ合いでは、高校生ラガーの代表としての力量は評価されると思われる。今後の選手諸君の飛躍を期待したい。

試合後のファンクションでは、日本協会副会長・真下専務理事から、高校卒業後の大学や社会人としての活躍や、本年6月に日本で開催されるJWC(ジュニアワールドチャンピオンシップ)への出場や2015年ワールドカップ出場への「夢」の実現へ精進して欲しいとの激励の言葉を戴いた。高校部門担当前田嘉昭理事からは、今日の試合は3月のイングランド遠征の最終選考を兼ねている試合を2008年度の高校代表になろうという気持ちで戦えたか、という問いかけがなされた。そして今後は、試合に出場したら成果を残せるプレイヤー、大きな舞台で力を発揮するプレイヤー、そしてラグビーの感動を、ラグビーを観戦して下さる方々に伝えられるプレイヤーになれるように、高い夢を持って取り組んでもらいたいと激励された。

最後に東軍キャプテン・遠藤洋介君(東京・國學院久我山高)から、今日の試合の感動を胸に大学でも、皆がいいライバルとして闘っていきたいとの決意の言葉が述べられ、西軍キャプテン・吉井耕平君(御所工業・御所実業高)からは、高校最後の試合を楽しくプレーすることができた。大学でも切磋琢磨して、頑張りたいという決意の言葉で締めくくった。(全国高体連ラグビー専門部 副部長 阿部雅博)

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会見リポート

東軍:今井好則監督
「選手たちは本当によくやってくれた。集まって間もないことで不安もあったが、キャプテンを中心にしっかりと戦ってくれた。西軍の力強いアタックに対してディフェンスでやれたことが大きかった」

東軍:遠藤洋介キャプテン
「西軍の強いアタックに対して、チームが一つになってディフェンスすることができた。高校最後の試合で楽しく思い出に残るゲームができた」

西軍:竹田寛行監督
「良いパフォーマンスをしたかった。しっかりとしたDF・ATをしていきたいと思っていたが、開始早々、FWのディフェンスで崩され、BKが機能しなかった。東軍のアタックに対してBKのディフェンスで立て直そうと思っていたが、そのBKもバラバラだった。完敗です」

西軍:吉井耕平キャプテン
「今日は、個人のディフェンスがバラバラで噛み合わなかった。短い期間での調整だったので思っていたプレーができなかった。FWのブレイクダウンのところでの差があった。それでも楽しくできました」

  左から、西軍の吉井キャプテン・竹田監督、東軍の今井監督・遠藤キャプテン

左から、西軍の吉井キャプテン・竹田監督、東軍の今井監督・遠藤キャプテン

──(両キャプテンに)花園で敵チームとして戦った選手と仲間として、どういう思いでプレーしたのか?
西軍:吉井キャプテン
「普段は敵として戦っている選手たちと一緒にプレーしてみてレベルの高さを感じることができたし、楽しかった」
東軍:遠藤キャプテン
「東軍は、今の高校ラグビーが西高東低と言われていてBest4に1チームも残れなかったので、西に勝とうという気持ちを共有できたことが、まとまった要因の一つだったと思います。チームとして楽しくプレーでき、勝つことができて良かったと思っています」

──(両キャプテンに)6月のジュニア・ワールドチャンピオンシップのことは考えていたか?
東軍:遠藤キャプテン
「松井コーチ(流通経済大柏高校)から、『お前たちは次世代を担っていく人材だ。しっかりアピールしてこい』と言われました。そういった意味では、東軍の選手たちは目立っていたと思います」
西軍:吉井キャプテン
「しっかりとアピールしたかったのですが、結果的には良くなかったです。(決勝からの疲れは?という問いに)それは、言い訳になりませんし、関係ありません」

──(両監督に)戦術等の指示はしたのですか?
東軍:今井監督
「東軍は、関東高校、East高校と日頃から集まる機会があったので、前半はそういった選手たちを中心に流れを作り、後半にそこに呼ぶことができなかった選手たちを入れてキャプテンを中心に戦っていこうという意図はありました」
西軍:竹田監督
「行き当たりバッタリです(笑)」