2020年5月31日

(公財)日本ラグビーフットボール協会


日本協会主催大会再開プログラム

 

本プログラムは、2020年4月27日付でWorld Rugbyが発行した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴うラグビー活動の安全な再開について」及び日本ラグビーフットボール協会の別紙「ラグビートレーニング再開のガイドライン」に基づき、我が国において適切にラグビーの活動が再開された場合において計画及び開催される、各種ラグビー大会についての基本的考え方や留意点を示すものである。

 

本プログラムでは、あくまでも日本ラグビーフットボール協会が主催する大会を対象としており、各地域支部及び都道府県協会等において大会の開催を計画する際においては、本プログラムを参考にしつつ、大会の規模、目的、参加対象、当該地域おける自治体や管轄当局の指導などを十分に考慮しながら、検討及び計画いただく必要があるものである。

 

1. 大会の分類

大会の再開においては、それぞれの大会の開催目的や開催規模、対象とする参加者などにより、異なる判断基準が必要となる。それらを整理するために、本プログラムでは大会を以下の通り分類することとする。

  1.1 国内大会

       1.1.1 普及大会

                主に中学生以下の選手が参加する非興行大会。

               <具体的な大会例>

  •              サントリーカップ
  •              フレンドリーマッチ
  •              太陽生命カップ
  •              全国ジュニア大会

       1.1.2  非興行大会

               多くの集客を目標とせず、主に競技力向上や交流を目的とした大会。

                <具体的な大会例>

  •              全国地区対抗大学
  •              太陽生命WSS(2020年度は中止決定済み)
  •              全国クラブ選手権
  •               YCACセブンズ(2020年度は中止決定済み)
  •              コベルコカップ(2020年度は中止決定済み)
  •              アシックスカップ(2020年度は中止決定済み)

       1.1.3  興行大会

                有料による集客、協賛獲得、テレビ放映などを見込み、おおむね5,000人以上の規模の集客を目標としているもの

               <具体的な大会例>

  •              全国高等学校ラグビー大会(花園)
  •              大学選手権

 

1.2 国際大会

       1. 2.1 非興行大会

                興行を目的とせず、競技力向上や交流を目的とし、海外からのチームを受け入れて実施 するもの

                <具体的な大会例>

  •               サニックスワールドユース(2020年度は中止決定済み)
  •               アジアラグビー交流フェスタ

       1.2.2 興行大会

                有料による集客、協賛獲得、テレビ放映などを見込み、おおむね5,000人以上の規模の集客を目標とし、海外からのチームを受け入れて実施するもの

               <具体的な大会例>

  •             テストマッチ

 

2. 基本的判断基準

大会開催を検討する際には、上記1の分類ごとに以下の条件がそろっていることを基本的判断基準とする。

 2.1 国内大会を再開する条件:

      2.1.1 政府の非常事態宣言が解除されており、かつイベント開催の自粛要請並びに都道府県をまたぐ移動の自粛要請が解除 されている

           2.1.1.1 政府や自治体によるイベント開催の自粛要請に、大会規模についての基準や分類がある場合は、その基準に照らしあわせて当該試合の自粛要請が解除されている

       2.1.2 大会の会場、宿泊施設等が運営されており、移動手段を含め、大会に必要な環境が確保できる

       2.1.3 参加チームの母体が活動を再開している

            2.1.3.1 学校の場合は休校/施設封鎖等の解除、部活動の再開が行われている

      2.1.4 参加チームに十分な練習期間が確保されており、選手が身体的に試合に出る準備ができている

            2.1.4.1 エリートレベルの大会に関しては、フルスコッドによるトレーニング開始後おおむね6週間前から4週間が確保され、かつ十分なコンタクトトレーニングの期間が確保できている

            2.1.4.2  その他の大会に関しては、それぞれの選手の年齢、技術、強度レベル、成熟度等に基づき判断し、十分な期間が確保されている

      2.1.5 選手及びチームスタッフ、選手会、選手の保護者など参加者の同意が得られている

      2.1.6  大会再開のための十分な医療体制・施設が整っている

      2.1.7  大会共催者・協賛社等の合意確認がなされている

      2.1.8  予選が必要な大会については、予選大会が実施されている

            2.1.8.1 大会に応じて、予選方式の変更等を含め、予選大会の内容については検討され、合意されている。

      2.1.9 上記の項目を踏まえた上で、日本ラグビーフットボール協会内の関係部署において大会 実施が妥当との判断がなされ、合意されている

 2.2 国際大会を再開する条件:

   2.2.1 上記2.1の条件がそろっている

      2.2.2  双方の国/地域において移動の制限がない

      2.2.3  自主隔離や隔離政策が行われていない

 

3. 開催可否の判断時期

大会の開催可否の判断時期については、段階的な判断や判断時期に伴う開催方法の変更等、大会の特性に合わせ、大会により異なる判断が求められるが、以下のような要素を検討し判断する。

  3.1 試合に必要な最低限の練習期間

  3.2 関連施設や運営人員と移動手段の確保、有料試合の場合のチケット販売に関わる準備期間

  3.3 各施設や取引先とのキャンセルポリシーに基づく期日

 

4. 再開の場合の大会の開催方法

  4.1 普及大会及び非興行大会については、政府あるいは自治体等による、イベントの開催に関する制限がすべて解除となるまでは、原則として無観客試合で実施することとする。

    4.1.1 無観客試合において、会場内に入場できる関係者の範囲をチーム関係者のみとするか、保護者等も含めるか等の判断についてはは、その時点における状況に鑑みて大会ごとに定めることとするが、極力少人数とすることを検討する

 4.2 興行大会のうち、高校大会(花園)、大学選手権などの年度における順位決定が強く要求される大会については、上記4.1 と同様の基準で、再開を検討する場合もある

 4.3 興行大会のうち、テストマッチのように、特定の時期における勝敗の決定が必須でなく、かつより興行性が高い大会については、原則無観客試合は想定せず、大会開催時点での政府・開催都道府県等の示すガイドラインや専門家による指導に従った適切な感染予防措置を取ったうえで大会を開催することとする。

 4.4  いずれの場合も、後述の「5項」に定める運営方法を遂行できる試合会場における体制を整えることとする。

 

5. 再開の場合の運営方法

チームの活動が再開し、試合の準備が整い大会の再開を始める場合、当然ながらこれまでの運営方法と異なる配慮や手配、意識の徹底が必要になるが、試合会場における留意点としては以下のような点が挙げられる

  5.1 試合の日の前日あるいは当日に、適切な方法、範囲で会場を清掃する

  5.2 会場における手指消毒液や体温計等の資材を用意する

  5.3 アクレディテーション(AD)コントロールなどにより、会場を出入りする人が所定の位置で確実に管理されるようにする

  5.4 AD保有者に事後的に個別に連絡が可能となるよう、名簿を整備することとし、最低でも各関係者の代表者の連絡先を確保し、代表者はADを受領し当日会場にアクセスした個人の連絡先を保有していることを徹底する

  5.5 会場に出入りする関係者は必要最低限の人数とする

  5.6 全ての関係者は以下に従うこととする

     5.6.1 選手、チームスタッフ、マッチオフィシャルがピッチ上で活動する場合を除きマスクを着用し、手指衛生のための消毒をすること

     5.6.2  個別の手指消毒液や使い捨てのウェットティッシュを携帯し、使用すること

     5.6.3  自宅及び会場への入場前に検温を行うこと

     5.6.4  不要な会場内の諸室への出入りを行わないこと

  5.7 全ての関係者が会場に入場する際の必須条件として、以下の項目を含む書面での確認を提出する

     5.7.1 現在、以下に記載の項目を含め、COVID-19の感染の兆候が一切見られないこと

        5.7.1.1 COVID-19に関係するいかなる症状も直前の14日以内に見られていないこと

        5.7.1.2 生活を共にする家族等にもCOVID-19に関係するいかなる症状も直前の14日以内に見られていないこと

        5.7.1.3 COVID-19の感染者や感染が疑われる人に直前の14日間に接触していないこと

    5.7.2 高校生以下の大会において、出場選手の保護者が大会の参加に同意していること

    5.7.3 大会の医療従事者、及びチームのメディカルスタッフにおいては、直前の14日間にCOVID-19の感染者や感染が疑われる人を診察する際に、全ての感染防止対策を行い、適切な個人防護具(PPE)を着用していること

  5.8 医学的知見が必要な分野においては、専門家のアドバイスを仰ぎ、適切に対処する

  5.9 会場計画において、以下の点を検討しマニュアルなどに明示する

    5.9.1 会場における手指消毒、手洗い場の場所の詳細

    5.9.2 会場における人の出入りの管理方法の詳細

    5.9.3 会場内における人の動きを最小限にできるように設計された会場計画

    5.9.4 飛沫感染を防止するための、選手と関係者に対するガイドライン

    5.9.5 可能な範囲で、入り口もしくは、その付近に検温場所を設置して検温を行い、発熱や咳嗽などを認める体調不良の参加者は施設に入場させずに帰宅させ、必要に応じて保健所や医療機関への相談あるいは受診を促すこと。

    5.9.6 観客や関係者に感染が疑われるものが発見された場合の隔離方法や動線等

    5.9.7 感染が疑わしき人物が発見された場合の試合の継続・中断・中止、また、その場合の試合や記録の取り扱いに関するポリシー

 5.10 試合後直ちに、適切な方法、範囲で会場を清掃し、ドアノブなどの高頻度接触部位は0.05%次亜塩素酸ナトリウムあるいは70%以上のアルコールを用いて消毒する

 5.11 観客を入れての大会再開を行う場合は、以下の点を検討項目とし、その時点の状況に鑑 みてポリシーを決定する

   5.11.1 会場のキャパシティーに対する販売チケット数

   5.11.2 一部の座席の封鎖等観客が密接して着席しないようにするための施策

   5.11.3 観客入場の際の検温の実施の有無と方法

   5.11.4 運営関係者用のマスク、観客用消毒液の数量と確保方法

   5.11.5 消毒液の設置場所と管理方法

   5.11.6 売店や各種ブースの実施の可否と実施する場合の数、場所、運用方法

   5.11.7 選手によるファンサービスの実施方法

   5.11.8 観客に感染が疑われる事象が発生した場合の手順と隔離場所の確保

   5.11.9 上記の周知徹底方法

 

6. 大会の際の移動について

各参加チームの責任者、運営の責任者は、近距離で開催される大会の場合、可能な場合は宿泊を伴う移動は避けるなど、可能な限りチームの選手、スタッフ及び運営スタッフが不特定多数の人と接触しないような環境を整える努力をすることとし、下記のような点に留意する必要がある 

  6.1 参加者を必要と思われる者のみに絞り人数を最小化する

  6.2 自宅を出発する前に個々人に必ず検温し報告させることを徹底する

  6.3 可能な限り、公共交通機関での移動を避け、物理的に可能な場合個人の車による移動を検討する

  6.4 チャーターのバスを利用する場合は、運行会社と協力し、事前・事後に徹底的にバスを清掃・消毒するように手配し、余裕を持った座席数の確保や換気の徹底等の予防策を講じるようにする 

  6.5 公共交通機関で移動する場合も、各個々人に政府が推奨する感染予防策を徹底する

  6.6 ホテルでの滞在が必要な場合:

    6.6.1 滞在期間中にホテルの適切な場所に手指消毒ポイントを設置する

    6.6.2 到着前と出発時に全室が「徹底的に清掃」されるように手配する

    6.6.3 可能な場合は、すべてのチームメンバーに対して個別の部屋を手配し、移動してきた参加者全員がホテルの同じ階に宿泊するように手配し、食事やチームミーティングの時は専用のスペースを確保する

  6.6.4 食事の時間を調整して、共有のビュッフェスタイルの食事サービスの使用を制限するなど、食事の用意とデリバリーを手配する際は、感染を予防し、対策を講じる

  6.6.5 以上の他、事前に旅行会社、宿泊施設等と協力し、可能な限りの感染予防策を講じる

 

7. 対応期間

政府あるいは自治体等による、イベントの開催に関する制限がすべて解除された場合は感染拡大以前の通常の大会運用を再開することとする。

 

以上