「JAPAN TALENT SQUAD プログラム2025」参加メンバーはこちら


2月13日

将来の日本代表の育成を加速するためのプロジェクトとして昨年からスタートした「JAPAN TALENT SQUADプログラム」が、規模や期間を大幅に拡大して今年もスタートしました。


「JAPAN TALENT SQUAD プログラム2025」は、日本代表として世界の舞台で活躍するワールドクラスの選手育成を目指し、対象選手所属先の各高校・大学やリーグワンの各チームと連携して、選抜された23歳以下の選手を対象に、日本代表スタッフの高校・大学訪問などを含む、S&C(ストレングス&コンディショニング)や、メディカル、栄養面における年間を通したサポートを行います。


昨年度は、大学生が対象でしたが、本年度は高校生も対象選手に加わり、参加者が15名から50名へと大幅に増加したのも特徴です。また、トレーニング期間も大幅に拡大し、昨年の2日間から、2月から3月にかけて7回の合宿を行う他、4月にはU23日本代表として、オーストラリア遠征を行い、強度の高い3試合を行う予定となっています。


合宿は、一般には非公開となっていますが、2月13日(木曜日)には、メディアに向けた公開トレーニングが行われました。



合宿に参加した32名の選手たちに指揮を取るのは、日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)です。

なお、「JAPAN TALENT SQUAD プログラム2025」への参加選手は50名ですが、2月から3月にかけて行われる合宿への参加者は、コンディションの都合などで参加できない選手などを除いたベストの35名前後が選抜されることになっています。


コーチング・コーディネーターを務めるのは、麻田一平氏(日本代表スキルコーチ)。



この日公開されたトレーニングでは、エディー・ジョーンズHCから、素早くボールを動かすこと、前に出てディフェンスすること、素早いブレイクダウンへの集散など、超速ラグビーに必要なアクションを選手たちに求めました。



(2回目の合宿の初日で、ジョーンズHCが初めて参加した)「昨日のトレーニングよりも良い動きになっている」と

選手達を評価するジョーンズHC。確かな手応えがあった様でした。



ジョーンズHCは、練習後の記者会見で次のように語りました。


「JAPAN TALENT SQUADは、今年行っている最も重要なプログラムのひとつです。現在の世界のラグビーを見ても、トップ4チームとその他のチームの差はますます広がっています。成功しているチームは、若手選手の育成を加速させており、それは決して偶然ではありません



「日本には優れた高校ラグビーチームがあります。全国高校代表チームも競争力があり、2年前にはアイルランドに勝利し、昨年はイタリアに最後の1分で敗れました。このレベルでは、日本は十分に戦えています」



「しかし、高校を卒業した後の4年間、選手たちにはエリート育成の場がありません。大学ラグビーはレベルの高い大会ではありますが、エリート育成とは言えません」



「そこで、JAPAN TALENT SQUADでは、19歳から22歳の若手選手たちに、ハイパフォーマンスのトレーニングと、オーストラリアや日本でのハイレベルな試合の機会を提供しようとしています。それがこのプログラムの概要です」


「現時点ではまだ基礎段階ですが、たった2日間でも急激な成長を感じています。才能の不足が問題なのではありません。課題は、その才能を一貫してタフなプレーヤーへと成長させることです」



「現在、リーグワンでは、日本人選手のプレー時間が全体の50%未満です。そのため、大学生の才能に注目し、早期育成を進めることで、代表チームの選択肢を増やしていく必要があります」



「フォワードの成熟には時間がかかるため、まずはバックスの選手たちが大きなチャンスを得ることになるでしょう。今回の合宿でも、優れたハーフバック、ポテンシャルのあるスタンドオフやセンター、スピードのあるウィングが見られました」



「私は、選手たちに貪欲になってほしい。とにかくボールが欲しい、学びたい、という気持ちを持ってほしいのです。自ら積極的に動き、タフな選手になってもらうことが重要です」


JAPAN TALENT SQUADが真に優れたプログラムになるには3年かかると考えています。
昨晩、ヨーロッパ最強のチームであるレンスターLeinsterのデータを見ていました。彼らの選手の80%はレンスター・アカデミー出身です。さらに、ダブリンの16校ほどの高校が、その80%の選手を輩出しています。そして、そこからアイルランド代表へとつながっています」



「つまり、アカデミーの育成が成功すれば、世界最高のチームを作ることができるのです。

日本も同じことができるはずです。日本の才能を最大限に活かせる仕組みを作ることが重要なのです」


「もし、このプログラムから1人か2人でも日本代表クラスの選手を輩出できれば、日本代表の選手層は一気に厚くなります



まだまだ、プログラムも合宿も始まったばかりです。この中から、どの選手が代表選手へと羽ばたいていくのか、現時点では誰もわかりません。すぐに結果を出していく選手もいれば、時間をかけて成長していく選手もいることでしょう。



「アカデミーの育成が成功すれば、世界最高のチームを作ることができる」。この場から、一人でも多くの素晴らしいラグビー選手が育っていくことを期待していただければと思います。

皆様、応援よろしくお願いします!