さて、競技規則につきまして、ワールドラグビーよりこのほど、下記の通りルーリングに関する通達が出されました。日本協会でもこれを受け、ここに通知いたします。


明確化の要請

スクラムハーフがラックの最後尾の足より後方に位置し、手でボールを動かす行為は、ラックに関する競技規則に則ったプレーと解釈されるのでしょうか。

 

参照すべき競技規則の条項文:競技規則第 15 条 ラック

ラックにおけるオフサイド-15.4:各チームに、いずれかのラックの参加者の最後尾の足を通るトライラインと並行なオフサイドラインがある。そのポイントがトライライン上、または、トライラインの後方にある場合、そのチームのオフサイドラインはトライラインとなる。

ラックの最中⁻15.11:ラックが形成されたら、いずれのプレーヤーもボールを手で扱ってはならない。ただし、ラックが形成される前に立っている状態でボールに手を置くことができた場合を除く。

 

ラグビー委員会の指定メンバーによるルーリング

回答:

参照されている競技規則は、競技規則の一部を構成する「ラグビー憲章」と併せて読む必要があります。これらは、「プレーの継続性」と「ボール保持の継続性」との本質的な均衡を確立することを目的としています。ラグビー憲章では、ラグビーユニオンという競技においてこの両者が等しく重要であることが強調されており、「争奪」への言及が 9 回、「継続性」への言及が 8 回なされています。

 

本件の文脈においては、対象となっているラックは、すでにボールの争奪が終了し、ボールが確保された状態を示しています。その後、ハーフバック(またはその役割を担うプレーヤー)がプレーの継続性を確保するためにボールを動かしている状況です。

ご指摘の競技規則は、主としてボールの争奪に関する局面に焦点を当てています。しかしながら、マッチオフィシャルはラグビー憲章の趣旨も踏まえたうえで、競技規則を適用しなければなりません。

 

スクラムハーフ(またはハーフバック)の当該行為は、競技規則の文言上は違反に該当するようにも見えますが、実質的な影響を及ぼす不正なプレーとは認められません。そのため、マッチオフィシャルはプレーの継続性を重視し、競技を継続させています。

 

マッチオフィシャルに対しては、この考え方はボールの争奪が明らかに終了している場合にのみ適用されるべきであることを改めて周知します。

また、2024 年 3 月に示されたガイドラインにあるとおり、ラックにおいて「ボールがチームによって明確に確保され、プレー可能な状態となった時点」で、速やかに「ユーズイット」をコールすることも併せて徹底されるべきです。

これにより、追加のプレーヤーがラックに参加するための時間を減らすことができます。

 

ワールドラグビーには、このプレー局面について継続的に注視し、客観的なデータを収集・分析することを要請します。収集されたデータは、今後のラグビー競技のあり方に関する議論において幅広い検討材料として活用されるとともに、将来的な競技規則改訂の検討にも資するものと考えます。

 

 

通達対象:加盟協会、競技運営関係者、加盟チーム

文書作成:日本ラグビーフットボール協会 ハイパフォーマンス部門・国際室

 

本件についてのお問い合わせ先:

日本ラグビーフットボール協会 ハイパフォーマンス部門審判グループ(referee@rugby-japan.or.jp


添付資料

ルーリング 2026-2「競技規則第 15 条ラック」(競技規則の確認)【競技運営】