公益財団法人日本ラグビーフットボール協会は、女子ラグビーワールドカップ日本開催、オリンピックでのメダル獲得を見据え、世界を目指したい、成長したい、全ての高校1年生、2年生の女子ラグビー選手の「女子U17世代」の有望な人材の発掘と、育成を推進することを目的とし、「女子U17 TIDキャンプ」を、全国10ヶ所で実施いたします。
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6月14日(日)に、四日市メリノール学院高等学校において、「女子U17 TIDキャンプ 東海ブロック」を開催しました。
本キャンプは、将来の女子日本代表選手の発掘・育成を目的として、全国9ブロックおよび沖縄県を加えた全10会場で実施している女子育成事業の一環です。東海ブロックには41名の選手が参加し、高校からラグビーを始めた選手、競技経験の浅い選手、全国大会で活躍するトップレベルの選手まで、多様なバックグラウンドを持つ選手が一堂に会しました。
経験や競技レベルは異なるものの、「もっと成長したい」「世界を目指したい」という共通の思いのもと、選手たちは積極的にチャレンジし、お互いに刺激を受けながら充実した一日を過ごしました。
1.世界基準を学ぶプログラム
東海ブロックでは、近畿・中国ブロックと同様に、
・世界基準を知る
・自分の強みを知る
・日本代表を目指すために何をするかを考える
という3つのテーマを軸にプログラムを実施しました。
午前中はグラウンドセッションを中心に、世界で戦うために必要となる「強度」と「密度」を意識したトレーニングを実施しました。

オフザボールでの動きやリロード(次のプレーへの準備)、コンタクト、フットワーク、サポート、コミュニケーションなど、一つひとつのプレーを「世界基準」で考え、単なる技術習得ではなく、なぜそのプレーが必要なのかを理解しながら取り組みました。

また、セッションの合間には、自分自身のプレーを振り返り、ペアで共有する時間を設けました。「今日成長できたこと」「改善すべきこと」「次に何へ挑戦するか」を言語化することで、自ら考え、自ら成長する姿勢を育むことを目的としました。
ミーティングでは、食事・睡眠・リカバリーなどのコンディショニング、目標設定、自分の強みを磨くことの重要性についても共有し、「オフザボール」「オフザフィールド」の両面から競技力向上について学びました。

2.初心者から全国トップレベルまでが互いに刺激を受ける環境
東海ブロックの特徴は、多様な競技歴を持つ選手が同じ環境で学んだことです。
ラグビーを始めたばかりの選手にとっては、高いレベルのスピードや判断、コミュニケーションを肌で感じる貴重な機会となりました。
一方で、全国大会優勝経験を持つ選手や強豪校でプレーする選手にとっても、自分自身のプレーや普段の取り組みを見直し、新たな気づきを得る機会となりました。技術レベルに関係なく、互いに声を掛け合い、励まし合いながら取り組む姿が数多く見られたことは、東海ブロックキャンプの大きな成果の一つでした。
3.アンケートから見えた高い教育効果
キャンプ終了後には29名の選手からアンケート回答がありました。
その結果、
・キャンプ全体の充実度 100%
・参加して良かった 100%
・ 学びや気づきがあった 100%
・コーチの説明が分かりやすかった 100%
という非常に高い評価を得ることができました。
さらに、
また参加したい 96.6%
さらに高いレベルを目指したい 96.6%
という結果となり、本キャンプが選手たちの競技意欲や向上心を大きく高める機会となったことが確認されました。また、「コーチに話しかけやすかった」という項目でも86.2%が肯定的に回答しており、選手が安心して質問や相談ができる環境づくりにつながったと言えます。
4.最も印象に残った学びは「リロード」
自由記述の分析では、最も多く挙げられたテーマは「リロード・次のプレーへの準備」でした。
29名中22名がリロードについて記述しており、「リロードを速くすることで前を見る余裕ができる」
「次のプレーへ素早く関わることの大切さが分かった」「一つの緩み、一人の緩みが失点につながるという言葉が印象に残った」などの回答が寄せられました。単なるフィットネスや動作としてではなく、ゲームをコントロールするための重要な考え方として理解していることがうかがえました。
5.主体性や世界基準への意識も向上
自由記述では、リロード以外にも、
・目標設定・主体性・挑戦(21名)
・スピード・強度・集合(12名)
・ 世界基準・日本代表(11名)
・心理面・ポジティブな言葉(11名)
・フットワーク・コンタクト(10名)
・食事・睡眠・リカバリー(9名)
・コミュニケーション(9名)
など、多岐にわたる学びが確認されました。
特に、「世界基準」という言葉が印象に残った選手が多く、日本代表や世界トップレベルのプレーを身近な目標として捉え始めている様子が見られました。
また、「目標を持って練習することの大切さ」「自分の強みをもっと磨きたい」「挑戦することを恐れない」といった主体性に関するコメントも多く見られ、技術だけでなく競技者としての姿勢にも大きな変化が生まれていました。

6.オフザフィールドの重要性を再認識
今回のキャンプでは、グラウンドでのプレーだけでなく、日常生活の過ごし方についても重点的に取り上げました。
アンケートでは、
「食事を見直したい」
「睡眠を改善したい」
「補食を意識したい」
「リカバリーをしっかり行いたい」
など、競技力向上につながる生活習慣について多くのコメントが寄せられました。
選手たちは、「食べたもので身体はつくられる」という考え方や、オフザフィールドの行動がグラウンドでのパフォーマンスにつながることを理解し、競技者として必要なセルフマネジメントについて学ぶ機会となりました。
7.明日からの行動へ
アンケートでは、
「リロードを速くする」
「練習に目標を持つ」
「もっと声を出す」
「睡眠を改善する」
「自分の強みを伸ばす」
など、キャンプ後に取り組みたい具体的な行動目標を記述した選手が多く見られました。
また、
「もっとレベルアップして来年も参加したい」
「日本代表を目指して頑張りたい」
「世界を目指すために日頃から意識を変えたい」
という声も多く、本キャンプが選手たちの将来へのモチベーション向上につながったことが確認されました。
世界との差は特別な才能だけではありません。
リロードの速さ、コミュニケーション、食事、睡眠、目標設定など、一つひとつの日常の積み重ねが世界基準につながることを、選手たちは実感した一日となりました。
8.日本女子ラグビーの未来へ
東海ブロックキャンプでは、初心者から全国トップレベルの選手までが同じフィールドで学び、それぞれが自分自身の現在地を確認し、新たな目標へ向かう第一歩を踏み出しました。
今回得た学びを所属チームへ持ち帰り、日々のトレーニングや生活の中で実践を積み重ねることで、将来、日本代表、そして世界で活躍する選手へと成長していくことを期待しています。
最後に、本キャンプの開催にあたり、多大なるご協力をいただきました四日市メリノール学院高等学校の皆様をはじめ、東海ブロックの関係者の皆様、運営を支えてくださったスタッフの皆様、そして選手を送り出してくださった保護者ならびに所属チームの皆様に心より感謝申し上げます。
日本ラグビーフットボール協会では、今後も全国各地で女子U17TIDキャンプ事業を展開し、日本女子ラグビーの未来を担う選手の発掘・育成に取り組んでまいります。


