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RWC2007
日本代表イタリア戦キャンプリポート
日本代表は、8月12日、ワールドカップ前のキャンプ地であるイタリアのアオスタへ。この地で18日にイタリア代表とテストマッチを、そして25日にポルトガル代表とトレーニングマッチを行ない、9月7日のワールドカップ開幕を迎えます。

●8月17日(金) aosta, ITALY

イタリア合宿6日目。イタリア代表戦を翌日に控えた日本代表は、キャプテンランを実施し、試合に向けた最終調整を行いました。

メンバー外の選手たちは、午前中にウエイトとユニットトレーニング、午後にグラウンドでトレーニングを行い激しい練習をこなしました。練習を終えた選手たちが見守るなか、明日出場する22名のキャプテンランが始まりました。

イタリア戦に出場しない選手たちはしっかりと汗を流した ラックスキルのトレーニング。より高いレベルを目指し激しいものとなった DFラインは、狭すぎず、広すぎず アタックは仕掛けて崩す
イタリア戦に出場しない選手たちはしっかりと汗を流した   ラックスキルのトレーニング。より高いレベルを目指し激しいものとなった   DFラインは、狭すぎず、広すぎず   アタックは仕掛けて崩す

午後6時からスタートしたキャプテンランは、箕内キャプテンがリードし、試合で起こりうる様々な場面を想定し、フォーメーションの確認や、セットプレーのオプションなどを重点的にチェックしました。時間は、長くはありませんでしたが、闘志を内に秘め、集中力の高いキャプテンランとなりました。

練習後も、FW陣はラインアウト、BKがラインアタックを確認するなど、最後まで調整に余念がありません。
18日、18時(日本時間19日午前1時)イタリアの地で、日本代表のスタイルを貫き、低く・激しいタックルでイタリア代表に勝利を収めます。日本で応援してくださるすべての方々に、良い報告ができるよう頑張りたいと思います。日本代表の応援をよろしくお願いいたします。

アタックチームにはカーワンHCも参加 Capランのスタートは、大小のグリッドを使い体を温め、気持ちを盛り上げる 試合の各場面を想定し、様々なオプションをチェック テストマッチでは、ラインアウトなどのセットプレーが鍵となる
アタックチームにはカーワンHCも参加   Capランのスタートは、大小のグリッドを使い体を温め、気持ちを盛り上げる   試合の各場面を想定し、様々なオプションをチェック   テストマッチでは、ラインアウトなどのセットプレーが鍵となる


◎ジョン・カーワンヘッドコーチ

「今日のキャプテンランは非常に良かった。明日の試合では、今のJAPANのレベルを知ること。そして、ファイナルステージで結果を残すための課題が見つかることが大切です」

箕内キャプテンを中心に円陣が組まれ、試合の準備は整った
箕内キャプテンを中心に円陣が組まれ、試合の準備は整った


◎箕内拓郎キャプテン

「明日の試合に関しては、選手が緊張しているのかもしれません。それは、ワールドカップ前で結果を残したいという気持ちとか、けがをしていた選手にとっては、半年ぶりの試合になります。そういった部分が少し出ている気がします。移動の疲れという部分に関しては、体のマネジメントはスタッフが管理してくれていますので、コンディションは非常に良いです。明日の試合では、イタリアどうこうというのではなく、我々がこれまで練習でやってきたを出したいと思います」

●8月16日(木) aosta, ITALY

イタリア合宿5日目。本日の日本代表のチームの活動はオフ。各々、休養にあてました。
それでも、FWがホテル前の駐車場でラインアウトを合わせたり、試合メンバーがウエイトトレーニング等を行ったりと、しっかりと試合に向けて調整をしていました。

午後には、一部のスタッフが試合会場のStadio Perrucaを視察しました。場所は、我々が滞在しているホテルから30分ほどのSaint Vincentの街にある競技場です。ここには、大きなカジノがあり、このカジノがスポンサーとなってこの試合を誘致したようです。イタリア協会のHPには、カジノでポーカーを楽しむイタリア代表の選手の様子が紹介されています。
グラウンドは、キャパシティーが1000~1500名程度収容の非常に小さなスタジアムです。芝生の状態も決して良いとはいえません。しかし、これを言い訳とせず、残り2日間でしっかりとした準備をして、試合に臨みたいと思います。

チームは、明日、キャプテンランを実施し、イタリア代表戦に向けた最終調整を行います。

試合会場のStadio Perruca
試合会場のStadio Perruca

●8月15日(水) aosta, ITALY

イタリア合宿4日目。合宿地のアオスタは、本日も快晴でした。
今日の日本代表は、当初予定していた午前中のトレーニングをキャンセル。理由は、前日の練習における選手たちの動きが鈍く、まだ移動の疲れが見えることからの判断でした。よりリフレッシュして集中したトレーニングをさせたいとの配慮からの休養となりました。
プールでリカバリーをしたり、マッサージを受けたりと体のケアをして午後のトレーニングに備えました。

しっかりとしたウォーミングアップがよいパフォーマンスを生む ディフェンスのギャップに走りこむCTB大西 素早くノミネートし、ラインを押し上げる ビデオで撮り、すぐに確認
しっかりとしたウォーミングアップがよいパフォーマンスを生む   ディフェンスのギャップに走りこむCTB大西   素早くノミネートし、ラインを押し上げる   ビデオで撮り、すぐに確認

そして、スタートした午後のトレーニングは、集中力の高い、非常に質の高いものとなりました。
ウォーミングアップでは、マーティン・ヒュルメ コンサルタントと太田正則コンディショニングコーチが中心となり、ランニングフォームを整えながら、体を温めていきました。これにより、スムーズにこの後のトレーニングに移行できるようになりました。
W-Upの後は、前日同様3つのステーションを回るスキルローテーションを実施。日本代表が世界と戦う際に重要な要素になる3つのファクター(ラック・ラインAT/DFスキル)の向上に努めました。

その後、ユニットに分かれ、FWはラインアウト、BKはラインアタック・ディフェンスのトレーニングを行いました。FWのラインアウトは、常日頃からミーティングを重ねて日本独自のラインアウトシステムの構築を目指しています。より早く、高いラインアウトを目指し、各ポジションのスキルトレーニングから、2チームでのアタック・ディフェンスまで、途中VTRで確認しながら、入念に行われました。
BKのラインアタック・ディフェンスでは、アタックにおけるポジショニング・判断・アングル、ディフェンスにおけるラインスピード・ディフェンスシステムなどを流れの中で確認しながらのセッションとなりました。

最後は、昨日も行ったチームアタック・ディフェンスを実施。昨日とはうって変わった内容のあるものとなりました。若干のミスはあるものの、それぞれのファクターにフォーカスすると非常に質の高いプレーが多く見られました。両チームとも、激しく粘り強いディフェンスを見せ、意識の高さが伺えました。
直後の円陣では、グラントBKコーチが「これが、我々が目指す世界レベルのトレーニング。これを続けていこう。でも、俺たちはもっとできる。もっともっと高めていこう」と選手たちに熱く語りかけ、練習を終えました。

16日は、チームのトレーニングはオフ。しっかりと体を休めてイタリア戦に向けて調整していきます。

全員で分析 ラインアウトの精度も上がってきた セットプレーからのディフェンスに備える 集中した非常に質の高い練習が行われた
全員で分析   ラインアウトの精度も上がってきた   セットプレーからのディフェンスに備える   集中した非常に質の高い練習が行われた

●8月14日(火) aosta, ITALY

イタリア合宿3日目。ここアオスタは前日の夜降った雨の影響か、気温が下がり非常に過ごしやすい一日となりました。本日から、日本代表はグラウンドでのトレーニングを開始しました。

午前中は、FW・BKともにグラウンドトレーニングとウエイトトレーニングを交互に実施しました。FWは、グラウンドでスクラム強化に努めました。ギブスFWコーチが求めるのは、8人一体となった攻撃的なスクラム。相手にリスペクトされるようなスクラムです。それを実現するべく、ウォーミングアップ直後からしっかりと組み込みました。まずは、スクラムマシーンを使い、8人で当たる意識とインパクトを確認し、8対8のライブスクラムに入りました。ライブスクラムでは、互いのチームの意地の張り合いとなり、激しいスクラムとなりました。1時間ほどのスクラムセッションでしたが、非常に緊張感のあるトレーニングとなりました。

四方を山々に囲まれたアオスタでの初練習 低く、シャープなスクラム しっかりとコミュニケーションをとりながら、さらに良いスクラムを目指す ラックからの素早い球出しでテンポを上げる
四方を山々に囲まれたアオスタでの初練習   低く、シャープなスクラム   しっかりとコミュニケーションをとりながら、さらに良いスクラムを目指す   ラックからの素早い球出しでテンポを上げる

BKは、パスなどのスキルとディフェンスをつけた形でのラインアタックを行いました。パススキルでは、パンチパスから始まり、狭いスペースの中でのクイックパスなどを繰り返し実施しました。攻撃のテンポを上げたり、ラインスピードを上げるためにもパスの正確性は重要なファクターとなるため、基本から実戦までしっかりと取り組みました。ラインアタックでは、オプションの選択。コース取りなどのトレーニングを、ディフェンスをつけて行いました。

午後は、チーム全体でのトレーニングを実施。ウォーミングアップで体を温めた後、スキルローテーションで、アップフィールドラック、ラインディフェンス、ラインアタックを行い、それぞれのスキル向上に努めました。
その後、グループを2つに分け、ランナーシステムとラックテクニックを実施。ランナーシステムでは、ディフェンスをつけたアタック・ディフェンス形式で行いました。ラックテクニックでは、アジア・バーバリアンズ戦で課題となったラックでのスキル(頭を上げることや判断)を養いながら、実際に体を当てる激しいトレーニングとなりました。
最後に、チームアタック・ディフェンスを実施。随所に好プレーも見られましたが、簡単なミスも多く、コーチングスタッフが求めているレベルとはかけ離れていたため、練習後、カーワンヘッドコーチからは激しい檄が飛びました。
「今日の練習内容は受け入れられない、しっかりと気持ちを入れ替えて明日の練習に臨んでほしい」と語り練習を終えました。練習後は、しっかりと個人練習で各々の課題克服に努めて初日の練習を締めくくりました。

イタリア戦を4日後に控え、限られた時間の中で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、集中して練習に取り組まなければなりません。明日から、気持ちを新たにトレーニングを行っていきます。引き続き、日本代表へのサポートをよろしくお願いいたします。

しっかりと前を向いて仕掛ける 頭を上げてラックに入る ディフェンスは相手をノミネート アングルを変えて走りこむ
しっかりと前を向いて仕掛ける   頭を上げてラックに入る   ディフェンスは相手をノミネート   アングルを変えて走りこむ

ボールキャリアーに対し、厚みをもったディフェンスを ラインアウトなどセットプレーの精度を上げる 練習後は、アイシングとストレッチで疲れを翌日に残さない
ボールキャリアーに対し、厚みをもったディフェンスを   ラインアウトなどセットプレーの精度を上げる   練習後は、アイシングとストレッチで疲れを翌日に残さない

●8月13日(月) aosta, ITALY

イタリア合宿2日目。昨日深夜にイタリア・アオスタに到着した日本代表、本日は練習をせず、移動の疲れを癒すことに努めました。

ここアオスタは、フランスとスイスの国境に程近い山間の街。世界七大陸最高峰の一つモンブランを筆頭に、4000m級の山々に囲まれています。気候は、日中の最高気温が25℃前後と非常に過ごしやすく、避暑地としても有名で、多くの方がバカンスに来ているようです。

ここで、一週間の合宿を行い、イタリア代表とのテストマッチを行う日本代表。まず初日は、フライトリカバリーに当てました。午前中は、完全にオフとしてゆっくりと体を休めました。午後からは、全体ミーティングを行い、アジア・バーバリアンズ戦のレビューを実施。良かった点や、改善点などを映像を使って示しました。カーワンヘッドコーチからは、「今回のような試合をやっていたら、ワールドカップでは戦えない。自分たちのポテンシャルを信じ、絶対に今以上いいラグビーができるという強い気持ちを持って明日からの練習に取り組もう」と選手たちに語り掛けました。

その後は、プールリカバリーとストレッチポールを使って体を解し、一日を終えました。
明日から、本格的にトレーニングを開始します。

舞台はイタリアに。全体ミーティングで10日の試合をレビュー
舞台はイタリアに。全体ミーティングで10日の試合をレビュー

●8月12日(日) aosta, ITALY

前日、東京で壮行会を終えた日本代表は、12日、成田空港を出発し、イタリアへと向かいました。
途中、パリで乗り継ぎ、イタリア・トリノに到着したのは、夜10時。そこから、バスにて合宿地であるアオスタに入りました。結局、すべての選手がチェックインを済ませたのは、日付を超えた午前0時(日本時間の午前7時)。丸一日移動していたことになります。これには、さすがの選手たちも疲労困憊。用意されていた夜食も簡単に済ませ、各々、ベッドに入りました。

13日は、基本的にはオフ。夕方にプールリカバリーで長時間の移動の疲れを癒します。
今週末には、イタリア戦が控えています。いよいよ臨戦態勢に入った日本代表。ワールドカップを見据え、一戦一戦大切に戦っていきます。
これからも応援をよろしくお願いいたします。