全国大学選手権2回戦第1試合は、帝京大学を1PG差で下し勝ち進んだ京都産業大学と、福岡大学をシャットアウトでおさえて勝ち上がった法政大学との間で行われた。

試合前、グラウンドを縦に使いたい京都産業大学と、広く使いたい法政大学と対照的なゲーム展開が予想された。

試合は、前半5分法政大学がゴール前30m左中間ラックから得意のBK攻撃でFB坂本が左中間に先制トライしゲームが動いた。京都産業大学も9分SH田中がゴール前5m右中間ラックから回り込み右中間にトライ、左WTB徐のゴールも決まり7-5と逆転した。法政大学はその後もBK攻撃で17分、25分とトライを挙げ7-15とリードを広げる。京都産業大学も得意のFW攻撃で29分ゴール前5m左ラインアウトからモールを押し込みFL橋本にトライ、徐のゴールも決まり14-15とじりじりと追い上げ、34分ゴール直前のラックから、SH田中からSO大熊に回し左隅にトライを決め19-15で前半を折り返した。
法政大学は、後半開始早々2分に1年生SOの文字がPGを決め19-18の1点差とし、8分に自陣22m左中間ラックからSH成田→SO文字→CTB大村と右に展開し、京都産業大学のディフェンスを振り切り、最後は右WTB西条が逆転のトライを挙げ19-23で主導権を握ると思われた。その後20分程度、法政大学は京都産業大学のFW攻撃で自陣に釘付けにされ、ついに26分、タッチキックをチャージダウンされ、右PR山下にインゴールで押さえられゴールも決められ24-23とシーソーゲームの様相となった。

後半の終盤35分、法政大学はゴール直前の右中間ラックからNO8竹中が右中間に飛び込み逆転のトライを挙げ26-28とするが、京都産業大学も39分ゴール前38m右中間から徐がPGを決め29-28、最後は、法政大学がロスタイムで力尽き、京都産業大学、途中入替のキャプテン小西に右中間にトライを決められ、36-28で試合は決した。FW戦を制し、ディフェンスが崩れなかった京都産業大学がGKを確実に決め国立競技場に駒を進めた。

京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学
 

武村監督(左)、友井川主将
武村監督(左)、友井川主将

 

京都産業大学 36-28 法政大学(12月24日)

◎法政大学
○武村秀夫監督
「FWの強化ができず終いだったことが響いた。ただ悔しいの一言であり、他の言葉が見つからない。これまで6年連続ベスト4だったが。すべて指導陣の責任である。数日前スクラムの核である山内(雅延:3年)が、肉離れで戦線離脱してしまったことが痛かった。 スクラムに不安があるため、早い球出しでBK勝負というゲームメイクだったが、肝心のスクラムが最後まで安定しなかった。強い京都産業のプレッシャー下、FWの球出しが遅れたのがすべて。FWプレーは京都産業が優勢と覚悟していたが、1回戦(v帝京)で出来の悪かったラインアウトが完璧に近かったことが誤算と言える。(相手ラインアウト時の)プレッシャーについては、場面によって違うが、簡単に捕らせ過ぎだったかもしれない」

○友井川拓主将
「BKへの展開勝負に持ち込めなかったことが敗因。持てる力を出し切れず、悔いの残るゲームだった」

京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学
 

大西監督(右)、小西主将
大西監督(右)、小西主将

 

◎京都産業大学
○大西健監督
「久々の国立切符(ベスト4)であり、感激している。"これしかない"勝ち方だ。今日のゲームで法政の強さを再認識したが、FWが、足が止まる後半の最後でよく踏ん張った。キャプテンの小西は負傷箇所が完治しておらず、今日はベンチスタートになったが、最後(後半37分入替出場)でいいインパクトプレーヤーになってくれた。準決勝は先発で頑張ってくれるだろう。
(キッカーのWTB11徐について)昨年大会の1回戦(v慶應義塾)でコンバージョンを決めれば同点の場面で外し、その雪辱とばかり今年は練習を重ねてきたが、関西リーグでは不調だった。今週はホンダ(三重)グラウンドで合宿していたが、OBの廣瀬(トヨタ自動車)がオフを利用して、顔を出してくれた。その際、徐が貰ったアドバイスから、手応えを感じたのではないか。今日は要所でよく決めてくれた。(97年度以来)7回目のベスト4だが、"京産大らしい"いいラグビーを展開したい」

○小西賢一主将
「法政BKの強さとスピードに対抗すべく、FWが力勝負にこだわった結果が結実した。まず目標であった国立に立てることについて、仲間やスタッフ皆に"ありがとうございます"と言いたい」

京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学 京都産業大学 36-28 法政大学

 

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