IRBパシフィック・ファイブ・ネーションズ

6月30日(金)

フィジー戦直前合宿5日目。翌日にフィジー戦を控え、3月末のフランス合宿から、ここまで約3ヶ月の代表活動の最後の練習を近鉄花園ラグビー場で行いました。
今日の練習はチームラン。練習前に、皆を集め大野主将が「今日がこの28名でできる最後の練習。28人でしっかりとした練習をして、全員で明日の試合を戦おう。そして絶対に勝とう」と話し、プッシュアップコール"1・2・3"を全員でコールして練習がスタートしました。

練習の最初と最後はプッシュアップコール グリッドトレーニングで体を温める
練習の最初と最後はプッシュアップコール グリッドトレーニングで体を温める

チームランでは、自陣ゴール前から敵陣ゴール前までの様々な地域から、その局面での展開を想定し、攻撃を組み立てていきます。例えば、自陣であれば、陣地を回復するためにキックを使うわけですが、そのキックがSHからなのかSOからなのか等を確認していきます。
エリサルドヘッドコーチからも細かな指示が飛び、オプションの精度を上げていきました。
特にゴール前の攻撃選択に関しては入念に行われ、得点を取るためのオプションを繰り返し確認しました。

わずか1時間足らずの練習でしたが、激しさ・集中力のある、これまでの代表活動の集大成となった練習でした。
夕食後には、チーム全員でのミーティングが行われ、これまでのチームのキーワードである"プレッシャー"、"チャレンジ"に、"信頼"と"プライド"が加えられました。明日のフィジー戦、選手・スタッフ一丸となって戦っていきたいと思います。

サポーターの皆さん、ぜひ明日はスタジアムで共に戦いましょう。そして勝利の瞬間を共有しましょう。

ラグビバにて、フィジー戦に出場する選手のコメントを掲載しています。


◎大野均キャプテン

「ここまで4試合連続のテストマッチで一戦一戦感じてきた手応えを結果として出したい。このチームで勝って終わりたいと思います」

セットプレーの安定は不可欠 ディフェンスの確認をする
ディフェンスの確認をする 攻撃的なディフェンスでラインを押し上げる

ラインで押し上げるディフェンス 大野選手と共にFWを引っぱる木曽選手
ラインで押し上げるディフェンス 大野選手と共にFWを引っぱる木曽選手

6月29日(木)

フィジー戦直前合宿4日目。本日も近鉄花園ラグビー場で練習を行いました。大阪は快晴。容赦なく照りつける太陽の下での練習となりました。

ストレッチで体をほぐす ラダーで筋温を上げる
ストレッチで体をほぐす ラダーで筋温を上げる

ラダーを使ったウォーミングアップから練習がスタート。筋温を効率よく上げていき、合間にストレッチを入れて、体をほぐしスムーズにトレーニングに移行できるように体を動かします。

W-upの後に選手を集め、フィジー戦に臨む22名が発表されました。

メンバー発表時に、自分の下した判断に迷わないこと。たとえその場の判断が正しくなくても迷わずプレーし、そのプレーを皆でカバーしていくようにと選手たちに伝えられました。迷うことで、プレーが一瞬遅れます。その迷いが大きな損失をもたらす可能性があるということからです。

メンバー発表後、FW・BKユニットに分かれ、FWはラインアウト、BKはコードプレーの確認を行いました。FWはオールブラックス・ジュニア戦で課題となったラインアウトの安定を目指し、様々なオプションを確認しました。特にフィジー代表は日本でプレーする選手も多く、日本語を理解している選手もいますので、そういった部分も考慮に入れて練習を繰り返しました。永田コーチからは、リフター・ジャンパーのコンビネーションをしっかりとし、最高到達点でキャッチすることが指示されました。

安藤選手が攻撃を組み立てる 攻撃的なディフェンスでラインを押し上げる
安藤選手が攻撃を組み立てる 攻撃的なディフェンスでラインを押し上げる

BKは、スクラム・ラインアウトのセットプレーからのコードプレーを確認。SO安藤選手を中心に、様々なサインプレーを駆使し、ラインの深さ、広さを調整しながら練習を繰り返しました。その後、キックドリルをこなしました。

練習の最後に、これまでのディフェンスから、さらに前に出る激しいディフェンスを目指してディフェンスの確認を行いました。

大野主将が「この28人で一緒にラグビーができるのは後1試合、2日間しかない。悔いの残らないようにプレーし、絶対に勝とう」と全員に話し練習を終えました。

練習終了後、ラインアウトの確認やキックをしていたところ、ヘッドコーチから集合の声が掛かり集まると「今日の練習が試合48時間前の練習なのか?本当に試合をする気があるのか?試合に向けて切り換えろ!」と一喝されました。気が緩みがちになったチームへの激に、大野選手を中心にプッシュアップコールをして、一同気合を入れなおしました。

明日、最後の練習を行い、チーム一丸となってフィジー戦に臨みます。

一気に仕留める ラインアウトの安定が不可欠
一気に仕留める ラインアウトの安定が不可欠

最高到達点でキャッチ サインを確認するFW陣
最高到達点でキャッチ サインを確認するFW陣

6月28日(水)

フィジー戦直前合宿3日目。近鉄花園ラグビー場で午前・午後と練習を行いました。今日の大阪は真夏日。曇り空ながら気温も高く、何よりもまとわりつくような湿度の中での練習となりました。

入念にストレッチを行う ディフェンスはラインで押し上げる
入念にストレッチを行う ディフェンスはラインで押し上げる

状況によってラックのスタイルを変える 暑さのなか激しい練習が行われた
状況によってラックのスタイルを変える 暑さのなか激しい練習が行われた

午前中の練習は、久々のグラウンドでのトレーニングということで、ウォーミングアップ(以下=W-up)では入念に体を温めました。軽く体を動かしただけで、一気に汗が噴き出します。脱水症状を防ぐためにも水分をこまめに摂取しながら練習が進みました。

W-up後は、15対13のジェネラルプレーを実施。ディフェンスとアタックの方向性を確認しました。ディフェンスに関しては、サモア戦、オールブラックス・ジュニア戦でのディフェンスの精度をさらに上げ、80分間途切れないディフェンスを目指すこと。攻撃に関しては、ボールキャリアーとサポートプレーヤーとの関係、状況に応じたオプション選択を明確にすることなどを目的として行われました。

なかなか、体が思い通りに動かないにもかかわらずアタック・ディフェンス共に随所に好プレーが生まれ、より一層選手の理解度が上がっていることが感じ取れました。

午後は、選手の体調を考慮しスタート時間を30分遅らせて練習をスタート。午後もしっかりと体を動かしました。W-upでは、状況に応じてディフェンスラインを整えることを目的としたドリルも組み込まれ、体を温めながらいまや我々が世界と戦う上で生命線であるディフェンスの整備に余念がありません。

W-up後、再び15対13を実施。午前に引き続きアタック・ディフェンスの精度を上げるべく練習が行われました。

最後はユニットに分かれ、FWはスクラム、BKはキックドリルを行いました。FWのスクラムは8対8のライブで組まれ、オールブラックス・ジュニア戦でターンオーバーを勝ち取った攻撃的なスクラムをさらに進化させるため、仕掛けの早さ・8人で組むことを意識して組み込みました。BKはキックを一つのオプション、パスとして正確に使うことができるように、数種類のドリルをこなし練習を終えました。

午前・午後とも選手たちは、練習終了後にアイスバスにて疲労除去に努めました。これは、メディカルスタッフからの提案で、乳酸の除去、高くなった筋肉の温度をより早く下げ効果的なパフォーマンスを生むことを目的として行われています。この2週間の厳しい遠征で大きなけが人がなく、選手全員が練習に参加できているのは、田島ドクター、渡邉・櫻井両トレーナーのメディカルスタッフの献身的なサポートの賜物です。選手が最大限のパフォーマンスができるよう昼夜問わずケアをしてくれています。

明日は、いよいよフィジー戦のメンバー発表です。残り一試合、ホームの日本で勝利を収めたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いします。

パスアウトと同時にプレッシャーをかける ディフェンスラインはしっかりノミネート
パスアウトと同時にプレッシャーをかける ディフェンスラインはしっかりノミネート

スペースに走りこむ インサイドブレイクに注意する
スペースに走りこむ インサイドブレイクに注意する

様々なオプションを使う さらなる安定を目指し組みこんだスクラム
様々なオプションを使う さらなる安定を目指し組みこんだスクラム

アイスバスで疲労回復に努める三宅選手
アイスバスで疲労回復に努める三宅選手

6月27日(火)

昨日ニュージーランドより帰国した日本代表は、早速、移動時の疲労を取り除くためにトレーニングを開始しました。

今日のトレーニングは、プールリカバリーとウェイトトレーニングを実施。移動の疲れを軽減し、速やかにグラウンドのトレーニングに移行できるように体を徐々に起こしていきます。また、この暑さにも徐々に慣れるように汗を出し、体を順応させていく目的もあります。

移動時は、口々に「暑い、暑い」といっていた選手たちも、トレーニングに入れば一気に集中力が増し、積極的に体を動かしていました。フィジー戦まで残り3日。日本のファンの皆さんの前で、ニュージーランド遠征で成長した姿を見せたいと思っています。応援よろしくお願いします。明日は、近鉄花園ラグビー場で午前・午後と練習を行います。

トレーニングに励む選手たち
トレーニングに励む選手たち

大道ストレングスコーチの説明をきく
大道ストレングスコーチの説明をきく

今日は主に上半身と体幹を強化
今日は主に上半身と体幹を強化

6月26日(月)

6月24日(土)のオールブラックス・ジュニア戦を終えた日本代表は、翌25日(日)早朝8時にダニーデンを出発し、オークランドへ移動しました。オークランドではフリーとなり、一同ショッピングなどを楽しみました。夕食は、チームディナーとし全員で中華料理を食しました。冒頭、太田GMから「長い遠征でしたが大きなけが人もなく終えることができ、二連敗とはなりましたが、チームも一回り成長することができました。残り一試合、何としてでも勝利を収め良い形で春シーズンを終えましょう。お疲れ様でした」との挨拶があり、チームディナーがスタート。久々に食べる中華に箸もすすみ会話も弾み、楽しい会となりニュージーランド遠征を終了しました。

26日(月)早朝6時、ホテルよりオークランド空港へ移動。空港で成田空港・関西空港の2手に分かれニュージーランドを後にしました。
日本時間午後4時過ぎ、ほぼ同時刻に日本に無事帰国しました。関空着のグループはそのまま大阪市内のホテルへ。成田空港着のグループは成田から伊丹空港に移動し、午後9時過ぎホテルへ到着しました。

真冬にNZから梅雨真っ只中の日本へ。到着時に感じたのは暑さと湿度の高さ。試合までの4日間で試合に向け準備しなければなりません。選手たちには、体をなるべく早く順応させるため、メディカルチームから部屋のクーラーは28度以下にはしないこと、水分を多めに摂取すること、などの注意点が伝えられました。
春シーズン最終戦なんとしてでも勝利し、11月の最終予選に繋げていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。明日は、午前中にプールリカバリーとウェイトトレーニングを行います。