ラグビーの傷害予防の権威、NZオタゴ大・P.ミルバーン博士を招聘
「安全性対策」をテーマに約30名が参加

  勝田ディレクター
勝田ディレクター

ミルバーン氏
ミルバーン氏

2006年3月12日(日)、「2006 JRFU医科学委員会・AIR(アジアン・インスティチュート・オブ・ラグビー)合同カンファレンス」が、日本ラグビーフットボール協会 ジャパンクラブにて開催されました。
当日は両組織委員約30名が参加。ラグビーのより一層の普及・発展の大前提となる「安全性対策」をテーマにプログラムが構成され、スポーツ医学の専門家である各担当委員からのプレゼンテーションのほか、様々な意見や情報交換を実施しました。また、今回のカンファレンスにおける成果は、AIRの重要な使命であるアジアラグビーの発展に向け、今後、加盟アジア各国への情報提供などとして行なう予定です。

同カンファレンスでは、まずAIRディレクター・勝田 隆より、「AIRのミッション」についての説明があり、続いて特別ゲストとして招聘したニュージーランド・オタゴ大学助教授のピーター・ミルバーン博士より、メイントピックとして「ラグビーにおける脊損・頸損傷害は防止できるのか」と題したプレゼンテーションが行われました。ミルバーン氏は、同大学の「ラグビー研究ユニット」の責任者を務め、またニュージーランドでラグビーによる傷害事故の裁判にも関わるなど、スポーツ医学におけるラグビーの安全対策分野の権威です。同プレゼンテーションでは、各種研究や実験データに基づく傷害が起こるメカニズム、コーチングやレフェリングを通じた防止策の考察、防具の発展がもたらす弊害などが詳しく紹介されました。

そして、AIR・ラグビー・アナリストの佐々木康、医科学委員会科学情報担当の古川拓生両委員より、リーグ創設から3年が経過したトップリーグに関して「トップリーグ分析と国際情報」、また、医科学委員会の赤間高雄委員より「アンチドーピング」、同・古谷正博委員より「熱中症対策」に関するプレゼンテーションが行なわれました。また、プログラムごとに活発な質疑応答や意見交換が行なわれ、ラグビー競技における安全性の確立に向けた様々な有効施策の実施に向け、非常に意義あるカンファレンスとなりました。

「2006 JRFU医科学委員会・AIR合同カンファレンス」開催概要

日時: 2006年3月12日(日) 午前9時20分-午後2時
会場: 日本ラグビーフットボール協会2階ジャパンクラブ
テーマ: 「ラグビーにおける安全性対策」
プログラム: ●「AIRミッション」 (AIRディレクター:勝田 隆)
●「ラグビーにおける脊損・頸損傷害は防止できるのか」 (NZオタゴ大助教授:ピーターミルバーン博士)
●「トップリーグ分析および国際情報」 (AIR・ラグビー・アナリスト:佐々木康
医科学委員会科学情報担当:古川拓生)
●「アンチドーピング」 (医科学委員会:赤間高雄)
●「熱中症対策」 (医科学委員会:古谷正博)