総勝ち点差9を逆転しコアチーム残留を
カップT準々決勝進出以上が最低条件に

16、17日の2日間にわたって、HSBCセブンズワールドシリーズ(SWS)2014-2015最終戦となるイングランド大会がロンドン郊外のトゥイッケナム競技場で開幕する。

4月4、5日の東京セブンズ(=SWS2014-2015第7戦)で、カップトーナメント準々決勝に進出して勝ち点10を獲得し、コアチーム残留に望みをつないだ男子セブンズ日本代表だったが、1週間前に行われたスコットランド大会では1分4敗の最下位で大会を終了。
まさしく、崖っぷちに立たされた状況でロンドンセブンズを迎えることになる。

(text by Kenji Demura)

エースランナーのレメキ(右端)は4試合出場停止という苦しい状況の中、日本はコアチーム残留を果たせるか
photo by RJP Kenji Demura
アジアラグビーチャンピオンシップの韓国戦後、セブンズ日本代表に合流した藤田は救世主になれるか
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シーズン成績で最下位(15位)のチームが来季のコアチームから降格するSWS。
残念ながら、第8戦のスコットランド大会終了時点でその15位に甘んじているのが、今季初のコアチームとしてSWSに臨んだ日本。
現在、14位のポルトガルとの勝ち点差は9(ポルトガル=27、日本=18)。
日本が9点差をひっくり返すためには、プレート準決勝進出を果たし、勝ち点「10」を獲得した東京セブンズ以上の成績が求められることになる。
地元・日本大会を除けば、今季の各大会で日本が獲得してきた勝ち点は香港大会が「2」で、あとは参加チームで最少の「1」のみということを考えてもハードルは高い。

コアチームからの降格を避けるため、日本が倒さなければならないプール戦での対戦相手は豪州、ニュージーランド、ウェールズ(対戦順)。
今季のランキングで言うなら5位、3位、12位の強豪チームと互角以上の戦いをして8強入りすることが、日本がコアチームからの降格を避けるためには最低条件となる。

「東京セブンズでベスト8に入ったことで自信をつかみかけていたが、グラスゴーセブンズでは負けを重ねるごとにその自信が揺らぎ消極的な試合をしてしまった。何よりも意地の一つも見せることができなかったことが、歯がゆい。次のイングランド大会はセブンズワールドシリーズ最終ラウンドなるが、ブレイクダウンとセットプレーを修正し必ずコアチーム残留を果たす」(瀬川智広ヘッドコーチ)

「セブンズワールドシリーズ最後の大会となるイングランド大会ではここでもう一度カップ戦進出を目指し、勝ちにこだわってチーム一丸となって頑張りたい」(坂井克行キャプテン)

イングランド大会ではスコットランド大会を戦ったメンバーから、すでに15人制での日本代表デビューも果たしている松井千士が離脱。代わって、やはり15人制代表でも活躍する藤田慶和が加わる。
「以前よりもまわりの状況もみながら落ち着いてプレーできるようになっている」という藤田が、東京セブンズでコアチームとしての初の8強入りに貢献した時のような積極的な走りでチャンスをつくり、救世主になれるか注目される。

フィジー、南ア、NZはすでにリオ五輪切符獲得
SWSシーズン王者の行方もこの3チームの争いに

一方、シーズン王者争いに目を移すと、現在1位のフィジーの総勝ち点が147、2位の南アフリカが142、3位のニュージーランドが139となっており、この3カ国にシーズン優勝の可能性が残されている。

尚、SWS2014-2015のシーズン順位4位までのチームには、リオデジャネイロ五輪出場権が与えられることになるが、すでにフィジー、南アフリカ、ニュージーランドの3カ国はシーズン4位以内を確定させてリオ行きを決めている。
残り1枠は現在4位のイングランドが5位豪州に16点差をつけているため、地元で五輪出場を決める公算が高い。

SWSでは各大会のカップ優勝チームに22、以下、同準優勝に19、同3位に17、同4位に15、プレート優勝(全体5位)に13、同準優勝(全体6位)に12、プレート準決勝敗退(全体7、8位)に10、ボウル優勝(全体9位)に8、同準優勝(全体10位)に7、同準決勝敗退(全体11、12位)に5、シールド優勝(全体13位)に3、同準優勝(全体14位)に2、シールド準決勝敗退(全体15、16位)に1の勝ち点がそれぞれ与えられることになっている。

グラスゴーセブンズでは個人技でトライを奪う場面も目立った坂井主将。ロンドンでもチームを率先したい
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レメキ不在のプール戦では攻守で頼りになるトゥキリの大車輪の活躍ぶりもキーになる
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豪州、NZ、ウェールズと強豪ばかりのプールBで2位以上になることがコアチーム残留への絶対条件となる
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