サモア、アルゼンチン、フランスの強豪相手に
来季コアチーム維持のため8強入り目指す日本

(text by Kenji Demura)

日本とは4大会連続での対戦となるアルゼンチン。シーズンポイントでは6位につけている
photo by RJP Kenji Demura

「出来幅の差が大きい」
男子セブンズ日本代表の瀬川智広ヘッドコーチのサモア評だ。
実際、今季のHSBCセブンズワールドシリーズでも、第1ラウンドの豪州大会(10月11-12日)でカップ準優勝を果たした後は4大会連続でカップトーナメント進出を逃し、南アフリカ大会(12月13-14日)、ニュージーランド大会(2月6-7日)ではシールドトーナメントへ回る低調ぶり。
ところが、1週間前に行われた香港大会で突然の復調ぶりを見せてカップ準決勝に勝ち進み、ニュージーランドを1点差に追いつめる(14―15)大健闘を見せた。

「香港で見せた前に出るスタイルが本来のサモアのスタイル」
タフア監督はそう胸を張るが、アメリカ大会(2月14-15日)と香港大会ではメンバーが半数以上入れ替わっていて、ロロ・ルイ主将がほぼプレーせずに5大会ぶりとなるトップ4入りを果たすなど、新たに加わったメンバーの活躍ぶりが目立った。
1年前の東京セブンズで破り、今季も南アフリカ大会で勝利を収めるなど、日本にとっては相性のいい面もあるサモアだが、今回はその時とは全く異なるチームと言っていい形での登場となる。

アルゼンチンとフランスは1週間前の香港でも日本が戦った相手。
中でもアルゼンチンとは、ニュージーランド大会(2月6-7日)から4大会連続での対戦となる。
アメリカ大会では終了間際にPGを決められて12―15で敗れる悔しい試合も経験しているが、坂井克行主将は「ディフェンスは個でくる傾向がある」と、その印象を語る。
「日本としてはやはりボールを動かしたい。ディフェンスの向きが変わったところにボールどんどん運んで、仕掛けていきたい」

一方、フランスに対する同主将の印象は以下のとおり。
「守りに関しては割と待ちのディフェンス。ゆっくり流してくる。日本としては積極的に自分たちでまずボール動かしていきたい。アングル変える動きだったり、一回後ろに下げたり。違うスペースにボール動かしていくことができるか」

いずれもラテン系のチームらしく、ボールさばきが柔らかく、スペースを見つけるのがうまい共通点もあり、「向こうのペースでアタックをされるとイケイケになる傾向もある」だけに、日本としてはいかにボールキープを続けられるかがポイントになる。

ハビエル・ロハス(アルゼンチン)、ジュリアン・カンドゥロン(フランス)のゲームメイク、アメリカンフットボールのバックグラウンドを持つアクセル・ミュラー(アルゼンチン)、フィジー生まれのヴィリミ・ヴァカタウ(フランス)などの力強い走りが注目される。

香港大会では日本はフランスに7ー24で敗戦。カンドゥロン(左)はキープレーヤーのひとり
photo by RJP Kenji Demura