今季首位の南アフリカの2年ぶり東京制覇なるか
好調アメリカも5大会連続でのカップT出場狙う

(text by Kenji Demura)

今季計35トライを挙げてトライ王争いで首位に立つ南ア・セナトラは日本のファンを魅了する走りを見せるか
photo by RJP Kenji Demura

今季のHSBCセブンズワールドシリーズのシーズンポイントで首位に立つのが南アフリカ。
ドバイ大会(12月5-6日)、そして地元南アフリカ大会(同13-14日)を制するなど、香港大会(3月27-29日)までの6大会全てでベスト4入りを果たしている。
香港大会でも南アフリカと対戦した男子セブンズ日本代表の坂井克行主将が「とにかくプレッシャーをかけてくるチーム」と語るように、15人制のスプリングボクス同様、フィジカルを生かして相手に圧力をかけながら主導権を握っていくスタイルが特徴でもある。
今季はプレーメーカーのセシル・アフリカも好調で、昨季の東京セブンズでも活躍したスピードスターのシアベロ・シナトラは今季ここまで34トライを挙げてトライ王を爆走中。
一昨年はカップ優勝、昨年同準優勝と相性のいい東京セブンズで再度上位進出を果たして、シーズン王者のポジションを揺るぎないものにしたいところだ。

4大会連続でカップトーナメント進出を続けるアメリカも南アフリカと同じような戦い方をするタイプのチーム。
すでに日本のファンにもお馴染みの“ラグビー界最速の男”カーリン・アイルズは今季もチーム最多の20トライを挙げて健在。さらに、同18トライを記録している新鋭ペリー・ベイカーの圧倒的なスピード、ザック・テスト主将の攻守における存在感なども注目を集めそうだ。

一方、隣国のアメリカに比べて、今季苦しいパフォーマンスが続いているのがカナダ。
ここまで6大会中、カップトーナメント進出を果たしたのはアメリカ大会(2月13-15日)のみ。
シーズンポイントでも15コアチーム中13位と降格の可能性すらあるだけに、何とか東京大会で復調のきっかけを作りたい。

シーズンポイントでカナダと全く並んでいるのがケニア(=32ポイント)。
香港大会のシールド決勝戦で日本をスピードで圧倒したように、個々のアスリートとしての能力は圧倒的だが、チームとしての戦い方は安定しない。
何とか東京でニュージーランド大会に次いで今季2度目となるカップトーナメント進出を果たして、コアチームからの降格回避を決定的にするような戦いをしたいところだろう。

今シーズン計18トライを挙げているアメリカの新鋭ベイカーの走りも注目される
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