4季連続王者ニュージーランドの初東京制覇なるか
シーズンポイントでトップ4を確保したい豪州

(text by Kenji Demura)

お馴染みフォーブスNZ主将は東京で初となる優勝カップを手にすることができるか
photo by RJP Kenji Demura

4年連続でシーズン王者に輝いているニュージーランドだが、圧倒的な強さを見せた過去2シーズンに比べて、今季カップ優勝を果たしたのは地元ウェリントンセブンズだけで、シーズンポイントでも南アフリカ、フィジーの後塵を拝している。
香港大会でもカップ決勝戦に勝ち進んだものの、19―33でフィジーに完敗。
プール戦ではポルトガルと引き分けた。
ただ、そんな王者らしくない戦いぶりも百戦錬磨のゴードン・ティッチェン監督にとってはある程度、想定済みでもあったようだ。
「初めて香港セブンズを経験したメンバーが5人。そのうち2人はセブンズワールドシリーズ代表としてのプレー自体が初だった。若い選手たくさんのことを学びながら成長している」
多くの若手を起用しながらも4大会連続でカップ決勝戦に進出し、シリーズポイントでも首位の南アフリアと3点差の3位をキープ。
香港大会で全試合先発したプレーメーカーのボーデイン・ワカ、圧倒的なスピードと鋭いステップでトライを量産するリコ・イオアネなど、新しいセブンズのスターが生まれてもいる。
その一方で、アメリカ大会は欠場したDJフォーブス主将も香港大会では復帰するなど、ベテラン勢も健在。
大会を重ねるごとに新旧の選手たちのプレーが噛み合ってきているのも確か。
過去、東京大会を制していないニュージーランドとしては、何とかジンクスを打ち破って今季2度目のカップ優勝を勝ち取り、5季連続シーズン王者へ登り詰めるきっかけとしたいところだ。

王者ニュージーランドのプール戦での最大のライバルは豪州。
香港大会では、カップ準々決勝で南アフリカに惜敗(5-7)したものの、プレート戦でイングランド、アメリカを連破してプレート優勝(5位)。プール戦でもニュージーランドに善戦(5―14)するなど、3季ぶりに東京セブンズを制するポテンシャルを感じさせる戦いぶりを見せた。
闘将エドワード・ジェンキンズなどベテランも健在だが、今季155得点を挙げているキャメロン・クラークなど、着実な成長を見せる若手の底上げがチームに勢いをもたらしている。

現在、シーズンポイントで8位につけるスコットランドだが、ニュージーランド大会ではトップ4入り。
一方、ポルトガル同14位で日本と降格圏での争いをしているかっこうだが、前述どおり香港ではニュージーランドと引き分けるなど、ポテンシャルの高さも見せた。
両チーム共にニュージーランド、豪州からの金星を狙いつつ、プール戦3戦目の直接対決では確実に1勝をものにしたいところ。
スコットランド、ポルトガルは香港でも僅差の勝負(14―12でスコットランドが勝利)を繰り広げており、東京でも好ゲームが期待できそうだ。

3年前は優勝カップを手にした豪州ジェンキンズ主将。ゲンのいい東京でポイントを伸ばしたい
photo by RJP Kenji Demura