大会前日、会場のシーバス・スーパー競技場でスタジアムチェック後の男子セブンズ日本代表。世界との戦いに臨む photo by RJP Kenji Demura
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前日練習で元気なプレーぶりを見せていた首藤(中央)と三木。7人制での経験値は違えど2人のベテランの奮起に期待がかかる photo by RJP Kenji Demura
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3月に香港で行われた昇格決定大会を見事勝ち抜いた男子セブンズ日本代表にとっては、15チームからなるコアチームの一角として迎える初のSWS。
9月30日から10月2日、韓国の仁川で行われた第17回アジア競技大会で見事3大会連続となる優勝を果たした同代表は、戦いの場を世界に移し、2年後に控えるリオデジャネイロ五輪も意識しながら、より高いレベルでの戦いに突入していくことになる。
「正直、厳しい戦いになるのは覚悟している。(SWS序盤戦では下位グループの)ポルトガルなどよりもポイントを多くとっておくようにしたい」
SWS開幕にあたり、男子セブンズ日本代表を率いる瀬川智広ヘッドコーチは正直にその心情を吐露する。
仁川で金メダルを獲得した顔ぶれのうち、ゴールドコースト大会でもメンバー入りしたのは、坂井克行キャプテン、桑水流裕策、レメキ ロマノ ラヴァ、羽野一志の4人のみ。
ケガ人が相次ぎ、アジア競技大会のため小休止していたトップリーグも豪州大会と同時に再開されることもあって、金メダル軍団とはやや顔ぶれが異なるメンバー構成で世界での戦いをスタートさせることになる。
大会1日目の11日、プール(プールA)戦で日本が戦うのはサモア(10時56分)、ニュージーランド(13時35分)、フランス(17時11分)。
現在4シーズン連続でSWSの年間王者を続ける真のチャンピオンNZを筆頭に、当然ながら強豪国ばかりとの対戦となるが、瀬川ヘッドコーチはアップセット狙いで初めから自分たちの力をすべて出し切る戦いをしていくことを宣言する。
「この場で戦うからには勝ちたい。出来幅の大きなサモアとフランスには基本的には勝ちに行く。いい入り、いいポゼッションが取れればチャンスはある。ニュージーランドに対してもベストを当てて、自分たちの現状を知る戦いをする。2日にベストコンディションに持っていくようなことはしないで、最初から100%をぶつけていく」
アジア競技大会での金メダルに貢献するなど、若手の中では経験値の高い羽野(右から2人目)の走りにも期待がかかる photo by RJP Kenji Demura
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坂井主将(中央)、桑水流(左)など経験豊富なメンバーが若い選手たちをどう引っ張っていくかも当然ポイントになる photo by RJP Kenji Demura
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“新旧”ベテランやポテンシャルある若手の活躍にも期待
アジア競技大会での金メダル獲得に寄与した前述のコアメンバーたちがチームの中心となるのは確かだが、若手や今回新たに加わった、あるいは久しぶりの復帰となるメンバーの活躍も、日本がアップセットを成し遂げるためには必要となる。
「ラインが浅いサモアには前に出てファーストアタックを決めて、ブレイクダウンから前に出たい」と語る瀬川ヘッドコーチが「新たなキーマン」になる可能性を秘めていると期待するのは、163センチのベテランスピードランナー、首藤甲子郎。
「とにかく走り回ってほしい。彼のキレは間違いなく生きる。ロマノ(レメキ)がマークされるので、その分、甲子郎(首藤)が相手の間をスリ抜けるようにアタックしてくれれば」というのが同コーチが描くイメージだ。
「(セブンズの国際大会は)2年前のアジアセブンズシリーズのタイ大会に日本選抜として出場して以来」という首藤は「戸惑いばかりで難しいが、自分に求められている役割が明確なので、持ち味であるランニングでチームに貢献していきたい」と、抱負を語る。
一方、首藤同様、30代ながらセブンズでの経験という意味では特筆すべき経歴の持ち主でもあるチーム最年長の三木亮平には「プレーだけではなく、その経験を若手に伝える役割も期待」(瀬川ヘッドコーチ)されているのは間違いないところ。
過去にもSWSに出場した経験を持つ三木は「自分の持てる力を出し切ってベストを尽くすだけ。プレー以外の部分でもサポートしていきたい。ワクワクしてます」と、久しぶりの大舞台に静かな闘志を燃やしている。
一方、若手に関しても瀬川ヘッドコーチが「フィットネスは抜群。ポテンシャルとしては桑水流と変わらない」と評価する190センチ、94キロの芦谷勇帆など、当然ながら将来、日本を背負う存在となることが期待される逸材が顔を揃える。
23歳でアジア競技大会のゴールドメダリストとなった羽野は「韓国の疲れもないし、コンディションはいい。(メンバーが代わって)難しい面もあるが、怖いものはないし、やるしかない。むしろ相手がジャパンを怖がっていると思う」と、世界へのチャレンジに向けた若手メンバーの心境を代弁する。
2年後に控えるリオデジャネイロ五輪に向けて、日本国籍を持つメンバーのみで構成されるセブンズ日本代表。
「オリンピックにつながるという意味でも、(SWS)全ラウンド回れるのは大きい。準備時間は短かったが、やればやるだけチームはよくなった。世界は甘くないが、どんな相手であれ付け入る隙はある。ディフェンスで粘って、チャンスに取り切る点にフォーカスして戦っていきたい」(坂井キャプテン)
本当の意味でリオ五輪につながる世界での戦いが、いよいよスタートすることになる。
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