■2014年9月14日(日)

11日に始まったキャンプもいよいよ最終日。今日のヘッドスタートは 5:30 開始。
FWはストレングストレーニングとラインアウトスキル、BKはスペースアタックを繰り返します。
まだ夜が開けきらぬうちからの練習となりましたが、選手・コーチともに「初めから100%」を意識して、引き締まった練習となりました。

朝日が昇る始める中でのトレーニング。

FWは体幹を鍛えるトレーニングからスタート。

強度の強いトレーニングが続きます。

BKは4対2。確実にスコアすることを目標に取り組みます。

朝食のあと、今キャンプの最後のトレーニングを行いました。
FW、まずはキャンプ中に毎日取り組んできたセットプレーから。ラインアウトはゲーム意識した総合的な実戦形式。
リフトからのキャッチングはもちろん、ボールデリバリーのあとの着地からチェーンブロックまで、コーチ陣の厳しい声が飛び交います。

その後はスクラム。マシンを使ってまとまりを意識させてから、8対8でのライブスクラム。
強いプレッシャーに負け姿勢の乱れる選手もいましたが、組み終わったあとに積極的にコミュニケーションを図るなど、良いチームとなってきました。

BKはストレングスから。正確なフォームで行います。

その後グランドに出て、FW同様疲れた状況下での正確な判断、スピードあるアタックを目標に取り組みます。

前を見てプレーし、DFの空いたスペースを見つけるとともに、自分の前にあるスペースも積極的に取りに行き、自分から仕掛けるアタックを意識します。

最後のセッションが終わりクールダウンのあと、宿舎へ戻ってノーサイドミーティングが行われました。横田統括から今キャンプのレビューと世界を意識したトレーニングの重要性の確認。

村上S&Cコーチからは、今後も継続して「スプリント」「アジリティ」「ストレングス」に取り組んで欲しいとお話がありました。

大石トレーナーからは、「ウォーターローディング」「アイシング」「ストレッチ」の重要性と、自分の体調について自己分析し自己管理が出来る選手になって欲しいとのお話がありました。選手はメモを取りながら最後まで熱心に聞き入り、今後の成長を誓っていました。

次回のTIDユースキャンプは、12月に行われます。より一層逞しくなった選手たちに会えることを楽しみにしています。
また今回のキャンプは、東芝ブレイブルーパス様のグランド、ウェイトトレーニングジムをお借りし、素晴らしい環境の中で大変充実したキャンプを行うことが出来ました。また株式会社 東芝 様のご協力をいただき、宿舎や選手の食事など細部にわたるお心遣いを頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
さらに、選手を派遣いただきました高校監督・チーム関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

■2014年9月13日(土)

キャンプ3日目。ヘッドスタートは全体でランニングスキル、プラスFWはスクラム、BKはラインディフェンスを行いました。
ランニングスキルでは、村上S&Cコーチからポイントが示され、そこを意識しながらのトレーニングとなりました。ほとんどの選手が、最後は見違えるように綺麗なフォームとなります。今後チームに帰っても、必ず継続してトレーニングに取り組んで欲しいと思います。

ラインディフェンスは激しく前に出ることを意識します。

世界と戦うために、セットプレーの安定は必須条件。

練習後の個人練習。薫田室長・横田統括の厳しい指導の下、笹川選手の表情が歪みます。

練習後の雑談の中で、選手・コーチ共にコミュニケーションを図っていきます。

朝食・休憩をはさんで、午前中のセッションはディフェンスにフォーカスした内容となりました。
DF立ち位置の確認から始まりダブルタックルドリル、間にストレングスを入れながら、激しく体をぶつけます。キーワードは「 FOG:フォグ ( Fast Off Ground )」。
リロードと同じく、グランドから素早く立ち上がり、次のプレーに備えます。
また、今日は日本ラグビー協会A級レフリーの久保修平氏も練習に参加。レフリーの立場からブレイクダウンのジャッジをしてもらいました。

立ち位置の確認から、ワンラインで激しく前に出ます。

ダブルタックルのトレーニング。状況を変えながら、繰り返し行います。

久保レフリーからブレイクダウンにおける各プレーヤーの義務についてレクチャーを受けます。

ストレングストレーニングメニュー。

2人一組になり、苦しい状況でも補助を付けながら正しいフォームで行います。

午後は、DFテクニックとブレイクダウンスキルをした後、15対15のアタックディフェンスを行いました。
試合形式のトレーニングで、選手たちはいつも以上に意識高く取り組んでいました。
久保レフリーに笛を吹いてもらい、アタックオプション、ディフェンスではラインディフェンスとFOGを意識しながら、集中したトレーニングとなりました。

7分×3本、短く集中して行いました。

合間に選手トーク。積極的な意見が飛び交います。

夜のミーティングは、久保レフリーを講師につとめてもらい、教育プログラムを行いました。
ラグビーの歴史とレフリングについて学びました。他競技にはないラグビー独特の文化と、レフリーとのコミュニケーションの重要性をテーマに、選手からも積極的に質問が出る、内容の濃い講義となりました。
講義のあとは、再び1on1ミーティング。今回のキャンプの個人レビューと課題を明確にし、チームへ戻ってからも継続してトレーニングすることを約束します。

■2014年9月12日(金)

キャンプ2日目。すでに恒例となった「ヘッドスタート」から開始。

全体でストレングス、ユニットではFWはラインアウト、BKはポジショナルスキルを行いました。
選手たちは早朝から意欲的に取り組み、良いセッションとなりました。

強度を上げたストレングストレーニング。選手の悲鳴が聞こえてきます。

クオリティの高いラインアウトを目指して、反復練習。

スクラムハーフのポジショナルスキルトレーニング。前を見ながらのプレーを意識します。

朝食・睡眠を挟んで、11時からは日本代表スタッフによるコーチングセッション。
ユニットに分かれて、BKは沢木敬介日本代表コーチングコーディネーターから指導を受けました。

大きな声でテンポよくトレーニングが進められました。コミュニケーションの大切さ、ハンズアップやフォロースルーなどの基本テクニックの徹底を中心に、ミスが起こればすぐにプレーを止め、なぜミスが起こったのかを選手に考えさせていきます。

時に厳しく、時にユーモアを交えながら進められました。選手たちは息つく暇もなく、かつ集中力高く取り組んでいました。

エディ・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチも指導に加わり、ミスの多い選手たちに「気持ち・情熱がない」と厳しく指導していました。

FWはスティーブ・ボーズウィック日本代表FWコーチのラインアウトセッション。
様々なトレーニングドリルで飽きさせることなく練習が進んでいきます。
「オヤユビ(親指)・インサイド!」と、日本語を交えながら次から次へとドリルが繰り返されました。自らが見本となり、重要なポイントを明確に指示し、ラインアウトのクオリティが確実に上がっていきました。

エディ・ジョーンズHCが見つめる中でのラインアウトセッション。

自らが見本を示し、選手にわかりやすく伝えます。

最後は実戦形式でのトレーニング。

練習の最後に、見学に来ていた日本ラグビー協会の田代芳孝理事から激励の言葉がありました。

その後、エディ・ジョーンズHCから今日の練習のレビューを聞きました。
オールブラックス(ニュージーランド代表)キャプテンのリッチー・マコウを例に挙げ、「世界を意識してたった今から決意を持って練習に取り組むこと」、「そんなスパゲッティのような腕では世界と戦えない」、「次に会うときには太い腕の君たちに会いたい、約束できますか?」と、多くの話がありました。

解散後も、沢木スポットコーチ・ボーズウィックスポットコーチともに積極的に選手の輪に入り、細かなテクニックや一緒に体幹トレーニングを行うなど、選手にとって有意義な時間となりました。

午後は1on1ミーティングを実施。選手個人の課題や強みを明確にしながら、担当コーチと積極的にコミュニケーションを図りました。

夕方の17時に府中を出発して、東京の秩父宮ラグビー場に向かいました。

ジャパンラグビートップリーグ2014-2015 1stステージ第4節、東芝ブレイブルーパス-NECグリーンロケッツの試合を観戦しました。

試合前の教育プログラムとして、来場者の皆様へ日本代表活動の告知、来場・応援の呼びかけを行いました。
選手たちは慣れないチラシ配りで戸惑いも見られましたが、仲間とともに次第に声を出しながら大量のチラシを配りました。

試合は、ただ観るだけでなく、課題を持って観戦しました。レフリングへの対応とポジショナルスキルについて各自レポートを作成しました。
ポジション毎にまとまって座り、コーチが中心となって主だったプレーについて議論を深めました。

トップリーグを初めて観戦する選手もおり、しかもラグビーの聖地・秩父宮でのナイターゲーム。平日ながら7,000人を超える観衆に高校ラグビーとは一味違った応援風景。
キャンプに参加した選手たちが近い将来、このグランドで実際にプレーし活躍できることを期待しています。

■2014年9月11日(木)

本日より、東京都府中市の東芝 府中事業所敷地内グラウンドで第2回「U18 TIDユースキャンプ」(高校日本代表候補合宿)が始まりました。
6月に岩手で行われたキャンプから2か月半、選手の成長を確認するとともに、フレッシュな選手も交えて切磋琢磨し、充実した合宿にしていきます。
13時に集合した選手達は、早速キックオフミーティングに臨みました。
薫田戦略室長からキャンプの目的が示され、S&Cの強化と基本スキルの徹底を図ることの2点について話がありました。
その後選手は早速グランドへ移動し、ウォーミングアップからS&C、オプションの確認からフェイズアタックと、分刻みのスケジュールでトレーニングが進んでいきました。

 

村上S&Cコーチのウォーミングアップからスタート。

多くのメディアが取材に訪れ、関心の高さが伺えます。

アタックオプションの確認。

 

フェイズアタック。しっかりとハンズアップ!

その後、FWはジムセッション。東芝のジムをお借りし、6月よりも強度を上げたトレーニングが行われました。
強度を上げた時にも正確なフォームが維持できるのか、選手たちは苦悩の表情で声を出しながらバーベルを持ち上げていました。

FWはすぐさまグランドに出て、ラインアウトとスクラムセッションを行いました。
筋疲労が激しい中で、いかに早く高く正確に行えるか。選手たちは試合後半の疲れた状況をイメージして、意欲的に取り組んでいました。

早く、高く!

リフター、ジャンパーに分かれての動作づくり。

マシンを使ってのスクラムセッション。

夜のミーティングでは、日本代表のリーチ マイケルキャプテンから「勝つ文化」というテーマで話を聞きました。
自身の経験を交えながら、「言い訳をしないこと」や、「日頃の生活がプレーに表れること」など、高校生にも当てはまる話を聞き、選手たちも熱心にメモを取っていました。