「競技規則第20条」は、2007年1月に変更され、4段階の「エンゲージプロセス」が導入されました。この変更は、エンゲージでの衝撃を減らし、テンポを落とすために取り入れられたものですが、いまだに、ナンバーエイトが、競技規則に従わず、スクラムエンゲージの前にバインドをしていない習慣が見られるチームがあります。一部の試合では、ナンバーエイトが、立ったままロックのパンツをうしろへ引っ張り、その後、ロックを前へ押している場合があり、これは、エンゲージプロセスでの衝撃を大きくし、スクラムをより不安定にしています。

「競技規則第20条3(f)」

スクラムに参加しているプレーヤーは、フロントローを除き、少なくとも一方の腕を味方ロックのいずれかにバインドしなければならない。ロックは、前にいるプロップとバインドしなければならない。プロップ以外のプレーヤーは、相手側のプレーヤーをつかんではならない。これに違反する場合には、ペナルティキックの罰を科せられる。

IRBでは上記に加えて、競技規則20.7「スクラムの開始」においても、20.7(a)で以下のように定められていることを確認します。

「スクラムでのプレーは、スクラムハーフの手をボールが離れたとき、開始される」。

(原文: Play in the scrum begins when the ball leaves the hands of the scrum
half)

「競技規則」にある「プレー」という言葉は、スクラムのエンゲージプロセスというよりも、「ボール争奪の開始」を指している。従って、プレーヤーは、スクラムが命じられた時点から、第20条3を含む競技規則に従わなくてはならない。