強力FW南米の雄相手に接点と規律で勝負
多くの選手にとってのラストチャンスに
22日、福岡・レベルファイブスタジアムでリポビタンD チャレンジカップ 2015第2戦、ウルグアイ代表との第1テストマッチが行われる。
ラグビーワールドカップ(RWC)2015開幕まで1ヶ月を切った状況での南米の雄との対戦。
チームとしてはパシフィック・ネーションズカップ(PNC)2015およびリポビタンD チャレンジカップ 2015初戦の世界選抜戦で出た課題を修正する絶好の機会である一方、出場選手にとっては「最後の31人に残るための貴重な機会」(エディー・ジョーンズヘッドコーチ)となる。
FLリーチ主将、
photo by Kenji Demura
15日に行われた世界選抜戦から中3日。
開幕まで1ヶ月に迫ったラグビーワールドカップ(RWC)2015の初戦(対南アフリカ)と第2戦(対スコットランド)の試合間隔を意識するかたちで組まれたのが、19日に日本代表のキャンプ地である宮崎で行われた宗像サニックスブルースとの合同練習だった。
前後半20分ずつだったとはいえ、実戦形式で、笛が吹かれる度に即座にジョーンズHCが次のシチュエーションを指定。両チームは休む間もなく、次のプレーに移行する「試合よりハード」(NO8ホラニ龍コリニアシ)な内容となった。
「(宗像サニックスとの合同練習では)主に自陣から抜け出す練習、そして相手を敵陣に釘付けにする練習をした。選手の努力、姿勢に満足している。相手にはスプリングボクスのクオリティを持つFWプレーヤーもいたがしっかり対処できていた」
ジョーンズHCも納得する質の高いセッションから、今度は中2日で戦うことになるウルグアイとの第1テスト。
メンバー的には「宗像サニックスとの良い練習に出場した選手の多くはコンディション調整をさせてフレッシュな選手たちを選出した」(同HC)
平島久照、稲垣啓太と、ケガ人が相次ぐFW第1列はルースヘッドPRは世界選抜戦で復帰した三上正貴が2戦連続での先発。18日に合流したばかりの渡邉隆之がリザーブ入りした。
東海大3年の渡邉にとっては、出場すれば日本代表初キャップとなる。
「(本来は3番だが)1番に慣れていないとかは関係ない。まずは慣れない中でセットプレーを安定させること。そして、フィールドプレーでは積極的にボールをもらって、ボールキャリーでも見せていきたい」と抱負を語る。
LOは第2列はPNCトンガ戦(8月3日)以来となる大野均、伊藤鐘史のコンビ。
「(ウルグアイは)FWだけで近場のアタックをすごくしてくる。FWのDFがキーポイントになる。相手は重いと思うが、しっかり下に入って、前で倒していきたい。ゴツゴツ、プライド持ってやってくると思うので、いいチャレンジになる」(伊藤)
FW第3列は世界選抜戦では7番だったリーチ マイケルキャプテンが6番、ヘイデン・ホップグッドが7番、NO8にツイ ヘンドリックという組み合わせに。
リーチキャプテンは「ウルグアイ代表はスクラム、モールに強さがあるFWのチームなので、FWがかなり厳しい戦いになる」ことを想定する。
また、リザーブに入るFL村田毅は「ホントにラストチャンスだと捉えている。これで出せなかったら終わり。大きいプレーヤーを低いタックルで一発で仕留める。気持ちだったり、しっかり責任を果たしていきたい。
日本人としてラグビーを知らない人もわかるような思いをプレーで体現していきたい」と意気込んでいる。
photo by Kenji Demura
地元で因縁の相手との試合になる五郎丸
ハーフ団はSH日和佐篤、SO小野晃征のコンビ。
「チームを一番前に出せる判断をしていくことが重要になる。相手にプレッシャーをかけたい。シンプルなゲームメイクを心がけたい」というのが小野のゲームメイクの方向性だ。
また、インサイドCTBにはPNCのフィジー戦以来となる田村優が復帰。世界選抜戦では12番だったマレ・サウが13番へスライド。
WTBは内田啓介、廣瀬俊朗というユーティリティが求められる顔触れとなった。
「それを生かさないとラグビー人生にかかわってくるくらいのラストチャンス。わからないポジションなので、何をどうというのも言えないし、どういうことを意識するのかも曖昧だが、チームに迷惑をかけないようにしっかり頑張りたい。
DFで抜かれなかったら、点数も取られないのでまずはDFをしっかりやって、チャンスがあればボールもらいに行って、ボールタッチを多くしたい」(内田)
「いまさら、何かが劇的に良くなるわけではない。メンタル、意識の部分でどこまで出せるか。態度とロイヤリティ。『日本のために』という一番大事なところを意識してプレーする」(廣瀬)
最後列を締めるFB五郎丸歩にとっては、05年春にU19日本代表として南アフリカ遠征中に急遽呼ばれて敵地モンテビデオまで長旅をした上で初キャップを獲得した、思い出深い相手との地元・福岡での対戦。
「最近、問題のブレイクダウン。今回も南米のチームで激しい。ブレイクダウンでいかにクイックにボールを出せるか。ここにしっかりフォーカスしてやっていきたい」と、チームとしての試合のポイントを語る一方、「怖くて、出たくなかった」という感覚だった初キャップの時からの成長ぶりを生まれ故郷のファンに見せる場ともなる。
ちなみに10年前の対戦は18—24で日本が敗れている。
text by Kenji Demura
再招集されたばかりの東海大3年のPR渡邉(右)
photo by Kenji Demura
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