RWC2015プールB展望
日本の対戦国徹底解剖<サモア編>

日本のファンにもお馴染みのパワフル軍団


「世界で最もフィジカルでパワフルなチーム」

そんなふうにサモア代表を評するのはエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ。

しかも、同HCが「興味深いセレクション」と表現するように、その特徴を最大化するようなメンバーを揃えて、日本に対峙することになる。

190センチ、135キロというPRとして、それ以上は望めない体格を誇るセンサス・ジョンストンを筆頭に、フランス1部「トップ14」でベストHOのひとりと評価を受けるオレ・アべイ(ベーグル・ボルドー)フランスのトップクラブであるスタッド・フランセでPRサカリア・タウラフォと並ぶFW第1列が中心となるスクラムは当然強力。

 

さらに、「サモアがどういう戦い方をしてくるかにシークレットはない」と、ジョーンズHCに断言させることになったのが日本戦における先発FW第3列の顔触れ。

「バックローにとびきり大きな選手揃えてきた」(同HC)

南アフリカ戦は起動力のあるFLジャック・ラムを起用していたが、日本戦ではファイフィリ・レバベがNO8に入り、オフィサ・トレビラヌス主将、TJイオアネというFL陣とコンビを組む。

ちなみに、NO8レバベは昨季はトヨタ自動車に所属。さらに、LOには元キヤノンのケーン・トンプソンも復帰している。

日本のことを知り尽くしたメンバーを揃えたとも言える。

もちろん、パワフルだけではなく、アイランダー特有の力強いランニング力やハンドリング能力も高いレベルにあるサモアだが、BK陣にも日本の選手、ファンに馴染み深い顔触れが並ぶ。

 

何と言ってもサモアBKの鍵を握るのはSOトゥシ・ピシ。調子に乗った時には手がつけられないのはサントリーのプレーでも証明済み。日本としてはサモアの指令塔にいかにプレッシャーをかけるかもポイントになる。

やはり、NTTコミュニケーションズ時代も迫力のある走りで活躍したアレサナ・ツイランギも健在。

そして、一番のキープレーヤーであるかもしれないFBティム・ナナイウィリアムズはハイランダーズでSH田中史朗のチームメイトであり、RWC終了後はリコーに加入することが決まっている。

セブンズでも活躍した奔放な走りが特徴のナナイウィリアムズをはじめ、多くの選手がニュージーランド生まれであり、同じ境遇で桜のジャージーを身にまとう日本代表CTBマレ・サウとのマッチアップも注目される。

 

text by Kenji Demura

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相変わらず迫力ある走りで相手DFの脅威となるWTBのA.ツイランギ
photo by Kenji Demura