速くて、フィジカルで、スキルフルで、賢く
ジャパンウェイ集大成を見せるRWC最終戦
英国時間11日夜(日本時間12日未明)、イングランド西部グロスターでラグビーワールドカップ(RWC)2015プールB最終戦の日本-アメリカ戦が行われる。

photo by Kenji Demura[/caption]
南アフリカに対する歴史的勝利の後、中3日の厳しい日程で対戦しなければならかったスコットランドには後半息切れして敗れたものの、続くサモア戦では完勝。ここまで2勝1敗の成績で最終戦を迎える日本代表は、残念ながら準々決勝進出の可能性こそなくなったものの、ジャパンウェイを貫き通した4年間の総決算を世界に見せつけて、有終の美を飾るつもりだ。
「ワールドカップで最も重要な試合。当然、ベストメンバーで臨む」
泣いても笑ってもRWC最終戦。試合開始を2日後に控えた9日夕刻、エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチはスッキリした表情でそう宣言した。
サモアがスコットランドに敗れたことで、日本の準々決勝進出の可能性はなくなった状態でのプール最終戦となるが、チームのモチベーションは落ちていないと同HCは断言する。
「プール戦を3勝で終われれば、すごい偉業となる。3勝したチームが準々決勝に進めないのはワールドカップでは初のケース。11年大会でフランスがプール戦2勝2敗で決勝に進んだことを考えてもその凄さがわかるはず。
目標だった準々決勝が達成できれば素晴らしかったが、国内で新しいファンを獲得し、世界的にも日本ラグビーの素晴らしさを伝えるこれ以上ないチャンスとなる」
一方、FLリーチ マイケルキャプテンはプール最終戦の対アメリカとの戦いを「一番難しい試合」と表現する。
「(7月に18—23で逆転負けした)PNCの時のアメリカとは全然違うチーム。アメリカは感情的なチーム。国歌斉唱の時、気合いが入って、勢い持つとかなり強い。8番や12番に強いランナーがいるが徹底的に前に出て止める必要があるし、セットピースではしっかりプレッシャーをかけていくことも重要になる」(同キャプテン)

photo by Kenji Demura[/caption]
サモア戦からは先発4人を入れ替え
CTBウィング、FB藤田が初先発
そんなふうに難しく、かつ重要な試合の先発メンバーは、8日前のサモア戦からは4人が入れ替わる(CTB立川理道は12番から13番に変更)。
FW第1列では、3番が畠山健介から山下裕史に変更に。HO堀江翔太、左PR稲垣啓太と最前線を支える。
「ハタケ(畠山)はワールドカップで素晴らしい働きをしてくれている。アメリカ戦では試合の終盤、ハイランニングゲームになる。山下には試合の序盤にスクラムでプレッシャーをかけていくことを期待している。アメリカの左PRフライにいいスクラムを組んでいる」(ジョーンズHC)
LOは太もも裏の状態が良くない大野均に代わって、アイブス ジャスティンがトンプソン ルークとコンビを組む。
FW第3列はサモア戦と同じFLリーチ マイケル、FLマイケル・ブロードハースト、NO8ホラニ龍コリニアシのトリオ。
BKでは、前述の通り、立川がインサイドCTBからアウトサイドに回り、インサイドCTBには満を持してのクレイグ・ウィングの登場となる。
「ウィングは安定したディフェンス力を出してくれる。アタックでは12と13が入れ替わることになる」とジョーンズHCが説明するように、ウィングには定評のあるタックル力でチームを引っ張ることが期待され、アタックではこれまで通りに立川がSO小野晃征とのダブル司令塔的役割を引き受けることになる。
「4月に他のメンバーと一緒にトレーニングを始めたが、コンディションが整わないためワールドカップではプレーできずにフラストレーションを感じたりもした。今は肉体的にも、精神的にも準備が整ったことを感じている」と、ウィングは最初で最後のワールドカップの試合になる可能性のあるアメリカ戦に燃えている。

photo by Kenji Demura[/caption]
そして、WTBにはRWC初登場となる藤田慶和が入り、WTB松島幸太朗、FB五郎丸歩とバックスリーを形成する。
大一番での藤田の先発起用に関して、ジョーンズHCは「直感で決めた」と説明。
「彼のエネルギーが活力を与えてくれる。過去のアメリカ戦でもいいプレーをしてきた」(同HC)との期待を受ける藤田は「(アメリカの対面ザック・テストは)今年のセブンズワールドシリーズのベストセブンに入った、すごくいい選手。ディフェンスではスピードに乗らせると怖いので、しっかり前に出て止めていきたい。アタックは思い切ってやるだけ」と抱負を語る。

photo by Kenji Demura[/caption]
ジョーンズHC体制になってからFBのポジションを守り続けたFB五郎丸歩は「目の前の試合に全力を尽くすことがこのチームのスタイル。それをアメリカ戦でも続けるだけ」と、あくまでもRWC最終戦にもいつも通りの平常心でジャパンウェイを貫くことを宣言した。
「この4年間、素晴らしい成長を遂げた。速くて、フィジカルで、スキルフルで、賢く。最後にジャパンウェイを表現する集大成にあたるような試合をする」
ジョーンズHCに率いられた集団は、必ずやRWCプール戦最後の一戦でジャパンウェイを完遂するパフォーマンスを見せてくれるはずだ。
text by Kenji Demura
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