大学選手権セカンドステージが開幕
東京、水戸、名古屋、大阪で8試合
13日、全国4会場で第52回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会セカンドステージが開幕する。
関東大学対抗戦A、関西大学Aリーグから各上位5校、関東大学リーグ戦1部から4校、さらにファーストステージを勝ち抜いた法政大学、東海北陸・中国四国代表の朝日大学(東海学生A1リーグ)の計16大学が4大学ずつ4プールに分かれて3節に渡る総当たり戦を行い、各プール1位となった4大学がファイナルステージ準決勝へ駒を進めることになる。
<プールA>
- 帝京大学(関東対抗戦A1位)
- 中央大学(関東リーグ戦1部3位)
- 関西大学(関西Aリーグ4位)
- 法政大学(ファーストステージ1位)
(第1戦日程)
- 帝京大—法政大(14:00ケーズ)
- 中央大—関西大(12:00 パロ瑞穂ラ)
大学選手権7連覇を狙う帝京大学は、3年ぶりに敗戦を経験しての大学選手権入りとなる。11月29日、関東大学対抗戦Aの対筑波大戦、王者・帝京大は前半20分までに3トライを重ね17—0とリードしたものの、以降得点を奪えず。後半3トライ、1ゴール、1PGを記録した筑波大にまさかの逆転負け。
明治大とともに対抗戦優勝は果たしたものの、ここ数年の完全なる王者とはやや異なる立ち位置での大学選手権入りとなる。
「この経験を生かしていきたい」
筑波大に敗れた後、HO坂手淳史主将はそう語ったが、敗戦からどう立ち直っているのか、初戦の法政大戦のパフォーマンスが注目される。
対する法政大はリーグ戦の後、ファーストステージの2試合を経てセカンドステージに臨む実戦の中で培ったゲーム感を生かして王者にチャレンジしたいところだ。
攻守にソリッドな戦いを得意とする中央大に対して、関西Aリーグ昇格初年度にして実に47年ぶりとなる大学選手権出場を決めた関西大としては関東へのアウェー戦に平常心で臨み自分たちのラグビーができるかが一番のポイントだろう。
<プールB>
- 東海大学(関東リーグ戦1部1位)
- 天理大学(関西Aリーグ2位)
- 早稲田大学(関東対抗戦A4位)
- 朝日大学(東海北陸・中国四国代表)
(第1節日程)
- 東海大—朝日大(14:00 パロ瑞穂ラ)
- 天理大−早稲田大(14:00 花園)
11月22日の流通経済大との全勝対決を、ロスタイムでの決勝トライで際どく制し、3年ぶりに関東大学リーグ戦を制した東海大は東海北陸・中国四国代表との対戦で大学選手権の戦いをスタートさせる。
流通経済大戦でもスクラクで相手にシンビン退場者を出し、最後はモールでのトライで追いつき、そして逆転と、強力FWを中心に据えた戦いで準決勝で筑波大に惜敗した昨季以上の成績を目指す。
昨年のセカンドステージでは天理大から4トライを取って20—43と善戦するなど、自らの力で今季はファーストステージに回ることなくセカンドステージからの登場となる朝日大は昨季の経験も生かし、格上に食らいつく全員ラグビーで関東の雄にチャレンジする。
関西大学Aリーグ最終戦で同志社大に10—13で惜敗し、関西2位となった天理大と関東対抗戦で4位に沈んだ早稲田大の一戦は第1戦屈指の好カード。
天理大CTBジョシュア・ケレビ、早稲田大FB藤田慶和と、双方に決定的な仕事のできるエースランナーがいるだけに、どちらがより粘り強くディフェンスしながら、チャンスをものにできるかの勝負になりそうだ。
<プールC>
- 同志社大学(関西Aリーグ1位)
- 筑波大学(関東対抗戦A3位)
- 大東文化大学(関東リーグ戦1部4位)
- 慶應義塾大学大学(関東対抗戦A5位)
(第1節日程)
- 筑波大−大東文化大(11:40 秩父宮)
- 同志社大−慶應義塾大学(14:00 秩父宮)
昨季の準優勝チームである筑波大は9月27日の関東対抗戦A第4節の明治大戦で0—26という完封負けを喫するなどシーズン序盤戦は苦しんだものの、11月29日には3年ぶりに王者・帝京大に土をつけるなど、調子を上げての大学選手権入り。
関東リーグ戦1部4位の大東文化大はリーグ戦上位陣との対戦でも、対東海大、対流通経済大戦ともに前半をリードして折り返すなど、外国人選手を筆頭にポテンシャルは高い。
今季、8年ぶりに関西大学Aリーグを制した同志社大学。チームスローガンの「覚悟」のフレーズどおり、関西大学Aリーグ初戦の近畿大戦で敗れる最悪のスタートを切りながら、最後は天理大の猛攻をしのいで関西王者に返り咲いた。
11年の天理大以降、関西のチームは準決勝入りを果たしていないが、8年ぶりに関西を制した勢いのまま10年ぶりの4強入りを狙う。
関東対抗戦A5位の慶應義塾大だが、早慶戦では試合終了間際までリード。早慶戦で見せたように、相手を研究したディフェンスで粘り強く戦えるかが4強入りの最低条件となる。
<プールD>
- 明治大学(関東対抗戦A1位)
- 流通経済大学(関東リーグ戦1部2位)
- 立命館大学(関西Aリーグ3位)
- 京都産業大学(関西Aリーグ5位)
(第1節日程)
- 流通経済大学−立命館大(12:00 ケーズ)
- 明治大−京都産業大(14:00 花園)
東海大に惜敗して関東リーグ戦1部2位となった流通経済大学。東海大のパワープレーに力尽きたようにFWのセットプレーなどには不安が残るが、男子セブンズ日本代表のCTB合谷和弘、FB桑江健一郎など、魅力的なランナーが揃うBKの小気味いいアタックは相手にとっては脅威。
関西勢ではブレイクダウンに自信を持つ立命大は局地戦でプレッシャーをかけていきたいところ。
帝京大との両校優勝ながら、3年ぶりに関東対抗戦Aを制した明治大。
11月15日の帝京大戦(関東対抗戦A)は49—32で敗れたものの「フィジカル面では追いついてきた」(HO中村駿太主将)と手応えを感じる内容。12月6日の早明戦では、反則でリズムを失ったものの、32—24で逃げ切り、地力がついてきたことをアピールした。
関西5位の京都産業大としては、自信を持つFWのスクラム、モールで互角に戦い、クロスゲームに持ち込みたい。
text by Kenji Demura
帝京大の大学選手権7連覇を阻むチームは出てくるのか?
photo by Kenji Demura