◎日本代表
○萩本光威監督
「勝てたことが本当にうれしいです。選手がいろいろな経験を積んでタフになったなあと、これがテストマッチだと思います。がまんして、がまんして、こつこつとポイントを上げながら、最後の10分に勝負をかけていく。それができるのも選手がタフになったからだと思います。
ただゲームの入りの10分の悪さ、プレッシャーを受けると慌ててしまうなどの反省点はありますので、そのへんを再度チェックして、スーパーカップ連覇を目指します」
○箕内拓郎キャプテン
「いろいろとゴタゴタしているなかで勝てたことに、感謝しています。去年、(ルーマニアには)ヨーロッパ遠征で負けていましたし、きょう勝てたことはうれしい。チームが80分間がまんして、最後に逆転することができたので、最後の20分間という課題を少しは克服できたのではないか。日曜の決勝は、1点差でもいいので、ジャパンらしいラグビーをして勝ちたいと思います」
――日本代表選手の不祥事が重なったあとだけに、きょうの勝利は大きな意味があったのでは。
○萩本監督
「選手全員が信じて、ラグビーへの信頼の回復と、我々のチームメイトであるプレーヤーへの信頼の回復という意味で、私も含めてモチベーションのなかにあったと思います」
――ディフェンスはよかったと思いますが、スクラムなどセットプレーでの球出しの悪さがありました。コンビネーションの問題でしょうか。
○箕内キャプテン
「そうですね。ラインアウトよりもスクラムでプレッシャーを受けて、思ったように球出しが出せませんでした。もう少し時間をとって練習していきたい」
――ハーフタイムでの指示と雰囲気、それから後半のふたつのトライについて。
○萩本監督
「もちろんミスはありましたが、ディフェンスもいけていましたし、前半に手応えを感じていました。ですから、相手がハイパントを蹴ってきた後のキック処理のところと、それから力はあるのだから、もう少しどっしり構えてプレーしてほしいと強調しました。
スカウティングの結果、後半20分で相手はバテてくるだろうと思っていましたから、ポイントを重ねて、リードされていてもついていき、リードしてもポイントをとっていくと指示しました。最後のところは期待どおり、残り10分で攻めていった結果だと思っています」
○箕内キャプテン
「選手たちはみな声が出ていて、何をしていかなきゃいけないか、コミュニケーションがとれていました。萩本さんがいったように、自信をもってどっしりとプレーしていこうという一言で、チームがまとまった感じがします。
ふたつのトライについては、決まったかたちでボールを動かしながらとれたので、攻撃ができ上がってきているなという手応えは感じました」
――目指すフランスラグビー。完成が100とすると、きょうは何点ですか。
○萩本監督
「フランスラグビーの導入というよりも、私たちはフランスラグビーを学びつつ、ジャパンというラグビーをつくりたいと、やっている最中です。習熟度という意味ではまだまだですが、選手たちは自分たちの力がアップしているという実感と自信がついてきていると思っています」
――決勝のカナダ戦、戦略に変更は。
○萩本監督
「変更はありません。我々はまだ成長・過渡期の段階にありますので、いまのラグビーを継続して成果を上げるのみです」
――きょうの日本は、ミッドフィールダーをデコイにして外に運ぶプレーが多かった。これは試合前からのプランですか。
○萩本監督
「グラウンドいっぱいに開いた状態で球を動かそうと、そうすることによって真ん中があいてくるので、そのときに縦に突いていこう、そしてモールを組むのは、開いた状態のときに有効にスペースを活用するためで、そうして(ディフェンスが)縮まってきたときにはまた、外に開いていく。ですから、どこを攻めようと決めているのではなく、グラウンドいっぱいに人を配置して、空いたところに球を運んでいこうという考えてやっています」
――特にこの春から、着実に伸びているという選手は。
○萩本監督
「始めに申し上げたように、すべての選手がタフになっています。これは素晴らしいこと。今後の日本のラグビーの財産になると思います。個人的には水野選手、浅野選手が本当によくやっています。それからきょう、途中から入って思い切ったプレーをみせてくれた五郎丸選手、また後藤翔太選手など、これからも積極的にプレーをしてくれれば、中心選手に成長しれくれるのではないかと思います」
――決勝のカナダ戦に向けて抱負を。
○萩本監督
「去年よりもパワフルで、経験も積んだひじょうに手強い相手であると認識しています。ですが、我々に必要なのは、いまのラグビーを貫きとおして勝つこと。全力で向かっていきます」
○箕内キャプテン
「監督と同じで、1点差でもいいので勝ちたい。自分たちが春からやってきたラグビーを、きょうの試合よりもいいかたちでお見せしたいと思っています」
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