「リポビタンDチャレンジ2007」第2戦、先週の韓国代表戦に引続きジョン・カーワン(JK)率いる日本代表チームは、昨年のW杯アジア予選で戦った香港代表チームと、日本晴れの秩父宮ラグビー場で7833人のラグビーファンの熱い声援の中で対戦し13トライを重ね大勝いたしました。(日本代表 73-3 香港代表)

試合は午後2時、日本代表 廣瀬選手(SO)のキックオフで始まりました。
開始早々の前半1分に日本代表は香港陣ゴール前10m付近で相手チームのペナルティ(オフサイド)より廣瀬選手(SO)が速攻で飛び出し先制のトライ(ゴール失敗)。
香港代表は前半4分、ラックから出たボールをネイラー選手(SH)が蹴り込み日本チームの処理乱れをつき攻め込むも得点できず。
前半15分、香港陣22m付近日本ボールラインアウトよりモールをゴールラインまで押し込みトンプソン選手(LO)が飛び込みトライ(ゴール失敗)。
香港代表は前半19分日本代表チームのラックでのペナルティ(ハンド)よりネイラー選手(SH)がゴールを狙うも失敗、21分にもパネル選手(SO)がドロップゴールを狙ったが失敗した。

前半26分には日本陣10m付近ラックよりより出たボールを山本貢選手(HO)が22m付近まで持ち込みバックスによる右オープンへの展開から遠藤選手(WTB)がコーナーへトライ(ゴール成功)、その後もスピードあふれる日本代表のトライが続き前半5トライ(1ゴール)。
香港代表は前半41分に日本代表のゴール前30m付近ペナルティよりネイラー選手(SH)がゴールを狙い成功すれど反撃はここまで。
後半は前半の細かいミスを修正した日本代表チームがFWも圧勝、ワイドに展開し一方的に連続トライ(8トライ/3ゴール)を奪い、香港代表をノートライに抑え勝利した。

好スタートを切った日本代表チームはクラシックオールブラックスを5月9日(兵庫県・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場)、5月12日(東京都・秩父宮ラグビー場)に迎えW杯に向けてスタジアムを熱くする試合に挑む。(佐藤克則)

日本代表 73-3 香港代表   日本代表 73-3 香港代表   日本代表 73-3 香港代表

香港代表のトーペイ監督(右)、キャメロン キャプテン
香港代表のトーペイ監督(右)、キャメロン キャプテン

リポビタンDチャレンジ2007
アジア3カ国対抗試合
日本代表 73-3 香港代表(4月29日(日)14:00 at東京・秩父宮ラグビー場)

◎香港代表
○アイヴァン・トーペイ監督
「日本協会の招待に感謝申し上げます。前半のパフォーマンスには満足しています。特に、セットピースのスクラムは良かったと思います。日本代表のラックのプレッシャーの下、エラーも出てしまいましたので、私たちももう少しプレスをかけられたら良かったのですが」

――合同練習はどのくらいで、今後のスケジュールは?
「香港セブンズが終わったばかりで、2週間で4回のセッションが限度でした。今後、オーストラリアのパースで現地のコーチングスタッフの下、5月9日から15日まで合宿を行い、28日の韓国戦に備えます」

――日本の変化は感じましたか?
「カーワン監督の仕事の効果が良く分かりました。アタッキングで、リサイクルの速さが我々にプレッシャーをかけました。ラインアウトでも」

――本日、帰国しなければならない選手は?
「一人います。残りも明日帰国します。仕事をしながらですので、それ以上、時間がとれません」

○トム・キャメロン キャプテン
「日本の関係者の皆様に感謝申し上げます。次の韓国戦への良い準備になったと思います。自分たちの弱点であるラインアウトの課題と、アタッキングがとても消極的になってしまう部分が確認できました。香港は次回W杯に向けて、特に若い選手を8名使いましたが、良いパフォーマンスを見せてくれて満足しています」

――次の韓国戦へは?
「前回、23-5で負けていますので、逆転したいと思います」

日本代表 73-3 香港代表   日本代表 73-3 香港代表   日本代表 73-3 香港代表

日本代表のカーワン ヘッドコーチ(右)、箕内キャプテン
日本代表のカーワン ヘッドコーチ(右)、箕内キャプテン

◎日本代表
○ジョン・カーワン ヘッドコーチ
――ミスが多かったのでは?
「前半はハンドリングエラーが多かったと感じましたが、後半は良かったと思います。私はスローフォワードとは見ていませんし」

――ゲームプランどおりでしたか?
「初キャッパーも居ましたので、前半は継続できませんでしたが、後半はきっちり修正できて満足しています。先週は後半が悪かったので、選手が成長したと思います。ハッピーです」

――新しいプレーは?
「音楽をかけて、ダンスをしたくらいですか(笑)。ちょっとボールを継続できなかったですね。常にワイド、ワイドはできませんので、前へ出るのか、ワイドに行くかというそこのバランスが課題です」

――クラシック・オールブラックス戦については?
「同じゲームプランで戦っていきます。プレッシャーがかかるところでやっていきます。ディフェンスがどのくらいできるのか、CABが我々に良いお手本を示してくれると思います。やっぱりボールを持ったら日本スタイルを貫く姿を見せて欲しいと思います」

――スタンドオフ4名の評価は?
「僕らは、同じポジションの選手同士ライバルとは考えていません。今後トップ8に残るために助け合う存在であり、ポジション争いではありません」

――クイックネスについて?
「レフリーとちょっと気持ちの上で合わないところがり、やりたいことが止められた部分もありましたが、それ以外は満足しています。ただ、もっと速く展開できると思います」

――今日の二人のキッカーへの評価は?
「ゴルフと同じですね。ゴルフも先生が観ていれば外さないけれど、いないと不安になるものです。今は新しいスウィングを練習しているところです。二人ともいつかはタイガー・ウッズになれると思います(笑)」

――CAB戦は同じメンバーで戦うつもり?
「ミックスして全員を使います。常に全員にチャンスを与えるのが私のスタイルです。今日からサーフィンへ行って頭を切り替え、水曜日に戻ってから考えます」

○箕内拓郎キャプテン
――ミスについて。
「全体として集中できていたと思います。ノックオンもいくつかありましたが、前向きに行ったミスですので。ただ、本当に強い相手にはまずいとは思います」

――時間帯について。
「初めの10分に前・後半ともトライが獲れたので、気持ちが緩んだのかもしれません」

――気持ちが抜けて、つまらないミスにつながった?
「いや、気持ちが入りすぎてのミスだったと思います。勿論、ミスはミスとして受け止めなくてはなりませんが」

――とばしパスをすれば良い場面もあったが?
「その辺はもう少しコミュニケーションが必要です。パスのスピードを含めてちょっとしたズレがまだあります」

――ラインアウトからモールでトライ?
「オプションとして、スタンドオフから固めろと指示があったので、攻めたプレーです。結果には満足していますが、練習でやったことのないプレーですので、今後練習も必要でしょう」

――スクラムは?
「いくつか良いヒットがありました。ただ、スクラムは力の差があり、逆に力が入り過ぎて壊してしまった場面がありました。次のCAB戦が評価になると思います。選手もチームに慣れてきたんじゃないかと思います」

――ラインアウトは?
「メンバーが替わって、前回より速くなったと思います。まだ速くなる可能性があります。追求していきたいですね」

――2試合での選手たちへの評価は?
「前回の課題を、今日のチームは克服してきています。チームとして伸びてきていると感じます」