●5月25日(金) フィジー 日本代表は、明日にフィジー戦を控え、本日最後のトレーニングを行いました。 ウォーミングアップで体を温めた選手たちは、箕内キャプテン主導のキャプテンランを実施。短い時間でしたが、明日のフィジー戦を見据え、グラウンドの様々な地域からのアタックを確認しました。試合が近くなるにつれ、よりプレーの精度が高まり、ミスの無いコンビネーションが繰り返されました。選手たちも、自信に満ち溢れ、テストマッチを迎えるに相応しい引き締まった表情で練習が行われました。短時間で終えたキャプテンランでしたが、終わった後も、FWはラインアウト・キックオフなどをあわせ、BKは個人スキルトレーニングに励むなど、準備に余念がありませんでした。 また、メンバー外の選手たちも、次の試合に備え、フィットネストレーニングを行いました。明日のメンバーを刺激するように、きつく激しいトレーニングを実施しました。 いよいよ、明日、我々日本代表のパシフィック・ネーションズカップが開幕します。カーワンヘッドコーチが、「新たな船出の日」と語るように、日本代表の新しい歴史を作るための大事な初戦となります。これまでの一週間、猛暑の中、選手たちは妥協することなく、激しい練習に取り組んできました。すべてはこのフィジー戦のためです。日本のサポーターのためにも、明日、結果を出したいと思います。 5月26日(土)13:00(日本時間10:00)、新たな日本代表の1ページが開きます。フィジーまで届く熱い応援をお願いいたします。 本日の練習後、チーム全員で、かつて日本代表として活躍し、32歳の若さで他界したパティリアイ・ツイドラキ選手のお墓参りを行いました。 ツイドラキ選手の眠るお墓のある村では、村長であるツイドラキ選手のお父様が出迎えてくださり、お墓まで案内していただきました。 墓前では、カーワンヘッドコーチから「彼は偉大な選手でした。何度も一緒に試合をしましたが、試合後いつも笑顔で話しかけてくれた彼を思い出します。(ツイドラキ選手の2人の息子さんへ)お父さんを誇りに思ってほしい」と語りました。ツイドラキ選手のお父さんからは、「今日は本当にありがとうございました。明日の試合はぜひ、良い試合をしてください」という言葉をいただきました。 チーム全員、パットに明日の試合の勝利を約束し、お墓を後にしました。 明日は、きっとパットも一緒に戦ってくれると思います。 ◎カーワンヘッドコーチ 「明日の試合を本当に楽しみにしている。明日の試合は、我々の本当の船出、スタートを切る日になる。このチームに、気候がどうこうというエクスキューズはない。どうであろうと明日のゲームをしっかりやることが大切になる。 明日の試合は、日本にとっても、フィジーにとっても、自分たちが現在世界のどのレベルにいるのかを知る試合になるであろう。結果よりも、この2ヶ月やってきたことが試合で出せるかというプロセスを重視している。日本のスタイルを見せたい。選手は我々がやりたいことを十分に理解してくれている。ただし、80分間それをやるには、勇気がいる。プレッシャーがかかったときでもやり通す勇気を出せるかどうか。明日、何をやりたいかどうかよりもチームとして何をやるかが大事。"侍"のようなアタックをしたい。試合後、日本は素晴らしいチームだったと尊敬を受けるような試合をしたい」 ◎箕内キャプテン 「フィジーに入ったときは、移動の疲れもあったが、徐々に慣れてきました。暑いなか、声を出して頑張ってきました。明日の試合では、ディフェンスで相手のアタックのオプションを減らしていきたい。そこで気持ちも抜ける場面があると思うので、フィジーを突くとすればそこの部分。精神力というか気持ちの部分で常に上回っていたいと思う。守りまくるというか、粘り強いディフェンスを心がけたい。彼らは、セブンズがベースにある。1人1人のアタックの力はあるのと思うので、我々はそれを組織で止めたい。 これからの試合は、これまでの4試合とはまったく違う。明日からは本当のテストマッチ。緊張感もあります。相手は若いメンバーですが、我々は相手がどういうメンバーであっても勝つ。フィジーに勝つことで自信がつく。今のメンバーで勝つことが大事だと思っているのでしっかりとした試合をしたい」 ウォーミングアップからスイッチが入る 選手全員がよく声を出して気持ちを高めていく アタックを確認するフィジー戦メンバー 素早いサポートでワイドに展開 メンバー外も激しいフィットネスを実施 練習を見守る首脳陣 ツイドラキ選手の墓前で明日の勝利を誓う カーワンHCとパットのお父様とふたりのお子さん ●5月24日(木) フィジー 本日は、チームは終日オフ。午前中、FW陣が宿舎内広場にてラインアウトのチェックを行った以外は、基本的にチームの活動は行わず休養にあてました。 ビーチに行ったり、仲間同士で釣りに出かけたり、部屋でのんびりしたりと、各々リラックスした休日を過ごしました。 選手15名・スタッフ7名で出かけたビーチは、フィジー等で有数の綺麗さを誇るといわれ、エメラルドグリーンと真っ青な海が我々を迎えてくれました。早速、海に飛び込んだり、波打ち際をゆっくりと散策したりと観光客のほとんどいないビーチを満喫しました。滞在中は、現在そのビーチに一つしかないリゾートホテルにお世話になりました。わずかな滞在でしたが、綺麗な海と温かい人のおもてなしに心身ともにリラックスできたようです。 また、夕食時には、いつもと違うメニューが一品増えていました。それは、釣りに出かけた選手たちが釣ってきた魚。釣ってきた魚をホテルのスタッフが調理してくれたようです。釣り上げたのは、佐藤剛選手とのこと。とても美味しい魚でした。 いよいよ、明日はフィジーで最後の練習です。フィジー戦のメンバーも発表され、本日のオフで英気を養った選手たちは、土曜日のフィジー戦に向け、より一層集中してくれると思います。 日本で勝利を願ってくれているサポーターの皆さんのためにも良い試合をして勝ちたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願いします。 綺麗な海を満喫 ゆっくりリラックスできたようです お世話になったホテルのスタッフと記念撮影 ●5月22日(火) フィジー 4日目を迎えたフィジー遠征。今日は、午前中をオフとして休養にあて、午後からグラウンドでトレーニングを行いました。 練習前には、フィジー戦に向けたミーティングを実施し、フィジーの戦術等のイメージ共有を図りました。 グラウンドでは、ディシジョンメーキング、パススキル等のウォーミングアップを行い体を温めてから、チームランに入りました。チームランでは、スクラム・ラインアウト等のセットプレーからのアタックを中心に様々なシチュエーションを確認しました。選手同士のコミュニケーションも格段に良くなり、アタックの精度も高くなりました。これまで取り組んできたオプションも随所に組み込まれ、効果的なアタックが生まれるようになってきました。もちろん、次戦のフィジー戦を見据えたアタックオプションの確認にも余念がありません。日本の持ち味を存分に発揮したチームランとなりました。 その後は、FW(フォワード)とBK(バックス)に分かれ、FWはスクラム・ラインアウト、BKはキックスキルとムーヴの確認を行いました。 FWは、本日から合流したクリス・ギブスFWスポットコーチが、日本代表が目指すスクラム・ラインアウトを完成するべくエッセンスを注ぎました。スクラムは、低さ・鋭さを、ラインアウトは、早さを追求していきます。ラインアウトが現在の日本代表の課題となっていますが、ギブスコーチは、「CABの1戦目で崩れたラインアウトを3日後の第2戦で修正して見せた。僅か3日で修正できるということは、必ずもっと成長できる」と話しました。今日のトレーニングでも、いろんなラインアウトオプションを試しましたが、非常に良い形でコンビネーションが取れていました。 BKは、セットからのムーヴの確認を実施。長短のパス、キックなど様々なアタックオプションをチェック。攻撃的なアタックでトライを奪うべく、何度も何度も確認していました。 練習後もほとんどの選手が個人練習をこなし、スキルアップを目指しています。これから始まる、パシフィック・ネーションズカップで結果を残すため、選手たちも意欲的に取り組んでいます。 今朝の新聞では、カーワンヘッドコーチのインタビューやトレーニングの様子が伝えられるなど、現地でも試合への期待感は高まっています。フィジー戦まで、残すところ4日。しっかりと準備をして、初戦を迎えたいと思います。引き続き、ご声援を宜しくお願いいたします。 ウォーミングアップ ディフェンスを引き付けスペースへ仕掛ける 様々なオプションを使ったチームラン 積極的にアタックしトライを狙う スクラムについてギブスコーチと話し合うフォワード陣 低く鋭いスクラムを追及する さらなる成長が期待できるラインアウト 練習後、個人練習に取り組むバックロー陣 ●5月21日(月) フィジー フィジー遠征3日目。到着後、初めてのグラウンド練習となった本日は、午前・午後の2部練習で汗を流しました。朝から燦燦と照りつける太陽の下での練習となりましたが、選手たちは、疲れの色も見せず、積極的に動きました。 午前中は、FW・BKに分かれてウェイトトレーニング、グラウンドトレーニングをこなしました。ウェイトでは、太田正則コーチの下、試合期でも筋力を落とさないようしっかりと追い込みました。グラウンドでは、ドゥーリー アシスタントコーチが、ディフェンス特にタックルを中心に数種類のドリルを行いました。この背景には、先日のクラシック・オールブラックス戦で浮き彫りになったラックサイドのディフェンスが上げられます。自分たちより体の大きい選手でもしっかりと倒し、激しいブレイクダウンを制することが、日本代表が世界と戦う上で重要なポイントになります。そのために、相手を引き倒すようなタックルや、ラックのコンテスト場面でのパワーポジションなどを中心にトレーニングを行いました。 午後は、ウォーミングアップの後、チームを2つに分け、ムーヴの確認を実施。これまでに使ってきたものに加え、いくつかのパターンを追加しました。周りの状況を把握しながら、的確なムーヴが使いこなせるよう繰り返し行われました。 その後は、ラックテクニックとディフェンスシステムの確認を行い、日本代表の生命線となるラックの精度を上げるべく、ディフェンスをつけた激しいものとなりました。ディフェンスシステムの確認では、ラックシチュエーションからのディフェンスを繰り返し、チェック。立ち位置、出方などの意思統一を図りました。 さらに、タックルスキルドリルを実施。CAB戦での課題克服に努めました。 練習の最後に、DF付のチームランを実施。セットプレーからのアタック・ディフェンスを確認しました。うだる様な暑さの中での練習でしたが、集中力が途切れそうになると誰からともなく、声が飛び交う意識の高い練習となりました。 明日は、午前中がオフとなり、午後からの練習となります。暑さが続くフィジーですが、徐々に選手たちの体も慣れ、土曜日の試合に向け、いい準備ができると思います。引き続き、応援を宜しくお願いいたします。 相手を見ながらDFポジションをとる 自らタックルの見本を見せるドゥーリー アシスタントコーチ 激しい練習となったラックスキル 現地メディアの質問に答えるカーワン ヘッドコーチ 新たなムーヴの確認も行った ディフェンスシステムのドリル。自分の役割を再認識した 一人目がしっかりと止める スペースを有効に活用する 初日から集中したトレーニングが行われた ●5月20日(日) フィジー 5月26日にフィジー・ラウトカで行われる「2007 Pacific Nations Cup フィジー対日本」のために、日本代表30名は、19日(土)に成田を出発し、本日、早朝、ナンディに到着しました。 ナンディ空港では、フィジー政府観光局よりレイが贈られ、フィジー日本人会の皆さんが、事前に日本代表の応援フラッグをあちこちに配布いただき、非常に温かい歓迎を受けました。 選手は到着後、早速、移動の疲れを取り除くため、施設内の広場を使ってストレッチを行い、体を解しました。午後は、この日サモア・アピアで行われた「2007 Pacific Nations Cup サモア対フィジー」をテレビで観戦。今後、対戦するそれぞれのチームをチェックしました。試合は、サモア代表がフィジー代表を8-3で下し、勝利を収めました。 試合観戦後、施設内プールにて、明日からのトレーニングにスムーズに入れるようにリカバリーを行い初日を終えました。 明日から、本格的なトレーニングがスタート。カーワンヘッドコーチが話したとおり、春シーズンの照準をこの大会に定めています。大会での優勝を目指すことはもちろんのこと、フィジー・オーストラリアAとは、本大会でも対戦しますが、真っ向勝負で挑み、この前哨戦を制し、本大会に向かいます。 まずは、今週末に迫ったフィジー戦に向け、チーム一丸となって良い準備をしていきます。引き続き、日本代表の応援をよろしくお願いいたします。 フィジー観光局よりチーム全員にレイが贈られた 到着後、選手全員でストレッチを実施 抜けるような青空の下で体をほぐす 全員でサモア対フィジー戦をテレビ観戦