新春の国立競技場で繰り広げられる準決勝2試合。国立には魔物が棲むといわれ、幾多の強豪校が決勝を前に涙を飲んだ。今年はどんなドラマが生まれるのか。真冬の激闘に期待したい。
全国大学選手権大会組合せ

全国大学選手権大会プレビュー

1月2日(金)at 東京・国立競技場
12:15キックオフ 第1試合
早稲田大学 vs 東海大学

8年連続の国立となった早稲田大学と初の国立の舞台に立つ東海大学の対戦となった。早稲田大学は、FB田邉の復帰により若いBK陣に芯が通り、CTB宮澤・長尾の堅実なタックルも光る。FWもNo.8豊田主将、PR瀧澤を中心に良く動く。特にHO有田のブレイクダウンの激しさ、ランナーとしての資質は規格外だ。二回戦からの修正点は、やはり24失点を喫したディフェンス。東海大も得点力は高いだけにトライの奪い合いは避けたいところ。

対する東海大学は、FW・BKのバランスがよく、攻守に渡り安定している。チームの核としては、日本代表FLリーチと豪快なランニングが持ち味のNo.8マウの2人の名前がまずあがる。この2人がボールを持つと一気にアタックラインが前に出てくる。ゲームをコントロールするSO市原も上手くボールを散らしながら、隙あらば自分で仕掛ける強気な面も除かせる攻撃型SOとして一年生ながら司令塔に君臨する。ディフェンシブなゲームにも、点の取り合いにも対応できるチームという印象がある。6度目の出場で手にした初の国立の舞台で昨季王者撃破を虎視眈々と狙う。

1月2日(金)at 東京・国立競技場
14:00キックオフ 第2試合
帝京大学 vs 法政大学

2年連続の国立となった帝京大学。しかも今年は昨年度の大学王者を破り対抗戦1位、優勝候補の一角としての登場。それでも岩出監督以下、選手たちに気負いはない。ベースになっているのは、厳しい練習、徹底的なウェイトトレーニングで培った揺ぎ無い自信だ。LOボンド、FLツイの骨惜しみしないプレー、PR平原を中心とした強力なスクラム、No.8野口のインパクトあるプレーは他のチームにとって脅威だ。大型SO徳永がリードするBKラインも、CTB井本・南橋と攻守にバランスよい選手が揃っている。二回戦では、ちょっとした気の緩みからミスを多発した時間帯もあった。もう一度気を引き締めて決戦に備えたい。

対する法政大学は、選手権に入っても自慢の展開力が光る。一回戦の立命館大、二回戦の関西学院大と関西のチームに対し、グラウンドを大きく使ったダイナミックなラグビーで圧倒してきた。SH日和佐、SO文字のHB団は、ゲームコントロール能力に長け実力は大学トップクラス。そこに、運動量豊富なFL有田主将やHO山森ら屈強なFW陣が絡みランニングラグビーを展開する。二回戦での負傷者の様子が気になるところだが、一発勝負の国立の舞台、何が起こるか分からない。法政フィフティーンがグラウンドを縦横無尽に走り回ることができれば、勝利は近づいてくるだろう。