NZとの練習試合の前に指示を与える村田監督(中央)と岩渕コーチ(左)。チームの成長に手応えを感じている   NZとの練習試合でもキレのある動きでチャンスを作った横山は先発で起用されそうだ   NZとの練習試合でもトライを奪うなど、存在感をアピールした山本   NZとの練習試合では、激しいコンタクトなしとはいえ、7分間3セットでトライ数3本ー4本という互角の戦いをしてみせた(写真中央は岩本)
NZとの練習試合の前に指示を与える村田監督(中央)と岩渕コーチ(左)。チームの成長に手応えを感じている   NZとの練習試合でもキレのある動きでチャンスを作った横山は先発で起用されそうだ   NZとの練習試合でもトライを奪うなど、存在感をアピールした山本   NZとの練習試合では、激しいコンタクトなしとはいえ、7分間3セットでトライ数3本ー4本という互角の戦いをしてみせた(写真中央は岩本)

「ワールドカップセブンズ2009 ドバイ大会」の開幕を翌日に控えた4日、7人制日本代表(男子)がニュージーランド(NZ)との練習試合を行った。
激しいコンタクトなしの7分間3セットという変則スタイルで行われた試合、日本は優勝候補のNZに対して互角の戦いを繰り広げた。
最初の1本目。
村田監督がピッチに送り出したのは、大会初戦の南ア戦でも先発が有力視される以下の7人だった。

1.マイケル・リーチ 2.松下馨 3.アリシ・トゥプアイレイ 4.鈴木貴士 5.山本秀文 6.岩本健一朗 7.横山伸一

いきなり試合開始直後に課題のキックオフでミスが出たものの、村田ジャパンがこだわり続ける一体感のあるDFはNZ相手にも機能。何度かターンオーバーからチャンスもつかむなど、互角と言っていい攻防が続いた。
試合が動いたのは5分。敵陣深くでNZのSHにギャップをつかれて大きなゲインを許した後、楽々ボールをつながれてトライまで持っていかれる。
最初の7分間はこのNZのトライのみの0本対1本で終了した。

「まずは予選プールでの3試合に全部勝つこと」をワールドカップでの目標に掲げる村田監督。
そのための現実的なゲームプランとして考えられているのが、前半しっかり守って僅差で折り返して、後半は積極的に攻めて勝負をものにするというパターン。
その意味では、ホールドルールの練習試合とはいえ、NZ相手に最初の7分をトライ1本に抑えられたという点は十分評価していいものだった。
「みんなのフィットネスが良くなって、すっとDFし続けられる体力がついてきた。アメリカの時(全敗に終わった2月のIRBセブンズ・ワールドシリーズ・サンディエゴ大会)に比べて、本当にDFが良くなった」(鈴木主将)
そんな選手サイドの守りに対する自信を裏付ける最初の7分間でもあった。

期待されていた山口だが、ドバイ入りしてからの練習で右肩を脱臼。登録メンバーから外れた   大会では後半からの出場が濃厚な成田。NZとの練習試合でも、持ち前のスピードで度々チャンスを作った  
期待されていた山口だが、ドバイ入りしてからの練習で右肩を脱臼。登録メンバーから外れた   大会では後半からの出場が濃厚な成田。NZとの練習試合でも、持ち前のスピードで度々チャンスを作った  

そして2本目。練習試合ということもあって、メンバー全員が入れ替わることになった。2本目のメンバーは以下のとおり。

1.桑水流裕策 2築城昌拓 3.徐吉嶺 4.成田秀悦 5.長野直樹 6.レプハ・ラトゥイラ 7.末松勇喜

もちろん、本大会では全員を交代させるわけにはいかないが、それでも、後半、積極的な選手交代からアタックのリズムをつくっていくプランは、前述のとおり村田監督の頭の中にはある。
そのひとりのキーマンとして考えられているのが成田。
NZとの練習試合でも、いきなり見せ場をつくった。
2本目の開始早々。スピードで相手DFの裏に出た後、その外についた築城、さらに徐と渡って、日本にとっての初トライを記録した。
「後半、成田を投入してスピードアップした攻めからチャンスをつくりたい」という村田監督の思惑どおりのプレーでもあった。

その後、試合は一進一退の展開で進み、3本目の7分に飛び出した山本のトライでトライ数は3-3。
そのまま同トライ数で終わるのかと思いきや、後半8分過ぎにNZボールのラインアウトで試合は再開。最後のワンプレーで自陣からボールをつながれて決勝トライを奪われ、トライ数3対4で終了した。

「NZは最後、本気で勝ちにきた。こちらとしてはしてやったり」
村田監督は最後に取られたことを反省しながらも、NZ以外でも、フィジー、豪州といった強豪国との練習試合でも、互角の戦いを見せる時間帯が多くなってきたことで、「どんな相手でも名前負けしなくなった」という手応えをつかんでいる。
DFが完全に機能するようになったこともあって、ドバイ入りしてからはアタックの練習と多くの実戦(NZ戦も含め、ドバイ入りしてから計5試合の練習試合が組まれた)によって、最後の仕上げが行われてきた村田ジャパン。
課題だったキックオフ、スクラムの安定度も確実に上向きになってきており、チーム全体に自信がみなぎった状態で、大会初日に予定されている南ア戦(日本時間6日未明)に臨む。