キャンプリポート|スケジュール ■2009年5月1日(金) 香港 日本代表香港遠征6日目。いよいよ、明日に控えた香港戦を前に、日本代表チームはキャプテンランを行い試合に備えました。 15時からウォーミングアップを開始し、試合日に行うウォーミングアップを、試合日と同じ場所で行いました。 その後、ラックテクニック、FWがラインアウト、BKがランナーシステムとそれぞれ確認を行い、菊谷キャプテンにタクトが託されました。 キックオフから敵陣・自陣の想定される各地域のアタックを入念にチェック。軽く走る程度でしたがしっかり集中して試合のイメージを持って行われました。 香港戦への準備は整いました。昨日の記者会見で菊谷キャプテンは「日本らしいラグビーを見せたい」と語りました。新たに取り組んでいるシステムも徐々に浸透し、形になりつつあります。カザフスタン戦よりも成長した姿を見せてくれるはずです。 皆様の応援よろしくお願いいたします。 試合PRに出演した両ヘッドコーチ One Teamで戦う しっかりと体を温める トレーニングを見守るJK ディフェンスコミュニケーション SHの選択肢を増やすためにしっかりサポートに入る 日本代表のベースとなるDF ポイントができた時点で内側に立つ人間がアピール 田中・大田尾のHB団で試合を組み立てる 安定したラインアウト ■2009年4月30日(木) 香港 日本代表香港遠征5日目。 今日の日本代表チームは終日オフ。周辺に観光に出かけたり、自室でゆっくりと自分の時間を楽しんだりと試合に向けてそれぞれで調整しながら体を休めました。 そんな中、JK、菊谷キャプテン、青木選手、田中選手は、今大会のタイトルスポンサーを務めるHSBC主催のプレスカンファレンスに出席しました。 HSBCは、香港最大の銀行であり、中国銀行、スタンダード・チャーター銀行に並び香港ドルを発券できる銀行の一つです。香港本社ビルは、香港島の中心地区である中環(セントラル)に聳え立つ44階建ての高層ビルです。今回の記者会見が行われた28階のカンファレンスフロアーは、九龍島が一望できる素晴らしい会場でした。 16時から行われたプレスカンファレンスでは、香港上海銀行のフロックハートCEOの歓迎の挨拶があり、その後、ギャラハーIRBアジア地区担当、日本代表からJK、菊谷キャプテン、香港代表からヘッドコーチ、キャプテンが壇上に立ち、トークセッションが行われました。司会者からは、JKに「アジア五カ国対抗がアジアラグビーにもたらすものは?」といった質問や、菊谷キャプテンに「現在のチームの状況や、昨年の香港戦を戦った香港代表の印象は?」といった質問が投げかけられました。続いて質疑応答、フォトセッションが行われ、第1部を終了。 その後、会場を隣に移し、簡単なドリンクやフィンガーフードをとりながら、香港代表選手や報道陣との交流を深めました。 こちらの夜のニュースでも今日のプレスカンファレンスの様子が紹介され、試合への期待が高まりつつあります。 いよいよ、日本代表チームは明日キャプテンランを行い、香港戦に備えます。 日本のファンの皆様の期待に応える激しい試合をしたいと思いますので、応援の程よろしくお願いいたします。 アジア五カ国対抗のトロフィー アジア大会のトロフィーと、優勝プレート 会に先立ちHSBCフロックハートCEOから歓迎のあいさつ 多くの報道陣が集まったプレスカンファレンス 壇上でのJKと菊谷キャプテン 両チームのヘッドコーチ、キャプテンが参加 イベントに参加してくれた子供たちと一緒に 参加した両チームで記念撮影 プロモーションボールを手にした青木選手(左)と田中選手 健闘を称えあった両キャプテン ■2009年4月29日(水) 香港 日本代表香港遠征4日目。本日の香港も快晴。暖かい一日となりました。 今日の日本代表チームは、午前中にFW・BKに分かれてウエイトトレーニングを行い、その後グラウンドでユニットトレーニングを行いました。今回のウエイトトレーニングで使用したジムは、昨年11月に行われたブレディスローカップの際に、オールブラックスが使用したジムで、広さや設備も申し分なし。しっかりと試合に向けたトレーニングができました。グラウンドでのユニットトレーニングもFWは、歩きながらラインアウトのフォーメーションの確認、BKは、パスアクティビティとランナーシステムの確認という形で午前中の練習を終えました。 午後は、香港戦前の最後のトレーニングということで実戦を想定したリアルラグビーを行うなど内容の濃いものとなりました。 グリッドを使ったウォーミングアップから、キックキャッチ、パスドリルと行い、2つのステーションに分かれランナーシステムの確認に入りました。このドリルは、日本代表のベースとなるJKジャパン誕生当初から取り組んできた2種のランナーシステムを繰り返し行うものでしたが、簡単なミスが続いてしまいました。このドリル終了後、全員を集めたJKは、「このシステムは、今まで何回やってきたんだ?それなのにまったく良くなっていない。皆目を覚ませ!」と強い口調で檄を飛ばしました。その後に行われたタッチラグビーでも同じようなミスを繰り返し、チームのリズムを取り戻せないままリアルラグビーに入りました。 そのリアルラグビーにおいても、狂ったリズムは修正できずJKの怒りも頂点に達し、急遽フィットネストレーニングを間に挟みながらのトレーニングとなりました。選手たちも修正するべき点を理解した上での内容だけに、口々に「切り替えよう」、「試合でもしんどい場面があるから、対応しよう」と自分たちを鼓舞しながらそれぞれの状況でのゲームプランを確認しました。 練習後の円陣では、JKから「みんなが、ここにいるということは日本を代表しているということ。日本代表としての誇りを持たなければならない。もし、それが持てないようであれば、ここにいる必要はない。全員が、日本代表である誇りを持ってプレーして欲しい」と選手たちに語りかけました。その後の選手たちだけで組まれた円陣では、それぞれが口を開き「もっとコミュニケーションをとろう」「言われる前にやろう、やるのは自分たち」等、全員で戦う気持ちを一つにして練習を締めくくりました。 明日は、終日オフとなり試合前の休息をとります。JKと菊谷キャプテンは、HSBC本社で行われるプレスカンファレンスに出席します。 黙々とウエイトをこなすFW陣 珍しい腹筋マシーンに遭遇。フッカーのスローイングトレーニングにも活用できそう 当たり負けしない体を作るBK陣 菊谷キャプテンのキャプテンスピーチからトレーニングがスタート 高層ビル群に包まれた香港フットボールクラブのグラウンド キックキャッチからパス 瞬時に距離が変わるパンチパスを意識したパスアクティビティー ハードルに入る姿勢のままヒットする DFラインを超えたら仕留める スペースに走りこみ防御網を突破する ランナーシステムやリズムを意識したタッチラグビー 安定したキックオフ ポイントができると同時にDFラインを揃える 内側のプレーヤーが素早くキーポジションに入る ミスが多く途中フィットネストレーニングも組み込まれた SHに圧力をかけつつ、ATに備える ■2009年4月28日(火) 香港 日本代表香港遠征3日目。香港は、朝から好天に恵まれ、香港特有の熱気に包まれました。 午前中は、1オン1ミーティングを行ったり、ウエイトトレーニングを行ったりと、選手それぞれに任せる形で過ごしました。 午後は、練習前にミーティングを行ってから宿舎を出発し、グラウンドでのトレーニングを開始しました。 スタート前に全員を集めてJKが、選手たちに今日のトレーニングの内容とターゲットを話し、その後、菊谷キャプテンの「元気出していこう!」という声で一つになってウォーミングアップを開始しました。 今日のウォーミングアップも、ビジョンドリルからスタート。コミュニケーションをとることはもちろんのこと、広い視野を持って、グラウンドの状況を把握することを目的に必ず組み込まれています。そのまま、ランニングスキルを兼ねトライラインからトライラインまでをグラウンドの各ラインにあわせて徐々にスピードを上げていきました。その後、チームを2つに分けてキックキャッチとパスドリルを交互に実施しました。 そして、ボールプレゼンテーション、パワーフット、コンタクトドリルの3つのステーションを回るスキルローテーションを行い、基本スキル向上を目指しました。先日のカザフスタン戦でも選手たちが合宿で取り組んできたことに果敢にチャレンジしていましたが、さらに自分たちの武器にすべく繰り返し練習が行われました。 続いて、今日のトレーニングのターゲットであるラックテクニックに移りました。アタック4人、ディフェンス4人で行われるこのドリルは、スキルローテーションのすべての要素が含まれています。練習の強度も一気に上がり、激しいコンタクトが繰り返されました。 その後は、再びスキルローテーションを行いました。この中では、タックルスキルにフォーカスされ、ダブルタックル、タックルのフットポジション、タックルのインパクトの3つのステーションを回りました。 そして、チームディフェンスに発展させ、狭いスペースと広いスペースを想定したディフェンスコミュニケーションを行い組織ディフェンスの向上に努めました。 この後、FW・BKのユニットに分かれてトレーニングを行い、FWは1対1から8人のヒットを意識付けるスクラムと、ラインアウトのコミュニケーションを行い、BKはパススキルとディシジョンメーキングを養うドリルを行って練習を終えました。 練習後はしっかりとストレッチを行い、アイスバスに入り、リカバリーフードを摂ってグラウンドを後にしました。 明日は、午前中にウエイトトレーニング、午後はグラウンドでのトレーニングを行います。 練習前に今日のターゲットについて話すJK 一点に集中しながら多くの情報を収集する 走りこみながらハンズアップでボールをキャッチする パンチパスを意識したパスドリル タックラーを剥がしにかかる より遠くへボールを置く 相手の近くで踏み込み手を活かしてコースを変える タックルを受けても一歩でも前へ 激しいコンタクトが繰り広げられたラックテクニック タックルスキルを確認する タックル時のインパクトを意識したドリル ダブルタックルを繰り返す チームディフェンスを確認する ポイントができたらすぐにDFラインを整える 内側からボールキャリアーにしっかりアプローチする 飛ばしパスに対しても一人一人が対面の選手をおさえる ボールを持った瞬間に前に出るDFライン 8人のコミュニケーションを意識したスクラム アタックの判断力を養うBK陣 苦手(?)のアイスバスに入る田中選手と笑顔の五郎丸選手 ■2009年4月27日(月) 香港 日本代表香港遠征2日目。本日から香港戦に向けたトレーニングを開始しました。高温多湿のイメージがある香港ですが、ここ最近は涼しいらしく、思ったほど蒸し暑くありません。選手たちの体調面を考えても過ごしやすい気候です。 移動の疲れを考慮し、午前中をオフとしたチームは、昼食前にチームミーティングを実施し、先日のカザフスタン戦のレビューを行いました。その中で、カーワンヘッドコーチは、強い言葉で「我々はもっとできる。次の香港戦ではカザフスタン戦よりも50%以上成長した試合をしよう」と語りかけました。 昼食後は、FW/BKのユニットミーティングを実施。チームミーティングよりも細かな部分を確認しました。 そして、そのままグラウンドに向かいトレーニングを開始。試合→飛行機による長時間の移動ということで、慎重にウォーミングアップを行いました。入念なストレッチの後、ラダーを使って短い時間でしっかりと筋肉が速やかにトレーニングに入れるように筋温を上げました。そのままビジョンドリルに移行し、続いてミニハードルを使った瞬発系のドリルとラックに低く入ることを意識したドリルを2グループに分けて行いました。 W-upの後は、2対2、3対2、コンタクト後のボールのいかし方の3つのステーションを周るスキルローテーションを実施。それぞれのステーションで求められる判断力を磨きました。それぞれ、先日のカザフスタン戦からの課題となっていた部分であるだけに、早急に修正すべく、取り組みました。 その後は、アタック時のディシジョンメーキングを養うドリルを行い、ギャップの見極めとストレートランの意識付けをして、FW・BKに分かれました。 FWは、ラインアウトを中心に個人スキルからコンビネーションを行い、最後にスクラムのコンビネーションをあわせました。 BKは、パスドリルと、パススキルを応用させたディシジョンメーキングドリルを行いました。 練習の強度は高くはありませんでしたが、選手たちの意識は既に香港戦を見据えており、移動初日の練習にも関わらず集中したトレーニングが行われました。明日は、午前中に1オン1ミーティングを行い、午後からグラウンドでトレーニングを行います。 練習前に菊谷キャプテンを中心に円陣が組まれ、一気に気持ちを高める ラダーを使って筋温を上げる 2人1組でしっかりストレッチ 入念にストレッチを行う選手たち 本日の香港は23度。過ごしやすい天候の中で練習が行われた 日本代表のベースとなるトレーニングの一つであるビジョンドリル 低く入る意識を高く持つ 腕をしっかり振って素早くハードルを越える 2対2のシチュエーションでディフェンスを引き付けて抜く コンタクト後のボールを繋ぐ意識を持つ 突破した選手に後ろからすぐにサポートに入る 裏に出たら広い視野でボールを展開する ギャップをつき一気に仕留める ストレートランでDFを切り裂く 体幹を使ったスローワーのスキルトレーニング ジャンパーのスキルトレ。ジャンプは沈まずに飛ぶ サポーターのスキルトレ。メディシンボールを真上に高く グラウンドを大きく使ったパスドリル コンビネーションを含めたラインアウト 多彩なオプションを持つラインアウトへ 練習後はアイスバスでクールダウン&リカバリー ■2009年4月26日(日) 大阪ー香港 2009年度の日本代表初戦を勝利で飾った日本代表チームは26日、次戦の試合開催地となる香港へ移動しました。 昨日の試合後、宿舎に戻りチーム全員参加のチームイベントを実施し、これまでの合宿を振り返りつつ、試合の勝利をかみ締めました。会を締めるに際し、カーワンHCは、「我々は、これからまだまだ伸びることができる。少なくとも今日の試合から50%は高めることができる。次の香港戦で爆発しよう」と話し、菊谷キャプテンからは、「1チームとなって、もっともっと高めていこう」と更なる成長を誓いました。 今朝は、早朝7時にホテルを出発し、関西空港へ向かい午前10時のフライトで香港に向かった日本代表チーム。現地時間午後2時過ぎに香港国際空港に到着しました。到着後バスでホテルに移動する際には、選手間で選ばれたツアーコミッティメンバーが、香港を簡単にガイドしてくれました。第1号車は田中選手、第2号車は中山選手が担当。香港の歴史や、基本情報などを入念に調べて皆に紹介してくれました。 宿舎到着後は、リカバリーフードを摂り、プールに向かい、移動の疲れを残さぬよう、しっかりと体をケアしました。 明日は、午後からグラウンドでトレーニングを行います。次戦の香港戦にもファンの皆様の温かい応援をよろしくお願いいたします。 25日の試合で記念すべき初キャップを獲得した5名の選手たち 空港からホテルに向かうバスの中 ツアーコミッティの中山選手。しっかりと香港を紹介してくれました