「リポビタンDチャレンジ2012」JAPAN XV-フレンチ・バーバリアンズ第1戦が20日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた。日本代表スコッドの若手選手中心で臨んだJAPAN XVはセットプレーで崩され、前半だけで4トライを献上。後半は2トライを挙げて追い上げたが21-40で敗れた。開始1分で簡単にタックルを外されてトライを許すなど、「ファイトするところが見られなかったパフォーマンス」にエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の怒りが爆発。
 24日の第2戦でチーム一丸となって汚名返上に挑む。

(text by Kenji Demura)

若手が戦う姿勢を見せられず、百戦錬磨の欧州ラグビーに完敗

 開始1分で奪われた先制トライを皮切りに前半だけで4トライを重ねられ、ほぼ勝負を決められて迎えたハーフタイム。ロッカールームでジョーンズHCの怒りが爆発した。「学校の先生のように、金切り声を上げて叱咤した」。ある出場選手によると、持っていたノートを投げつけ、「全員、ジャパンをやめてしまえ」という言葉まで飛び出したという。

チーム全体としては戦う姿勢が前面に出なかったJAPAN XVだったが、WTB竹中など個々にアピールした若手も
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 確かに、前半の40分間、若いメンバーで臨んだJAPAN XVは、フランス代表49キャップを誇るHOウィリアム・セルバ主将を筆頭にフランスのトップクラブで活躍する猛者ばかりで構成されたフレンチ・バーバリアンズに子供扱いされた。特に、スクラムとラインアウトは、マイボールもほとんどキープできずに完全に崩壊。セットプレーで後手に回ったことで、相手にいったんボールを渡すと中途半端なDFに終始して、懐深く、スピードもあるアタックをまったく前で止められないシーンばかりが続いた。

 何よりも、ジョーンズHCを激怒させたのは、チャンスを与えられた若手の多くからファイティングスピリットを感じられなかった点だ。「ファイトするところが全く見られなかった。フィジカル面では、前半、フレンチ・バーバリアンズにやりたいようにやられた。勇敢さという面は全く見えなかった。タックルしない選手は2度と日本代表としてはプレーさせない」

 もちろん、CTB仙波智裕が「あんなスクラムは見たことなかったし、バックスにもいい選手がたくさんいた」と評したフレンチ・バーバリアンズは、戦前にジョーンズHCが評した「スクラムとピック&ゴーとキックチェイスだけのチーム」よりも総合力の優れたチームだったことは確かだ。試合後は、ジョーンズHCもフレンチ・バーバリアンズが「ファーストクラスの対戦相手」であることを認め、ラグビー界では特別の重みを持つ「バーバリアンズ」の名前を持ち、W杯準優勝国から来たチームは、アジア5カ国対抗はもちろん、パシフィック・ネーションズカップでの対戦相手とも違う、ヤングジャパンにとっては異次元の強さを持つチームだった。

 その異次元の強さを持つ相手に、若いメンバーたちのパフォーマンスからは残念ながらあまり「本気度」が伝わってこなかった。「プライドのなさにがっかりした。日の丸を背負ってプレーする資格がなかった」(LO篠塚公史)

「日曜日は少しでも変わったというところを見せたい」(廣瀬主将)

 ハーフタイムのジョーンズHCからの喝も影響した面もあったのだろう。前半はCTB田村優のブレイクからつかんだチャンスにSO小野晃征とFB長友泰憲のループプレーから小野が潜り込んで奪ったトライシーン以外はほぼ見せ場がなかったのに比べて、後半は「攻撃面ではよく訓練されて、クオリティの高いプレーぶりだった」(フレンチ・バーバリアンズ ロラントラベールコーチ)と敵将から賞賛を受けたアタックで観客を沸かせるシーンが多くなり、14-8とスコアで上回った。

後半27分のNO8伊藤のトライでいったんは11点差に迫ったが、終盤引き離された
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 後半1分、敵陣22m内のラインアウトからLOマイケル・ブロードハースト、FL村田毅というジュニア・ジャパンからの抜擢組が前に出て、SO小野がさらにゲインラインを突破してチャンスを広げ、ラックからPR山下裕史-CTB田村とつないでトライ。27分には、自陣のペナルティキックから途中出場していたSO立川理道、田村、仙波の両CTBのブレイクからチャンスをつかみ、最後は大外で待っていたナンバー8伊藤鐘史が余裕を持ってトライを決め、点差をひと桁にまで縮めた。

 ただし、ヤングジャパンの反撃はここまでだった。「確かに、後半はよくなったが、現実的には前半で勝負は決まってしまっていた」。体を張ってプレーしていたLOブロードハーストが振り返ったとおり、試合巧者という意味では数段上だったフレンチ・バーバリアンズに終盤1トライ、1PGを加えられ、最終的には21-40というダブルスコアに近い点差をつけられた。

 「まだ、整理できていない部分もあるが、勝つ文化みたいなものが足りないのかもしれない。日曜日にもう一度チャンスがあるが、少しでも変わったというところを、選手ひとりひとりで示したい、エディーさんを信じて、そして選手を信じて、もう一度やっていきたい」。記者会見でジョーンズHCから叱責される場面もあった廣瀬主将は、屈辱的な敗戦の後、そう前を向いた。

 百戦錬磨の相手に対して、ジョーンズHCが言う「ファーストクラスでの経験」がほとんどない選手構成とはいえ、桜のジャージーを着た以上、絶対に勝つという強い気持ちで臨むのは当たり前のこと。この日、「彼らが変わらなければ、2度とジャパンとしてはプレーできない」と酷評された選手たちは、それは身をもって体験したのは間違いない。「後半できるなら、最初からできるはず。最初から100%出せるようなタフな選手になっていかないといけない。ひとりひとりが変わっていかないと結果は変わらない」(SO小野)

 あの屈辱があったから、今がある──。3年後、目標の世界のトップ10入りを果たした日本代表のメンバーが、今回の完敗をそんなふうに振り返ることができるようにならなければならない。

試合後の記者会見から

フレンチ・バーバリアンズ、左からトラベール コーチ、セルヴァ キャプテン、ラビ コーチ

◎フレンチ・バーバリアンズ
○ロラン・トラベール コーチ

「今回の両チームの皆さんに対しまして『大変素晴らしかった』と申し上げたいと思います。それぞれのチーム皆が大変良いプレーをしたと思いますし、かなりレベルが高かったと両チームについて言えると思います。今回の試合の前半良い形でのプレーができましたし、大変効率よくプレーを持っていくことができたと思っています。そんな事からきちんと点も取れたしマークもできたと思っていますし、そして私どものかなりスペースも取れたと思っています。しかしながら後半ですが、前半に比べて大変でした。何が大変かと言うとジャパンXVのクォリティが高いという事で私どもがボールを失う事も多かった。そしてまたジャパンXVの方が、とにかくかなりのスピードで移動していたと言う事でスピードに対して私どもにしてみれば難しいものがあったという事、もう一つ私達のチームについて言える事は、ずいぶんとファールをしてしまったという事がありました。だからもう少し改善しなければならないと思っています。少なくとも次の第2試合に向けて規律をしっかりと守っていきたいと思っています。ありがとうございます」

○ロラン・ラビ コーチ
「私どもといたしましては、今回のこの試合でしっかりと勝つことができたと言う事で大変な誇りに思っています。この勝利をしっかりと味わって、この勝利に満足したいと思いますが、今度の日曜日には大変な試合が待っていると言うことは分かっています。日本としてはプライドに賭けて次の試合を戦ってくるでしょうから私どもにとって難しい試合になるだろうと予想され、しっかりとそれに対して我々も準備してかからなければいけないと思っています」

○ウィリアム・セルヴァ キャプテン
ジャパンXVのチームに対して、あれだけの精神性を持って、そしてあれだけのクォリティを保ってこの試合を戦った事について心から賞賛したいと思っています。そして日本という国は年々その力を上げてきているチームでありますし、特にワールドカップでその力の進歩というものが見てとれます。次のワールドカップに向けても必ずや日本がその力を上げてくるだろと予想できます。そして私達フレンチ・バーバリアンズも、かなり良いゲームメイクをする事ができましたのでチームに対しても誉めてやりたいと思っております。やはり準備の時間があれだけ少なかったにも関わらず、しっかりとした精神性を持って今回の試合を戦うことができたという事で良い夕べとなりました。ありがとうございます」

──前半のスクラム、セットプレーに関しては、かなり満足いくものだったと思いますが、実際に組んでみた若い日本代表については如何でしたでしょうか?

○セルヴァ キャプテン
「日本の若い選手達は、かなりスクラムで力を出してチームに貢献していたと見て取れました。私達もそんなところで揺り動かされましたが、次の試合は大変な試合になるのではと思っております」

──ジャパンに対して高い精神性を感じたとの事ですがどんなところに?

○セルヴァ キャプテン
「私が感じたのは、なんて並外れた精神性の形があるのだろうか、そして並み外れた意志の強さというものが日本チームにはあるなと見て取りました。絶対に諦めないで、どんどんとボールを追っかけていったという日本チームの選手達でありますので、その意味で絶対に諦めないでチームのために全員ががんばる、そして全員が一丸となってどこまでもがんばるというのが見て取れました。そしてまたこの二つのチームが対戦できました事に御礼を申し上げたいと思っております」

──次の試合はメンバーを替えますか?

○セルヴァ キャプテン
「私達バーバリアンズのチームは全員で戦いますので、次回の日曜日の試合は今日出ていなかった選手も必ず出します」

──前回のワールドカップで闘った日本代表と今回闘った日本代表との印象の違いは?

○セルヴァ キャプテン
「ワールドカップで日本代表と戦いましたので日本代表がどんなチームか分かっています。強いチームであるし、しっかりとしたプレーをするチーム、そして凄く反応が良いチームと見ておりました。その良さというものは今回まったく落ちていなかったと思っております。しっかりと育てて作り上げているなと感じておりました」

──今日勝利した理由は。

○セルヴァ キャプテン
「前半の風の向きと思います。前半の日本は逆風で戦わざるをえなかったのでフレンチ・バーバリアンズは効率の良いゲームができた事がポイントと思います。同時に前半のリードでフィジカルでしっかりと力をこめて試合を戦ったので勝つことができたと思います」

JAPAN XV、ジョーンズヘッドコーチ(右)、廣瀬キャプテン

──今日の試合の総括を。

◎JAPAN XV
○エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ

「本当にひどいパフォーマンスだった。ファイトするところを全く見せられなかった。フィジカル面では、前半、フレンチ・バーバリアンズにやりたいようにやられた。セットピースで完全にやられた。選手たちの姿勢に本当にガッカリした。もう一度セレクションを考え直さないといけない。今日プレーした多くの選手は日本のためにプレーしたくないのだろう。それが現実だ。若い選手たちは前半、スマッシュしないといけなかったのに、そうはならなかった。ハーフタイムに学校の先生のように、金切り声を上げて叱咤した後、後半はスイッチが入った。なぜだ? 選手たちが本当に勝ちたいとは思っていないということだろう。十分に変わりたいと思っていないということだろう。なので、選手を変えないといけない。シンプルだ。こういうパフォーマンスを日本のためにするわけにはいかないのだ。今日、勇敢さという面は全く見えなかった。本当に失望した。ここまでの選手たちの努力に関しては喜んでいる。ただし、能力はあるが、決して特別ではないチームに対して、とんでもなく後退したところを見せた。今日のような試合で若手がプレーした場合、目を引くようなプレーを見せないといけないのに、あまりそういう選手はいなかった。本当にそうしたい日本人選手を見つけていくのか? あるいは、外国人プレーヤーを選ぶセレクションに戻した方がいいのか? 本当に今日はひどかった。日本ラグビーの悪いところが出た。つまり、負け犬だということ。今日のパフォーマンスに関しては謝罪する。すべての責任は自分にある。コーチが悪いのだろう。ただし、ここから変えていくことを約束する」

「(苦笑いしながら、コメントしようとする廣瀬主将を制して)おかしいことではない。それこそが日本ラグビーの問題。本当のことだ。真剣に勝ちたいと思うなら、相手をスマッシュしていかないと。今日はそれができなかった。我々はフレンチ・バーバリアンズがどうプレーするのか知っていたににも関わらずだ」

○廣瀬俊朗キャプテン
「エディーさんはそういうふうに言うが、僕はもう一度、選手をまとめて、自分たちを信じて前に進みたいなと思っている。これまでも、日本のラグビーはこういう壁にぶつかって、どこかで諦めていたのかもしれないが、自分たちを信じて、この壁を真摯に受け止めて、もう一度、前に進みたい。これだけ日本人が多いチームでやっていて、勝つ文化みたいなものが足りないのかもしれないが、エディーさんを信じて、そして選手を信じて、もう一度やっていきたい。日曜日にもう一度チャンスがあるが、少しでも変わったというところを、選手ひとりひとりで示したい」

テストマッチではないが、実質的な日本代表デビューとなったLOブロードハースト。攻守にハードワークが目立った
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──気持ちの部分で、こういう試合になった理由として思い当たることは?

○廣瀬キャプテン
「なんとなく、負け続けてきたというのが少しあるかもしれない。勝ち切るという強い気持ちがまだつくれていないのかなという気もする。それをつくるには大変な努力がいる。でも、信じて、やっていきたい」

──今日の若手の何人かは、今回がラストチャンスで、しばらくジャパンに呼ばれない可能性もあるのか。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「彼らが変わらない限り、何人かは2度と日本代表としてプレーしないことになる。それが現実だ。ピック&ゴーを5回やった。ラインは7対2という状況にもかかわらず。そして、タックルにも行かない。タックルをしたくない選手は2度と日本代表としてはプレーできない。我々は変わらないといけないし、成長しないといけない。日本ラグビーが持っているオプションとしては、成長して、インターナショナルプレーヤーを生み出すのか、あるいは外国人ばかりをピックアップするのか。選手たちが成長して、責任をとれる存在になっていく。そのことを早く理解してスタートしないといけない。3年間でW杯がやってくるのだから。こういう試合を年間10-15試合やっていく必要がある。今日、自分が若いFWプレーヤーだったとして、スクラムを押されたら、こちらからスクラムを崩すべき。なのに、ただ後ろに下がるだけだった。本来なら相手より低く組まなければいけないのに、高く組んでしまった。どうしたら、我々が勝てるのか、まったくわかっていない。どうしたら、自分たちが勝っていけるのかを早く選手たちに浸透させないといけない」

──選手選考を見誤ったことも含めて、自身の指揮官としての能力について。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「私が間違っていたのだろう。一番いい若い日本人選手を選んだつもりで、彼らを成長させようと思った。そして、もっと成長してくれると思っていた。そのことに関しては自分に責任がある。もし、辞めてほしいというのなら、いますぐ辞任する。全部の負けの責任は取る。自分の悪いコーチングが責任であるなら、責任は取る。(質問者に)あなたなら、誰を選ぶのか? 6人のニュージーランダーを選んで勝つということか。以前、カーワンヘッドコーチ時代、多くの人がたくさんの外国人を使ったことを批判していた。そして、いま日本人を成長させようとしている。どちらがいいか。本当にファイトできる選手を見つけなければいけない」

後半開始早々にトライを奪うなど、アタック面では秀でたプレーぶりを見せたCTB田村
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──ハーフタイムでかなり厳しい言葉を投げかけたようだが、それによって後半は変わった選手はいたか。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「ひとりひとりの選手に関しては、あまり気にしていない。重要なのは、とにかくチームのこと。チームは後半変わった。でも、やられてから変わるのではダメだ」

──選手がイニシアチブをとれなかった理由は。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「それが日本の伝統だから。日本にとってのビッグゲーム、ほとんどすべてのケースで前半に苦しんで、後半盛り返す。それは、精神的な部分に原因がある。フランスの選手たちは我々を捕まえ、ストップさせようとすることはわかっていた。それを振りほどいて、勝つ気があったのか?」

──試合前からそうなりそうな気配は感じていたか。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「毎回、強い相手と対戦する時、こういうことは起きるかもしれないとは思ってはいた。そうならない選手を選ぶ必要がある。やはり、セレクションが間違っていたのかもしれない。日本で最高の人たちからアドバイスは受けたつもりだ。そして、最高の選手たちを選んだつもりだ。ということは、私の悪いコーチングのせいなのだろう」

──後半はワンプレーずつひとりひとりを替えていったように思ったが、何かメッセージがあったのか。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「ラグビーはシンプルなゲーム。全員が仕事をしていかないといけない。ブレイクダウンではしっかりクリーンアウトしていかないといけないし、タイトヘッドならスクラムをしっかりさせないといけない。特別なメッセージはない。繰り返しになるが、責任をとる必要があるなら、いますぐ辞任する。日本人コーチの方がいいというなら、そうしてもいいのでは」

──やり始めた以上は、やり切らないといけないのでは。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「今日はヒドかった。15人いながら、身を挺してプレーのできる選手がいなかったのは、自分の責任」

──「コーチングに終わりはない」と言ってきたはずだが、こういう悔しい経験からチームを良くしていく方法を知っているのでは? 解決策は。

先発のHO有田に替わって後半開始と同時に途中出場した木津は前に出るプレーでチームを勢いづかせた
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○ジョーンズ ヘッドコーチ
「新しい選手を入れることかもしれない。これ以上、ハードにトレーニングできない。これ以上、意図のあるプレースタイルも難しい。選手たちもゲームプランは理解している。必要なのは、もっとフィジカルになるということ。ラグビープレーヤーである以上、フィジカルでなければいけない。なので、フィジカルな選手を見つけていく。日本ラグビーには本当に問題がある。U20代表もジンバブエに負けそうになった。選手たちは十分に強く、十分にフィットし、姿勢も素晴らしい。そのあたりはほとんど変える必要がない。だからこそ、アグレッシブにプレーできなかった今日のパフォーマンスは受け入れられない。なぜなら、いまのままだと何も変えられないからだ。選手が理解して、選手がフルに責任を取らないといけない。もちろん、自分もフルに責任をとる。選手たちが、『これはできなかった、あれもできなかった』とウダウダ言っているのは、本当にくだらない。できないのは、スピリットがないからであり、フィジカル面で死にものぐるいになっていなかったから。どうして、選手たちは試合の最後にラインでラッシュしていって、タックルができるようになったのか。なぜ、そういうプレーを最初からできないのか。その精神面でのセットの仕方を変えていく必要がある。すでに日本のサッカーチームはそれができるようになっている。彼らは、勝とうとして試合に臨んでいる。それに対して、我々(ラグビー日本代表)がしたいのは、競り合うことだけ」

──初めて代表としてプレーする選手も多かったし、フレンチ・バーバリアンズというチームも、いままでの対戦相手とは違うタイプのチームだったが、そういう部分で実力を発揮できない条件も揃っていたのではないか。

○ジョーンズ ヘッドコーチ
「スコッドとして6週間から8週間一緒にいるチーム。何が期待されているか全員がわかっているはず」

PNC最終戦のサモア戦で今季初めて控えに回ったSO小野が再び先発として奮闘したが結果は残せず
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──廣瀬キャプテンは相手のプレーに驚いたような部分はなかったか。

○廣瀬キャプテン
「それはなかった。パシフィックの時の相手の方がフィジカル面でも強かったし、BKもフィジーの選手の方が強かった」

──やはり、気持ちの部分も問題なのか。

○廣瀬キャプテン
「自分の中では、それなりの感覚を持ってやってきた部分もあるので、もう一度、整理して、考え直そうかなと思っている」

──キャプテンとしても、いつかこういう局面を迎えるような予感はあったのか。

○廣瀬キャプテン
「いつか来ると思っていたら、自分なりに修正していた。さっきも言ったが、何となく負ける文化というのが、まだ残っているのかなという気がしないでもない」