マッチリポート 第49回 全国大学選手権大会

筑波大学 54-0 関西学院大学
【セカンドステージ 2012年12月23日(日) /大阪・近鉄花園ラグビー場】
セカンドステージ最終戦、花園での第2試合、すでにファイナルステージ進出を決めている筑波大学は、主力メンバー以外の布陣で臨む。対する関西学院大学はセカンドステージで未だ勝利がなく、強敵ながら何とか一矢を報いたい最終戦である。厳しい冷え込みにもかかわらずスタンドには両大学のOBをはじめ関係者や熱心なラグビーファンが多く詰めかけた。

前半は、筑波大学のキックオフで試合が開始される。筑波は開始早々の1分、本来SOのポジションの松下がCTB12番に入り関学のBKラインのディフェンスをブレイク、さらに右WTB彦坂(匡)がゲインし、ゴール前30mまで進むと左展開、1年生の左WTB福岡が俊足を飛ばしディフェンスを振り切り、ノーホイッスルトライ、7-0と勢いの違いを見せつける。
一方の関西学院大学は、SO春山のゲインなどでスタンドを沸かせ、ゴール前まで迫るものの、筑波のプレッシャーに遭い好機を生かすことができない。体格、スピード、ラックスキルなど関東大学対抗戦1位の筑波の実力はさすがで、関西学院は中盤まで何とか得点を許さずに意地を見せる試合展開。

筑波が徐々にプレッシャーをかける中、15分、ラックから右展開した球が右WTB彦坂(匡)に渡ると、関学ディフェンスを置き去りにし、個人技でトライを奪い12-0と差を拡げ、以後23分には左WTB福岡の2本目のトライ、32分には左LO藤田のトライなどで得点を重ね27-0で前半を終える。

後半、関西学院の巻き返しが期待されるが、先に得点を挙げたのはやはり筑波。関西学院のキックオフの球が10mLに達しないのをNO8山本が積極的にキャッチし、BKの連続攻撃で関西学院陣内に攻め込むとFWがゴール前でラックを連続支配し、最後はHO村川がラックサイドを突きノーホイッスルでトライを挙げる。関西学院はFB中野、FL6番 徳永、CTB13番 松延などが積極的に仕掛けるが、筑波のゴールを奪うことはできず、筑波がこの後も攻撃の手を緩めることなく、後半も27点を挙げ54-0で関西学院を下した。

会見リポート
 

関西学院大学の萩井監督(左)と藤原キャプテン

関西学院大学

○萩井好次監督

「選手は本当に80分間よく戦ってくれました、関東対抗戦1位の筑波大さん相手にかわす戦いもできたがそうせずにひたすら1年間やってきたことを出そうと臨みました。それをやり遂げてくれた事をうれしく、また誇りに思います」

○藤原慎介キャプテン

「今シーズンやってきたことを出しきろうと臨みました。前半のブレイクダウンの所で関学のラグビーを出しきれていなかったが、後半は点差がひらく中で要所に関学のラグビーを出せました。チームのみんなにありがとうと言いたい」

──筑波大の強いところは?

○萩井監督
「1番はブレイクダウンで慶応大、法政大とここが違いました。ゲームの入りで思った以上にブレイクダウンでプレッシャーを受けてチームとして勢いに乗れなかった。またミスもありこの部分からも崩されました」

──この1年間やってきたこととは? また全国で勝つためには何が必要か?

○萩井監督

「フィットネスを1年間かけてつくり上げ、それをベースに80分間戦い通す事を目指しました。関東にこれから先に関学のスタイルで勝つためにはブレイクダウンの強化とハンドリング、キックの精度を上げることが必要です」

 

筑波大学の古川監督(右)と内田キャプテン
筑波大学の古川監督(右)と内田キャプテン

筑波大学

○古川拓生監督

「今日のゲームに関しては、前回の慶応大戦の4トライ(対抗戦は2トライ)取られたことへの修正が課題だった。セットプレーで早い段階でのミスで波に乗れなかった。
今回はメンバーを変え改善して臨んだがまだまだ課題はある、しかし0点におさえた事は評価できる」

○内田啓太キャプテン

「慶応戦ではディフェンスで崩されたのでディフェンスでの細かいところの修正が出来たのが収穫です、その結果0点に抑えたことは評価できると思います、しかしディフェンスもセットでも甘いところがあったのでここを1月2日に向けて修正していきます」

──次の試合への意気込みは?

○古川監督
「対戦相手はどこか判らないが、筑波としてチームの完成度をどう上げるか、伸びているところもあり修正点もあるが1試合ごとに修正はできている。
メンバーを変えて呼吸が合わないところもあるが、ここを修正しチームとしての課題をクリアしていき、しっかりと作って準備をしていきます」

(記事:山林右二、蜷川善夫、北畑幸二 写真:柳本啓志 広報担当:村島博)