大槻 卓
日本協会公認 A級レフリー

1 はじめに

7月14日より17日までロシア、カザンで行われました上記大会の7人制ラグビー競技にマッチオフィシャルとして参加しましたので簡単ではありますが報告させていただきます。
ユニバーシアード(Universiade)は、国際大学スポーツ連盟(略称 FISU)が主催する総合競技大会で、一般に「学生のためのオリンピック」といわれています。日本でも過去4回開催(夏季: 1967年東京、1985年神戸、1995年福岡、冬季: 1991年札幌)されています。7人制ラグビー競技がユニバーシアードで採用されるのはこのカザン大会が初めてとなりました。
私にとりましてもこのような総合競技大会に参加するのは2007年の東南アジア大会以来でしたのでいつもとは少し違った空気に新鮮な感覚で臨むことができました。

2 スケジュール

7月11日 中部国際空港より仁川、モスクワ経由にてカザンへ
7月12日 マッチオフィシャルミーティング、チームビルディング
7月13日 マッチオフィシャルミーティング、会場視察
7月14日 大会一日目
7月15日 大会二日目
7月16日 大会三日目
7月17日 大会四日目
7月18日 カザンよりモスクワ、仁川経由にて中部国際空港へ
7月19日 帰国

試合会場:Tulpar Stadium
宿泊先:Park Iin by Radisson

3 参加国

≪男子≫
・ 日本
・ ロシア
・ カナダ
・ ポーランド
・ ウクライナ
・ イギリス
・ マレーシア
・ ベルギー
・ グルジア
・ 南アフリカ
・ ナミビア
・ ラトビア
・ フランス
・ イタリア
・ ルーマニア
・ ブラジル
≪女子≫
・ 日本
・ ブラジル
・ フランス
・ ロシア
・ ウクライナ
・ イタリア
・ 中国
・ アメリカ
・ カナダ
・ イギリス

4 マッチオフィシャルチーム

男子
Chris Assmus (Canada)
Paulo Duarte (Portugal)
Brian Zapp (US)
Federico Fiovaranti (Arg)
Mike Kelly (US)
Tui Komiti (Samoa)
Taku Otsuki (Japan)

女子
Katharina Pickert (Germany)
Koini Vuli (Fiji)
Henchella Oerson (RSA)
Alhambra Gonzales (Spain)
Beatrice Benvenuti (Italy)

レフリーマネージャー
Carlos Molinari (Arg)

パフォーマンスレビューアー
Michel Lamoulie (Fra)

今回も様々な国、地域からの参加となりました。それぞれの経験もワールドセブンズシリーズに参加しているレフリーから経験の浅い若手まで、と幅広かったですが、規律をもって一つのチームとして試合日の4日間をポジティブな雰囲気で過ごし、大会を終えることができたと思います。
レビューアーから1試合ごとにフィードバックをもらうことができたので、次の試合に向けて明確な課題を設定して臨むことができました。結果として各試合のピッチ上で新たなチャレンジをすることができたと思っています。

5 担当試合

レフリー担当試合(全て男子)
プール戦
・ イギリス 59 - 5 マレーシア
・ ロシア 45 - 0 ウクライナ
・ イギリス 38 - 0 グルジア
・ ナミビア 19 - 22 ラトビア
カップ準々決勝
・ ロシア 39 - 0 イタリア
カップ準決勝
・ 南アフリカ 14 - 17 ロシア

アシスタントレフリー担当試合 9試合

6 おわりに

今回はユニバーシアード夏季大会で初めて開催された7人制ラグビー競技に日本のレフリーとして参加し、ピッチでパフォーマンスできたことを非常に嬉しく思います。最終的に7人制ラグビー競技は男女とも開催国ロシアの優勝で幕を閉じましたが、ベルギー、ブラジルやラトビア、ウクライナなど、一昔前の感覚ではラグビーとは縁遠かった新興国の健闘が光り、まさにラグビーのグローバル化を感じさせる大会となりました。7人制ラグビーがオリンピック種目に採用されたことで、そこに向けた取り組みが各地域、各国で着々と進行していることを強く感じました。
今回参加したレフリーの多くは毎年南アフリカで開催されているIRB Talent Optimization Programme (TOP)を経験したレフリー達でした。昨年、私も参加させていただきましたその場をはじめとして、面識のあるレフリーがほとんどであった事も手伝って、ピッチ内外でいいコミュニケーションをはかる事ができたと思います。自国のラグビー事情や担当した大会等をはじめとして様々な情報交換ができ、有意義な時間とすることができました。
最後になりましたが、今回の派遣に対しても快く送り出していただいた勤務先であります(株)豊田自動織機をはじめとして、現地でお世話になった多数のボランティアスタッフのみなさん等、今回も多くの方々に支えていただきこの実り多き遠征を無事に終える事ができました。今大会に関わられた全ての皆様にこの場をお借りいたしまして感謝申し上げたいと思います。