東海大学 61-5 天理大学

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関東大学リーグ戦1位チーム東海大学と関西大学Aリーグ戦2位チーム天理大学の対決は、このブロックの大一番と期待され、両校関係者が早くから来場し、大いに盛り上がった雰囲気となる。

両校のスターティングメンバーを見ると、天理大学は、対同志社戦、対早稲田戦からほぼ不動のメンバーだが、早稲田戦での負傷か、フッカーの藤波が白へ変わっていた。

一方の東海大は、後に記者会見で木村監督の「デェフェンス重視のセレクションを行った」というコメント通りに対朝日戦から④景山、⑫ロイドがスタメンとなる。対朝日戦は負傷で欠場した⑮野口が復帰して万全の構えとみる。FWを見ると東海大学総重量800kg、平均体重100kg。一方の天理大学は、総重量730kg、平均体重91.5kgとの差があり、後半戦での走力に影響があるか興味のあるところ。

午後2時に浅田レフリーのコールで試合開始。立ち上りから天理大学は、トンガ出身の⑧マキシとフィジーからの留学生⑬ケレビの両名を縦に走りこむ戦法で東海大学を自陣ゴール前でのディフェンスと一方的に攻める。8分、東海ゴール前で左オープン攻撃。誰もが「トライを取れた!」と思った瞬間に東海大学⑭近藤がインターセプトし、天理大学ゴール・ポスト下に先制トライ。⑩野口のゴールも成功。このワン・プレーがゲームの流れを変えた。

16分東海大学⑪石井のトライ、⑩野口ゴール成功。20分⑭近藤のトライ、⑩野口ゴール成功。28分⑧モエアキオラのトライ、⑩野口ゴール成功。34分⑨湯本がトライ、⑩野口のゴール成功。ハーフ・タイムとなる。

【東海大学35-0天理大学】

前半戦を見ると、立ち上り10分までは天理大学のプラン通りに展開出来たが、10分過ぎからはラック&モール周辺のチャンネル・アタックが過去の同志社、早稲田戦そのままで東海大学サードロー陣のデェフェンスの餌食となった。苦しまぎれに⑬ケレビを走らせるが、これも東海大学の粘り強いタックルにゲインを超えられないと同時にターンオーバーでチャンスを潰す結果となる。

後半1分に東海大学⑬池田のトライ、⑩野口がゴール成功して一方的な試合運びとなるかと思われたが、10分天理大学⑭久保が東海大学デェフェンスを切り開きトライ。⑬ケレビのゴール不成功。この得点から天理大学もライン攻撃に強弱のアレンジを持たせるもFW戦の消耗度の影響が見られ東海大学のオープン攻撃に対抗出来ず、18分東海大学②津田のトライ、⑩野口ゴール成功。31分⑰山賀がトライ、⑩野口ゴール不成功。そして37分自陣より⑪石井がタッチ・ライン際を独走トライ、⑩野口がゴール成功してゲームを仕上げた。

【東海大学61-5天理大学】

両チームともレギュラーシーズン終盤で、流通経済大学戦、同志社戦と激戦を経験し、チーム力が一段とステップ・アップし、重量FWを要し、BKにはキープレーヤもおり、拮抗した接戦を想像したが、一方的な試合展開となった。

要因として、試合プランとは別に両チームの反則数に「チーム規律」もあった様に考える。東海大学「1」、天理大学「10」の反則数。反則せずに堅いデェフェンスを実行する東海大学。

東海大学は、この勝利で帝京大学とともに1月2日の準決勝進出を決めた。

来週の早稲田戦も好調さを維持して戦うことが予想される。

(文責:武田守久)


■天理大学

小松節夫監督

「今日の試合では東海大のパーフォーマンスが素晴らしく、天理大のミスから失点を重ねてしまいました。いいかたちのアタックもいくつかはありましたが、天理大の力を出せなかったと思います。あと1試合ありますが、次の朝日大戦では、しっかり、自分たちのラグビーをしたいと思います」

──ディフェンスが若干、淡白だったという印象ですが?また、スコアがかなり開きましたが、戦前の予想通りではなかったでしょうか?

「東海大の一人一人の体の使い方が上手で、これに対して天理大が一つに絞り込めなかったと思います。試合前のイメージと違ってスクラムには大きな差がなかったと思います。しかし、ブレイクダウンでのしつこさや、アタックが途切れないことなど、東海大には一人一人の圧力があり、天理大のいいところを出せなかったと思います」

東口剛士主将

「今日の試合では点数が大きく開いてしまい完敗でした。前にアタックすれば前に進められるところもありましたが、ペースに乗れず、東海大にペナルティキックからゴール前に持ち込まれ、勝負されて取られるというかたちが多くなってしまいました。あと1試合ありますが、次の対朝日大戦にはしっかり課題を修正して臨みたいと思います」

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東海大学

木村季由監督

「本日はありがとうございました。大学選手権の2試合目でしたが、天理大のしぶといディフェンスや前への勢いを認識して、東海大のラグビーのレベルを上げてプレーしようと考えました。しっかりやり切れたと思います。天理大の強いところを止めきれていたことは収穫だと思います」

──今日の勝利でファイナルステージ進出が確定しましたが?

「ファイナルステージ進出が決まったからと言って、1試合、1試合やっていくのは変わりません。次戦は対早稲田大となりますが、ファイナルステージ進出が決まったことをメリットとしてプラスになるように相手を上回る気持ちで、いつも通り、準備をしっかりやっていきたいと思います。今日の試合のように自分たちがやるべきことを出しきるプレーが次戦でもできるように、チームを作っていきたいと思います」

──天理大の強いところに対してはどう対応できましたか?また、今日の大差のスコアは想定していましたか?

「天理大の13番(ジョシュア・ケレビ)をしっかり止められたと思います。天理大は13番の突破力もありますが、速さが武器です。それも勘案して、今日はディフェンスの強いプレーヤーをスターターに起用しました。しかし、今日、これ程の大差がつくとは想定はしていませんでした。選手たちが粘り強くディフェンスし、取り切るべきところで取り切れた結果だと思います」

藤田貴大主将

「今日の試合ではチームとしてのスタンダードをぶらさずに、相手にぶつけていこうとして臨みました。しっかり相手を上回れ、いい成果を出せたと思います。ディフェンスでの反則もなかったので(注:東海大の反則は試合全体で1のみ)、いいレベルで出来たと思います。今シーズン全勝の目標に向けて、次の試合にも臨みたいと思います」

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