4月21日午後1時より、日本ラグビーフットボール協会のジャパンクラブで「アジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)2016」に参加する日本代表メンバー、国内・遠征スケジュールなどの発表記者会見が行われた。注目の日本代表メンバーは別表の通りだが、日本代表の中竹竜二ヘッドコーチ代行は次のように説明した。

 

■日本代表「アジアラグビーチャンピオンシップ2016」メンバー
https://www.rugby-japan.jp/2016/04/21/japan_arc2016_squad/

 

「日本代表としてのキャップ対象試合になりますので、結果を出すことを重視しています。現在、スーパーラグビーにはヒト・コミュニケーションズ サンウルブズが参戦しており、そちらが優先される特殊なシーズンではありますが、2019年のラグビーワールドカップに出場する可能性の高い選手、なおかつ、6月のスコットランド代表戦(リポビタンDチャレンジカップ2016)に向けたセレクションも兼ねて、将来性だけではなく、現時点での力が十分にある選手をピックアップしました」

6月はスーパーラグビーが休止期間となるため、メンバー選考は大きく変わるが、ARCのメンバーについては、海外でプレーする選手、サンウルブズの主力は除かれ、トップリーグで活躍する若手が中心になっている。サンウルブズからは、HO森太志、FL安藤泰洋、SH井上大介ら9名がメンバー入り。日本代表キャップ保持者は、SH内田啓介、LO宇佐美和彦、FL村田毅、PR渡邉隆之、SO・CTB中村亮土、CTBティム・ベネット、SO・CTB山中亮平の7名。12キャップを保持し、7名の中ではもっとも代表経験豊富な内田啓介がキャプテンを務めることになった。

3月にフィジーで開催された「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2016」に出場したジュニア・ジャパンからは、FL金正奎、CTB石橋拓也、LO小瀧尚弘、PR知念雄ら10名が選ばれている。昨年のトップリーグのベストフィフティーンである金、新人賞の小瀧、ルーキーイヤーで全試合に出場した石橋、陸上競技のハンマー投げから転向して2年ながらトップリーグで堂々たるプレーを見せる知念は、将来を嘱望される選手達。そして、大学2年生のFL古川聖人、CTB前田土芽らジュニア・ジャパンでトップリーガーらと肩を並べて戦った選手達のプレーも楽しみだ。U20日本代表ヘッドコーチでもある中竹HC代行も「彼らには本気で上(6月の日本代表)を狙えと話しています」と期待を寄せる。

日本代表の初陣は、4月30日の韓国代表戦(三ツ沢球技場、14:00キックオフ)となる。韓国代表は、前香港代表ヘッドコーチのジョン・ウォルターズ、スーパーラグビーのチーフスでもアシスタントコーチを務め、日本のサニックスでもプレーしたディオン・ミュアが務めるなどスタッフも充実。パナソニック ワイルドナイツのFL劉永男(ユ・ヨンナム)、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのCTB諸葛淋(チェガル・ビン)らトップリーグで活躍する選手もいる。若い日本代表にとっては侮れない相手だ。中竹HC代行も「WTB、FBにも、ランニングスキルの高い選手がおり、脅威になる」と警戒している。

メンバー選考に時間を要したこともあって、初戦までの準備期間は短い。中竹HC代行は「時間のかかる強化はできないので、シンプルな戦術で、すべてにおいて相手より早く仕掛けたい」と話す。「サンウルブズで試合機会の少ない選手は、きっとうずうずしていると思います。その気持ちを爆発させてほしいですね。今回のメンバーは、ジャパンというより、ジュニア・ジャパンという印象をもたれると思いますが、6月には、彼らが本当のジャパンになる。そういう4試合にしたいと思います」

 文:村上晃一

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https://www.rugby-japan.jp/2016/03/10/arc2016_ticket_info/