今季からヒト・コミュニケーションズ サンウルブズに参加しているジョージア代表HOジャバ・ブレグバゼとPRニコロズ・カティアシヴィリ。世界有数のスクラムの強さを誇るジョージアで第1列として活躍している彼らは、日本ラグビーをどう見ているのだろうか?

6月23日(土)に愛知・豊田スタジアムで行われるリポビタンDチャレンジカップ2018日本代表対ジョージア代表のテストマッチに向けて、2人の戦士に話を聞いた。

 

 

――今季からサンウルブズでプレーされていますが、日本での生活はいかがですか?

 

ジャバ ジョージアから日本はすごく遠いのですが、もともと日本の文化をリスペクトしていました。もちろん、日々の生活で違うところはたくさんあって、特に地下鉄の乗り方には苦労しています(笑)。私は家族と一緒に来ているのですが、家族のみんなも東京の生活を楽しんでいます。

 

ニコロズ 私は日本人が持っているファイティングスピリットはジョージア人とすごく似ていると思っています。ジョージア人と同じく、日本人も古来から「戦士」でしたから。

ジョージアとの違いは文化ですが、それを生活することで感じられるのはすごく良いですね。また、日本人のみなさんはすごく優しくて、親切なので貴重な経験ができています。

 

――サンウルブズとジョージアでラグビーの違いはありますか?

 

ジャバ サンウルブズはすごくスピーディーです。スーパーラグビーなので、そうでないと戦っていけない部分もあると思います。

ジョージアはご存知の通り、セットピースが主体でパワフルです。もっとアウトサイドを生かしたいと思っているのですが、なかなかうまくいきません。ジョージア人は元々の性質として、力強く前に出て、タックルで倒して、スクラム、モールで自分たちを有利にしていくのが好きなチームですから。

今のラグビーのトレンドを見ていると、アウトサイドプレーをもっとやっていかないと世界で勝てないと思いますが、そういう意味ではサンウルブズに習いたいと思っています。

 

ニコロズ ジャバの言った通りですね。ジョージアは常にFWが引っ張っていて、FWで試合に勝とうとしています。サンウルブズはそうではなくて、FW50、BK50の割合で協力していますね。

サンウルブズではFWがBKのためにスペースを確保するという役割があります。そういう点でジョージアとの違いを経験できるのはすごく良いことで、個人的にはどちらのスタイルも好きです。

 

 

――ジョージアのスクラムは世界最強クラスと評価されていますが、ジョージア人にとってスクラムとはどのようなものですか?

 

ジャバ スクラムはとても重要なものです。「チームでどう戦うか」と考えた時にまずスクラムが肝になっていて、スクラムで相手を制圧して試合に勝とうとしています。

試合前の練習もスクラムをすごく大切にしていて、精神的な意味でも気持ちを集中させていると言えます。

 

ニコロズ スクラムは私たちの文化です。ジョージアが世界のラグビーに足跡を残そうと思ったら、スクラムで残すことになると思っています。

ジョージアの選手たちが試合をしていてもっとも幸せになるのはスクラムになる時です(笑)。スクラムの度に「よし、スクラムだ!」と思っています。

 

――日本とジョージアでスクラムの違いはありますか?

 

ジャバ 新しいチームでは練習することがたくさんあります。サンウルブズは特にいろいろな国から選手が集まっていて、優秀なコーチもたくさんいます。細かいところで新しい発見が日々あって、自分が成長できる助けになっています。

スクラムで特に大事なのは、8人が「ひとつの拳」のようになることです。サンウルブズでこの部分の大切さをあらためて感じています。

スクラムコーチの(長谷川)慎さんにはすごく細かい技術を教えてもらっていて、HOとしてPRをどう助けられるか、LOにどう力をつなげられるかを学んでいます。自分のキャリアとしてもすごく成長できていると思います。

 

ニコロズ スクラムに対する気持ちとして、「自分はすべてわかっている」と思ったら終わりだと思っています。そういう意味ではプロフェッショナルなコーチの慎さんに学べる機会があって、恵まれています。細かい技術を学ぶことは、自分がプロ選手として続けていかなくてはいけないことだと思っています。

今は新しいチームでまた一からスクラムを始めている感覚です。スクラムは毎回新しいもので、ひとつとして同じものはないので、細かいことを学び続けることは大切だと思います。

組む時のメンタリティとしてはスクラムを支配して、相手を破壊するぐらいの気持ちでやっています。

 

 

――6月の日本代表戦に向けて意気込みを聞かせてください。

 

ジャバ まだ代表に選ばれるかわかりませんが、サンウルブズでプレーしていることを楽しんでいるので、もし日本代表と戦えればうれしいです。彼らは良い友人で、良い選手ですから。

日本は本当に良いチームで、学ぶべきものが多いと思っています。ジョージアとしては、日本と戦うことがチームの成長につながるはずですし、個人としては試合が終わった後にサンウルブズの仲間といろいろ話すのが今から楽しみです。

 

ニコロズ 自分が尊敬する友人たちとグラウンドで戦えるのはとても幸せなことです。実現すれば全力でぶつかり合いたいですね。

日本は2015年のラグビーワールドカップで南アフリカを倒しましたし、ジョージアもトンガ、ナミビアを破るなどインパクトを残しました。そういう意味で似たような位置づけにあると感じていて、私は日本を「同志」だと思っています。

そうした両国が戦うのですから、自分たちのベストのプレーをしたいですし、100%でぶつかり合って、試合後は友人として、ラグビーのこと、友情のこと、人生のことを話していきたいです。

 

――日本代表戦の注目ポイントはありますか?

 

ジャバ ひとつには選べませんね。すべてを見てください(笑)。とにかく、スタジアムに来て、見てくれれば楽しんでいただけると思います。

 

ニコロズ 注目ポイントを選ぶのは難しいですが、一人ひとりの選手は必ず100%で戦いますので、そのぶつかり合いを見ていただければと思います。

 

<関連リンク>

◆リポビタンDチャレンジカップ2018 大会特設サイト

https://www.rugby-japan.jp/braveblossoms/

 

◆試合情報

6月23日(土)14:45 日本代表vs.ジョージア代表(愛知・豊田スタジアム)

https://www.rugby-japan.jp/braveblossoms/

◆チケット情報

「リポビタンDチャレンジカップ2018」、チケット一般発売中

https://www.rugby-japan.jp/2018/03/14/2018_june_testmatch_ticket_info/