第一試合
早稲田大学 52-14 天理大学

■天理大学
小松節夫 監督
「今日はありがとうございました。昨年、決勝戦で明治大学に敗れて、今年のチームは決勝の舞台に戻り、自分たちの力を出すことをテーマに一年間やってきました。今日、勝って国立競技場で自分たちのパフォーマンスを発揮したいと思っていましたが、警戒していた早稲田大学のバックスに中野選手が入ったことで早稲田大学が理想とする展開を我々が止められませんでした。途中、天理大学に流れが傾いた時もありましたが、ラインアウトのセットプレーが安定しなかったためアタックの時間が少なくなり、逆に早稲田大学がアタックする時間が増えてしまい、修正できずにトライを重ねられてしまったゲームでした。非常に残念な結果であり、久し振りの大敗でしたが、選手たちは良いプレーをしたと思います。この悔しさを糧に、強いチームを作り頑張っていきたいと思います」
-関東のチームに勝つために何か特別なことをしていますか。
「ベスト4に進むチーム、今日も関東の大学が3チームです。関東の大学同士で試合会場も含めて切磋琢磨しているなかで、関西のチーム、以前だと同志社大学、今は天理大学の1チームは、初めての経験、戸惑うことは確かにあると思います。今後、しっかりとした力を付けて乗り越えていかないと、関西のチームが優勝するのは関東のチームに比べると少し難しいのかなと思います」

岡山仙治 主将
「本日はありがとうございました。僕たちは、小松監督が言われたと同様に決勝に戻るという目標を持ち試合に挑みました。自分たちの力を出すことを心がけていましたが、早稲田大学の強さに封じ込められ、流れに乗れないという自分たちの弱さが出てしまいました。しかし、チームメイトが体を張ってプレーしてくれたので、自分としては楽しいゲームになりました。結果には結び付きませんでしたが、今回の経験が来年につながると思います。これからも、天理大学の応援よろしくお願い致します」
-ラインアウトとスクラム、2つのセットプレーについて。
「前半はしっかり押せていましたが、後半になると早稲田大学の前列に低く入られて自分たちの押しやすい姿勢を取れませんでした。ラインアウトは、自分たちの投げ入れるポジションに、同じタイミングで競ってきたのは早稲田大学の巧いところでした」
-前半でスクラムにこだわった理由を教えてください。
「前半に押せる感覚があったのでスクラムにこだわり、真正面からしっかりと勝負しようと思いました。反則を取られましたが、スクラムに負けて取られたというのではなかったので、選手たちがナイーブになることはありませんでした。その場面において得点したら流れに乗れたと思いますが、選手たちに精神的な影響はありませんでした」
-今までになくボールが手に付かなかったのは早稲田大学のプレッシャーが強かったためですか。
「自分も、前半に2回ノックオンをしてしました。確かに、固くなっていたところもあり、修正が遅くなってしまいました。プレッシャーが厳しかったというよりは、自滅した感じです」
-一年やってきて後輩たちに残せたことは何ですか。
「全てです。僕らが作ったというよりは、OBの方々がつなげてきたものをつないだつもりです。来年は、試合に出た選手が多く残ります。自分たちの力を出せなかった悔しい経験が、来年につながると思います」

 

早稲田大学
相良南海夫 監督
「お正月にラグビーができることは幸せなことで、こういう大観衆のなかでゲームができたことを嬉しく思っています。昨年は準決勝の壁に跳ね返されて終ってしまったので、今日は昨年を超えようとゲームに臨みました。その結果、勝つことができ嬉しく思っています。ありがとうございました」
-天理大学との試合に向けて、どのような準備をしましたか。
「日本大学戦が終わって、今日までの10日間に良い準備だけでなく、選手と最高の準備をしてきて、できることは全てやりゲームに臨みました。今日のゲームでは、アタック、ディフェンスにおいて準備してきたことを出せました。特に、ラインアウトについては、相手のラインアウトに対するプレシャーはでき過ぎくらいです。メンバー外の選手が、しっかり分析して仮想天理大学になって、何度も練習してきたことを出せたと思います」
-夏に天理大学に勝った試合は、何か参考になりましたか。
「夏の天理大学戦は、それほどに気にしていませんでした。夏の試合で、我々が積み上げてきたスクラムの手応えを掴んだというのはありました。夏に勝ったからではなく、今日の試合に向けてしっかり準備をして、今日の試合に勝たなければ先がないので、全てを出し切るつもりで試合に臨みました」
-決勝戦に向けた意気込みを教えてください。
「今年のチームは成長し続けてきたチームなので、11日まで9日間で日々成長して悔いのないようにチャレンジャー精神で、齋藤直人キャプテンをはじめとしたチームの集大成が見せられるように良い準備をしたいと思います」
-新しい国立競技場での試合について。
「この巡り合わせに感謝したいと思います。ラグビーの試合としては初めてなので、良いパフォーマンスが出せるように頑張りたいと思います」
-中野選手のプレーについて。
「中野選手の力強いプレーが、他のプレヤーのオプションを増やしたと思います。5試合ほど休んでいたので、意気込み過ぎないようにと送り出しましたが、リラックスして彼なりに良いパフォーマンスだったと思います」

齋藤直人 主将
「1月2日にもかかわらず、これだけ多くのファンの方々に会場へ来て頂き、試合をできたこと嬉しく思います。監督と同様、昨年この舞台で敗れてから一年間、昨年のチームを超えようとやってきました。まだ終わっていませんが、昨年のチームをひとつ超えられ嬉しく思っています」
-前半の終了間際にスクラムから飛び出してきた選手を止めたプレーでオフサイドのリスクを意識しませんでしたか。
「あの場面は、フィフィタ選手が来るのが分かっていたので、できる限り相手の強みを出させたくない意味でも、自分ができる最低限のことをやりました。オフサイドについては、レフリーとコミュニケーションが取れていたので、後半もプレッシャーをかけることができ、要所々々で流れを断ち切るプレーができたと思います」
-今日のフォワードの頑張りについてどう思いますか。
「フォワードもトライを取りましたが、特に、バックスのトライはフォワードの頑張りのお陰だと思います。ラインアウトのプレッシャーであったり、スクラムも劣勢かなと思っていましたが、後半にはペナルティを取ったりしたので、フォワードに助けられた試合だと思います」
-前半から多くのオプションを出してきましたが、どのように岸岡選手とコミュニケーションを取っていましたか。
「準備の段階から、かなりサインプレーの準備をしました。前半、それ程多くのサインプレーを出したという感じではありませんが、前半に使わなかったサインプレーで後半に相良選手がトライを取ったりはしました。展開を見ながら、準備してきたサインプレーを試合の流れで使い分けた感じです」
-決勝戦に向けた意気込みを教えてください。
「昨年はここで終わったので、準決勝から決勝戦までの間というのは1年生から4年生まで経験したことのない期間です。残りの9日間、目標はあくまで日本一なので、気を抜くことなく楽しみながら最高の準備をしたいと思います」
-新しい国立競技場での試合について。
「新しい国立競技場で試合をできるのは嬉しいですが、まずは試合に集中したいという気持ちが大きいです」
-中野選手と一緒にプレーしてどうでしたか。
「対抗戦の後半に一度も出ていなかったので、オプションがひとつ増えたのはやり易かったですし、安心感がありました」


第二試合
明治大学 29-10 東海大学

■東海大学
木村季由 監督
「本日はありがとうございました。この試合に向けて準備をして臨みましたが、お互いに強みと強みのぶつかり合いで、この点は、ゲームの入りから引くことのできないところでした。正直に申し上げて、明治大学さんの圧力により自分たちの持ち味を出させてもらえなかったことがすべてだと思います。自分たちのラグビーができなかった点については、色々と問題はあると思いますが、相手の力、これがすべてだと思います」
-監督としては、キャプテンが話したような準備の甘さを感じていたのでしょうか。
「その点は難しいです。我々は、自分たちが甘いと思って毎日過ごしているわけではないので、それを言い訳にすることは違うと思います。キャプテンが言う意味は、その点を相手が上回っていたということだと思います。我々も準備してこだわってやってきましたが、その点がまだ足りないということで、結果がすべてなので、その結果がもたらしたものでそのように判断したのだと思います」
―明治大学が一人少ない場面で東海大学としてのチャンスがありましたが、あそこでトライを取るというイメージだったでしょうか。
「スコアも含めてあそこでワントライ差に詰めておく状況でした。自分たちの強みであるスクラムが発揮できていましたので二つペナルティーを取った次のプレイが勝負でした。そこでかみ合いませんでした。そこがすべてだと思います」

眞野泰地 主将
「本日はありがとうございました。自分たちの力が足りませんでした。準備も甘くて、もっと厳しさをもって、準備の段階からやるべきだということに気づきました。このことを後輩にしっかりと伝えて、必ず次にこれを繋げます。ありがとうございました」
―ゲームの中でどのような点が、準備が足らないと感じたのでしょうか。
「細かいとこころで、ひとつ一つのハンドリングであるとか、トライを取りきる意識などですが、明治大学さんの方が細かいところにこだわっていました。自分たちのやっているラグビーは間違っていないと思いますが、細かいミスで後手に回ってしまったと思います」
―相手が一人少ない時のスクラムでどのようにスコアしたかったのでしょうか。
「バックスで動かす準備もしていましたが、スクラムでペナルティーをもらった時に、フォワードはそのまま押し切るイメージでいましたが、そこで笛が鳴りペナルティーにより戻される場面が多かったので、そのことに自分たちもアジャストしてバックスも準備をしていましたが、最後、あのような状況になってしまいました」
―明治大学のアタックをどのように感じていましたか。
「特別なことはないのですが、細かいところをやりきってきて、ひとつ一つのラインの深さ、パスのタイミング等で自分たちは崩されたのだと思います」

 

■明治大学
田中澄憲 監督
「本日はありがとうございました。死闘だったと思います。選手は分かっていると思いますが、両校の激しいぶつかり合いだとか、お互いの意地と意地のぶつかり合いで、自分も途中から監督という立場を越えて両校を応援している気持ちというか、不思議な気持ちでした。強い東海大学さんにチャレンジして勝ち切れたということ、次にみんなで進めるということが素直にうれしく思います。1月11日の決勝戦に向けて、ダメージを回復して臨みたいと思います。ありがとうございました。」
-シンビンにより一人減った状況でのゴール前ですが、監督はどのように感じていましたか。別の選手を入れる選択肢はなかったのでしょうか。また、あのままだとペナルティートライの可能性もありました。そうすると、もう一枚カードを出されるということは考えませんでしたか。
「正直に言いますと、トライを取られてもしょうがないと感じていました。次のキックオフからの準備をしていましたが、よく学生が結束して耐えてくれたと思います。あの場面が今日のゲームのキーポイントだったと思います。また、途中で誰か入れようかとは話していました。選手には申し訳なかったですが、取られるということで準備していたのですが、我々が描いているイメージを選手たちが超えていったのだと思います。あのままでは危ないと感じてはいましたが、このこともキャプテンを中心に選手は分かっていたと思います。コミュニケーションをしっかりと取ってくれていたので、そこでしっかりと対応できたのだと思います」
-スクラムもそうですが、低いボールにもよく飛び込んでいましたが、準備において注意したことはどのようなことでしょうか。
「今回のテーマとして、一人ひとりが相手が痛がるプレイを選択すること、ハードワークすること、これがチームとして相手を上回るということにフォーカスしてやってきました。ファンダメンタルなところにこだわってやってくれました」
-1月11日の決勝戦に向けての意気込みを教えてください。
「キャプテンが話した通りです。相手は関係ありません。大学日本一を目標にやってきたのでこれを達成できるよう、一日一日にこだわって、悔いのないように準備したいと思います」

武井日向 主将
「本日はありがとうございました。東海大学さんの激しいフィジカルで、最後までどちらが勝つか分からない状況でした。自分たちもすごくプレッシャーを感じましたし、東海大学さんの最後まで諦めない姿勢など勉強させてもらいました。次に進めたことは素直に嬉しいですが、自分たちはまだ目標を成し遂げていないので、ここから決勝戦に向けてしっかりと準備して、最後に笑って終えることができるよう準備していきたいと思います。ありがとうございました」
-シンビンにより一人減った状況でのゴール前ですが、チーム内でどのような話をしたのでしょうか、また、どのように感じていたのでしょうか。
「あの場面はこの試合のキ―ポイントだったと思います。片倉選手がいなくなりましたが、全員でしっかりと止めようという意思を感じました。チームとして成長していると感じました。今までのチームでしたらあそこで諦めて点を取られてしまう場面でしたが、そこを我慢しきれたことが良かったと思います。一本一本組む中で、全員がしっかりとコミュニケーションを取って修正しながらスクラムを組むことができました。短い時間の中で修正できたことはチームとしてスクラムの成長を感じました」
バックスから一人加えフォワードを8人にすることは考えませんでしたか。
「まとまれば大丈夫だという意識がありました。自分たちがやってきたことを信じられる部分がありましたので、しっかりと意思統一して7人で組めたことが良かったと思います」
-その次のスクラムの時にダイレクト・フッキングをしましたが、あのプレイは練習していたのでしょうか。
「練習はしていませんが、試合の状況やスクラムの流れをしっかりと考えて判断しました。チームとして意思統一して行いました。片倉選手が戻るまでは無理にスクラムにこだわる必要はないと考え、自分が判断しました」
-準々決勝の関西学院大学戦は今シーズン初めて体験するような接戦でしたが、あの経験により伸ばせたもの、役立ったものはあるのでしょうか。
「自分たちは力がないので100パーセントの力を出さないとしっかりと試合はできないと、あの試合で感じました。関西学院大学さんのすごいファイティング・スピリットやハングリー精神を忘れかけていたので、そのことを学ばせてもらったことは良かったと思います。そのことを意識しながら、自分たちに何が足りないのか、どこが成長しなければいけないのかを意識しながら練習に取り組むことができたので、良かったと思います」
-1月11日の決勝戦に向けての意気込みを教えてください。
「決勝戦に進むことができて嬉しいです。新しい国立競技場で早稲田大学さんと対決することができ嬉しいです。どのチームが来ても明治大学のラグビーをするだけなので、自分たちが積み上げてきたことを信じて、この後の9日間しっかりと成長して早稲田大学戦に臨みたいと思います」