5月25日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場にて行われたIRBパシフィック・ネーションズカップ2013 第1戦 トンガ代表戦後に行われた記者会見の様子です。

トンガ代表からは二リ・ラトゥキャプテン、マナ・オタイヘッドコーチが、日本代表からは菊谷崇ゲームキャプテン、エディー・ジョーンズヘッドコーチが登壇しました。


トンガ代表 二リ・ラトゥキャプテン、マナ・オタイヘッドコーチ

■トンガ代表

◎マナ・オタイヘッドコーチ
「トンガの選手はよくやってくれました。短い時間で準備したにもかかわらず、日本に対して、いいプレーをしてくれて、うれしいです。」

-トンガは、個々の選手が大きく、強い当たりが出来るのに、今日のディフェンスは、集団でやっていたのは、作戦か?

「ビッグヒットは、トンガのスタイルです。2日間という短い時間で、準備をしてきました。ミスはありましたが、アタックは、アグレッシブにすることができました。」

-トンガは、ブレイクダウンが強かったが、何かプランがあったのか?

「試合では、コンタクトが大切です。戦いの中で1対1の部分を強みにして、試合をスローダウンさせて、日本の速い展開をさせないようにしてきました。」

-日本で印象に残った選手は?

「ツイとマレサウです。最後にHCという立場から…。日本は素晴らしいプレーヤーが、それぞれの良さを発揮していました。それらのプレーヤーに敬意を表します。」

◎二リ・ラトゥキャプテン
「私たちにとって、大きな結果です。日本との違いは、勝ちたいという気持ちをみんなが強く持っていたからでしょう。短い時間で準備してきましたが、勝ててうれしいです。」

-日本が近年、チェンジしたことを感じるか?

「私も日本に7年間いるので、スピードとフィットネスがあがってきていることを感じます。昨年のPNCから、クイックでしっかりしたプレーをしています。それに対してトンガは、いいディフェンスをしたし、勝ちたいという気持ちが強かったと思います。」

-ワールドカップの時のような集中力を発揮できたのは、なぜか?

「1試合1試合のチームだ…と考え、チームが一体となってみんなで強くなっていこうと意思統一してきました。規律を保つことが、私たちの望むチャレンジに向かうと思います。今日は、やろうとしているシステムを貫くことができました。準備が2日間と短かったのは、残念です。」

-日本のブレイクダウンの印象は?

「日本は、クイックボールを与えると速い展開のゲームになってしまうので、自分の役割としては、ブレイクダウンをスローダウンさせることに徹しました。」

-日本で印象に残った選手は?

「ツイとブロードハスト。ツイを止めることが、今日のキーポイントでした。あとは、マレサウのスピードで1本トライを取られました。」

■日本代表

◎エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ
「残念です。前半は「酔っ払い」のようでした。A5Nの時のように、トンガが上がってきたのに対して、受けに回っていました。後半は、うまく反応してくれて、ボールを前に持ち込んでいけたのは良かったです。結果は、とても残念です。
今後の課題は、キックオフレシーブとブレイクダウンです。ブレイクダウンの二人目がトンガに食い込まれていました。ジャパンとしては、コンテストでも勝てるチームになる必要があります。今日は、残念な結果ですが、プラスに受け止めていきたいと思います。来週のフィジー戦は、今週より良くなると思うので、楽しみにしています。
今日のトンガは、勝ちにふさわしいチームでした。ジャパンも勝てるチャンスはあったのに、生かせませんでした。やはり、それがトップレベルの試合だと思います。今日学んだことを来週に出していきたいと思います。」

-チャンスを生かせなかった問題点は?

「ブレイクダウンです。スローな展開になり、ディフェンスが戻ってしまいました。『アタックシェイプ』を失ったことも原因です。トンガは、1対1で打ち負かすことができませんでした。ブロードハストが行っても、ダブルタックルで抑えられてしまいました。本来の速い展開をしたかったです。」

-立ちあがりにトライ二つ献上、A5Nの後の試合は、昨年ももたついたが?

「ジョンカーワンは、PNCの前に海外チームと試合を組んでいましたが、今回は、そのようにはできませんでした。UAEとの試合もタッチラグビーのようでした。
日本には、スーパーラグビーのような組織がないので、そこでプレーする選手が少ないです。今週は、調整がうまくいきませんでした。」

-トンガのブレイクダウンの強さは、予想していたのか?

予想していました。

-藤田・福岡などの若いメンバーの評価は?

バックスの若いプレイヤーは素晴らしいです。ワールドカップも2大会出場できるのではないでしょうか。しかし、今は、まだ(テストマッチレベルの)ラグビーを学んでいる状態です。藤田は、走る時上体が高いままになっています。今日のようなミスを経験して学んでいくことでしょう。福岡は、FBと1対1の状況で抜くことができる選手です。もっと厳しい経験を積んでいい選手になってほしいです。彼らがボールを持つと「何かが起こるのでは?」という期待感が持てるのが素晴らしいです。

-スクラムへの評価は?

スクラムはすごく良かったです。もっとハードなヒットをすれば、スクラムはもっと勝てたと思います。これまでの練習でとても強くなりました。

◎菊谷崇ゲームキャプテン

「今日をふりかえってみると、内容としてはHCと同じです。プレーヤーとして、エンジンがかかるのに40分かかってしまったのが、残念です。FWで二つ、BKでも一つトライをとれるチャンスがあったのに逃してしましました。
キックオフがまずかったです。自分たちがやるべきことは、今までも意思統一してきているので、信じてやっていきたいです。この1週間で、それをチーム全員に落とし込んで盛り上げていきたいと思います。」

-後半、10点差で正面のPGを狙わないで、攻めたのはなぜか?

「トンガの反則で、さらに10m前に進んだために、本来ならクイックで攻めるべき機会でしたが、スクラムを選択しました。スクラムは、うまくいっていたので、もっと練習していきたいです。」

-トンガのブレイクダウンの強さは、予想していたのか?

「二人目のサポートをもっと行くべきだと思いました。」

-ブレイクダウンについては、A5Nの時から指摘されていたのでは?

「本来ならば、ボールキャリアーが立っていて、ボールをコントロールしながらつなぐべきですが、今日は、ダブルタックルを受けて、ボールのコントロールを失ってしまいました。」


日本代表 菊谷崇ゲームキャプテン、エディー・ジョーンズヘッドコーチ